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山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件は、エイベックス株式会社(代表取締役会長:松浦勝人)の請求をいずれも棄却するとの判決が言渡された。 その33 「マリファマル(注:「マリファナ」の「ナ」の部分を「●」と表現して隠語として表現している)好きですかって言ってるんですけど俺(松浦勝人)に・・・どう、どうなのこれ。でもこれはね、法律関係なくて・・・そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺(松浦勝人)は日本じゃねえから、関係ねえから」(視聴者から、大麻は好きか、という質問を受け、国外で使用しているのだから問題がないとして、大麻が好きであると回答)二 視聴者からの「マリファマル好きですか。」との質問に対して、原告エイベックス松浦勝人会長は「そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺は日本じゃねえから、関係ねえから。」と回答。2022年2月7日付被告高山直樹の報告書の3頁〜4頁に記載。(令和4年11月14日)


山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件は、エイベックス株式会社(代表取締役会長:松浦勝人)の請求をいずれも棄却するとの判決が言渡された。 その33 「マリファマル(注:「マリファナ」の「ナ」の部分を「●」と表現して隠語として表現している)好きですかって言ってるんですけど俺(松浦勝人)に・・・どう、どうなのこれ。でもこれはね、法律関係なくて・・・そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺(松浦勝人)は日本じゃねえから、関係ねえから」(視聴者から、大麻は好きか、という質問を受け、国外で使用しているのだから問題がないとして、大麻が好きであると回答)二 視聴者からの「マリファマル好きですか。」との質問に対して、原告エイベックス松浦勝人会長は「そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺は日本じゃねえから、関係ねえから。」と回答。2022年2月7日付被告高山直樹の報告書の3頁〜4頁に記載。(vol.33)

 <本節>

マリファマル(注:「マリファナ」の「ナ」の部分を「●」と表現して隠語として表現している)好きですか。

マリファマル。

マリファマルって何ですか。

こうやって会長とつながる、すごい、だから僕に<聞き取り不能>送りますね、連絡ください。

<聞き取り不能>かな。

DAIGO、もしもし。

はい、生放送です。

ちょっと待って、ちょっ、ちょっと待って。DAIGOさん。

DAIGO:はい、はい、はい。

原告エイベックス松浦勝人会長:今、変な質問が来たんですよ。

DAIGO:大丈夫ですか。

原告エイベックス松浦勝人会長:あの、見てください。

DAIGO:はいはい。

原告エイベックス松浦勝人会長:マサマサさんがマリファマル好きですかって言ってるんですけど、俺に

DAIGO:うん、いや、言ってる、言ってる、言ってる、全部言ってる。

原告エイベックス松浦勝人会長:どう、どうなのこれ。でもこれはね、法律関係なくて。

DAIGO:最近、最近いるよね、解禁されてますからね。

原告エイベックス松浦勝人会長:そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺は日本じゃねえから、関係ねえから

DAIGO:なるほど。

原告エイベックス松浦勝人会長:大丈夫です、問題、問題にするんだったら俺が問題にするわ。マサマサさん、頑張ってね。

以上

 裁判所に提出されている、2022年2月7日付の被告高山直樹の報告書の3頁〜4頁の記載されている松浦勝人(原告エイベックス株式会社代表取締役会長)のYouTubeで2022年1月17日に公開された動画(乙17)の文字起こしである

 <判決 復習>


山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件は、エイベックス株式会社(代表取締役会長:松浦勝人)の請求をいずれも棄却するとの判決が言渡された。 その32 「マリファマル(注:「マリファナ」の「ナ」の部分を「●」と表現して隠語として表現している)好きですかって言ってるんですけど俺(松浦勝人)に・・・どう、どうなのこれ。でもこれはね、法律関係なくて・・・そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺(松浦勝人)は日本じゃねえから、関係ねえから」(視聴者から、大麻は好きか、という質問を受け、国外で使用しているのだから問題がないとして、大麻が好きであると回答)一 2022年10月14日10:00、エイベックス株式会社(代表取締役会長:松浦勝人)の請求をいずれも棄却するとの判決が言渡された。(vol.32)

「マリファマル(注:「マリファナ」の「ナ」の部分を「●」と表現して隠語として表現している)好きですかって言ってるんですけど俺(松浦勝人)に・・・どう、どうなのこれ。でもこれはね、法律関係なくて・・・そうそう、これね、好きに決まってんじゃん。いいよ、言っていいよ、俺(松浦勝人)は日本じゃねえから、関係ねえから」(視聴者から、大麻は好きか、という質問を受け、松浦勝人は、国外で使用しているのだから問題がないとして、大麻が好きであると回答)(乙17。以下「本件配信発言4」という。被告の準備書面3(令和4年1月26日付)のP11の15行〜21行より転載)

 2022年10月14日10:00、エイベックス株式会社(代表取締役会長:松浦勝人)の請求をいずれも棄却するとの判決が言渡された。

             判決
               港区三田1−4−1
               (令和4年3月1日移転)
               原告 エイベックス株式会社
               同代表者代表取締役  黒岩 克巳
               同訴訟代理人弁護士  上村 哲史
               同          兼松 勇樹
               同          菊池 春香
               港区六本木1−6−1 
                株式会社スターマウンテン内
               被告 山直樹こと詠基
               同訴訟代理人弁護士  三崎 拓生
               同訴訟復代理人弁護士 伊倉 秀知

             主文
1 原告エイベックスの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

第4 結論
 以上の次第で、本件発言が原告エイベックスの社会的評価を低下させたとは認められず、原告エイベックスの名誉を毀損するものとはいえないから、本件発言を被告山直樹こと詠基が実際に行ったか否かを含め、その余の点について判断するまでもなく原告エイベックスの請求はいずれも理由がないというべきである。
 よって、原告エイベックスの請求をいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。

  東京地方裁判所民事第37部
     裁判長裁判官 杜下弘記
        裁判官 味元厚二郎
        裁判官 高岡遼大(vol.32)


山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その31 原告エイベックス第1準備書面 事業会社として反社会的勢力とのかかわりを絶つべきである原告エイベックスが、裏社会との付き合い方を熟知している被告山直樹こと詠基と、秘密裏に株式の譲渡等に関する交渉をしているという事実は、それ自体として原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に裏社会と関係性を有しているとの印象を抱くのが通常であるから、原告エイベックスの社会的評価を低下させることは明らかである。(vol.31)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その30 原告エイベックス第1準備書面 原告エイベックスに所属する一部の芸能関係者が薬物を使用して逮捕された旨や原告エイベックス松浦勝人会長の薬物使用(但し、そのような事実はない。)の疑惑の報道がなされたからといって、一般読者が原告エイベックスに所属するアーティスト、ましてや原告エイベックスの社員の間で薬物が横行しているというような認識を持つなどということはない。これまでに原告エイベックスの社内において薬物の使用が横行した事実自体が全く存しないから、本件発言2は反真実である。(vol.30)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その29 原告エイベックス第1準備書面 被告山直樹こと詠基は、本件発言2において、原告エイベックスの全社員・全アーティストに対して薬物検査をすると述べた後、「従えない人には辞めてもらう」とまで述べているのは、被告山直樹こと詠基自身が原告エイベックスの従業員らの中に薬物を使用している者がいるということを前提としており、一般読者の普通の読み方と基準とすれば、原告エイベックスの社内での薬物の使用が横行している会社であると認識することは明らかである。(vol.29)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その28 原告エイベックス第1準備書面 そもそも原告エイベックスの代表取締役会長松浦勝人が原告エイベックスの株主を広域指定暴力団幹部の同席する場に呼び出し、不穏当な言動をとったという事実はないし、また、被告山直樹こと詠基の主張するように、原告エイベックスの経営にあたって裏社会に対応する必要があることは周知の事実でもない。乙7で指摘されている訴訟でも、被害者の請求が棄却されている(東京地方裁判所 平成25年1月17日(平成23年(ワ)第15727号(甲13)、東京高等裁判所平成25年5月29日(平成25年(ネ)第1196号において被害者の控訴が棄却され確定。)。(vol.28)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その27 原告エイベックス第1準備書面 原告エイベックスのような、東証第1部に上場する日本有数の企業であり、かつ老若男女問わず無数の個人を顧客とし、社会的評価や企業イメージの毀損が事業活動に極めて深刻な影響を及ぼすエンターテインメント企業においては、抽象的であれそのような企業が反社会的勢力と関係性を有するという事実を摘示されるだけでも、原告エイベックスの社会的評価を低下させることは明白である。(vol.27)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その26 原告エイベックス第1準備書面 本件発言1は、原告エイベックスが、その経営にあたり裏社会との付き合い方を熟知している必要があるほど、裏社会との関係性を有している会社であるという事実を摘示するものである。したがって、被告山直樹こと詠基の主張はおよそ失当であるというほかない。(vol.26)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その25 被告山直樹こと詠基準備書面2 松浦勝人氏が反社会的勢力と関係性を有しているかのような報道や、同人が薬物を使用しているかのような報道はすでに幅広く認知されており、原告エイベックス(関連会社を含む)に所属する俳優が麻薬及び向精神薬取締法に違反した罪について有罪判決を言い渡される事案も発生しているのであるから、本件発言1または同2程度の抽象的な発言によって原告エイベックスの社会的評価が低下することはない。(vol.25)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その25 被告山直樹こと詠基準備書面2 松浦勝人氏が反社会的勢力と関係性を有しているかのような報道や、同人が薬物を使用しているかのような報道はすでに幅広く認知されており、原告エイベックス(関連会社を含む)に所属する俳優が麻薬及び向精神薬取締法に違反した罪について有罪判決を言い渡される事案も発生しているのであるから、本件発言1または同2程度の抽象的な発言によって原告エイベックスの社会的評価が低下することはない。(vol.25)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その24 被告山直樹こと詠基準備書面2 令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。乙10の16〜18 「【CEO退任へ】直撃15分 エイベックス松浦勝人会長が大麻疑惑に答えた「大麻を凝縮したシートなんてあるんですか」」(vol.24)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その23 被告山直樹こと詠基準備書面2 令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。乙10の11〜15 「【CEO退任へ】<早くやれや>エイベックス松浦会長との大麻漬けのハワイ旅行 白亜の大豪邸での『証拠音声』公開」(vol.23)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その22 被告山直樹こと詠基準備書面2 令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。乙10の6〜10 「【CEO退任へ】『舐めてみろ』エイベックス松浦会長がフェスのVVIP席で手渡してきた茶色い大麻凝縮シート」(vol.22)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その21 被告山直樹こと詠基準備書面2 令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。乙10の1〜5「【CEO退任へ】エイベックス会長・松浦勝人氏の大麻使用を元社員が告発『毎週のように一緒に吸っていた』(証拠音声・LINE公開)」(vol.21)

「上がっていこうぜ!」と「FAKE STAR」を熱唱する押尾学氏 
原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)(vol.20)
 
「上がった」のか?「フェイクジャーナリスト」を熱唱したのか?山岡俊介氏(偽者山岡vol.14)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その20 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)(vol.20)

エイベックス松浦勝人社長利益供与と株主監禁脅迫事件を追う(敬天新聞連載記事)
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その19 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスと反社会的勢力との関係性については、平成23年6月、松浦勝人氏が、原告エイベックスの株主を広域指定暴力団の幹部が同席する場に呼び出し、不穏当な言動を同株主に対して行ったという報道がなされた(乙7(文藝春秋H23.6.30エイベックス松浦社長 暴力団同席『株主を監禁・脅迫』で訴えられた!))。(vol.19)
 
エイベックス松浦勝人社長利益供与と株主監禁脅迫事件を追う(敬天新聞連載記事)
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その19 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスと反社会的勢力との関係性については、平成23年6月、松浦勝人氏が、原告エイベックスの株主を広域指定暴力団の幹部が同席する場に呼び出し、不穏当な言動を同株主に対して行ったという報道がなされた(乙7(文藝春秋H23.6.30エイベックス松浦社長 暴力団同席『株主を監禁・脅迫』で訴えられた!))。(vol.19)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その18 被告山直樹こと詠基準備書面2 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)・シンガー・ソングライター(槇原敬之)・俳優(伊勢谷友介)のものが大々的に報道されており、社会一般に広く認知されている。そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.18)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その18 被告山直樹こと詠基準備書面2 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)・シンガー・ソングライター(槇原敬之)・俳優(伊勢谷友介)のものが大々的に報道されており、社会一般に広く認知されている。そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.18)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その18 被告山直樹こと詠基準備書面2 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)・シンガー・ソングライター(槇原敬之)・俳優(伊勢谷友介)のものが大々的に報道されており、社会一般に広く認知されている。そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.18)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その17 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスが業務を行っているいわゆる芸能界(音楽関係を含む)では、反社会的勢力との関係性や薬物使用が問題となった事案が複数発生しており、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.17)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その17 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスが業務を行っているいわゆる芸能界(音楽関係を含む)では、反社会的勢力との関係性や薬物使用が問題となった事案が複数発生しており、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.17)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その16 被告山直樹こと詠基準備書面2 本件発言1によって、一般読者が、原告が裏社会との関係性を有している会社だと解釈することに論理の飛躍があることはすでに主張したとおりであるが、これに加えて、本件発言1は、原告と裏社会との関係性の中身に何ら言及しておらず、原告が有しているかも知れない裏社会との関係性に関する具体的な事情を読み取ることは不可能である。本件発言2においても、原告における薬物使用に関する具体的な事情への言及はどこにもなく、一般読者が抽象的な印象を超えて原告社内の薬物使用を想起することは考えられない(ましてや、薬物使用が「横行」しているとの結論に辿り着くことはあり得ない)。(vol.16)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その15 被告山直樹こと詠基準備書面2 「一般読者の普通の注意と読み方」をした場合、「原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象」は受けないし、原告エイベックスが薬物使用が「横行」しているとの印象は受けない、と主張する。いずれにせよ不法行為は成立しない。(vol.15)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その14 被告山直樹こと詠基準備書面1 被告山直樹こと詠基が、交渉相手を明らかにすることなく、「株の譲渡を含めて交渉しています」とするものであるところ、交渉相手として想定できるのは上記の約4万名の株主である(特に、個人株主が原告エイベックスの全株主の98.84%を占めているのは注目に値する)。原告エイベックス自身が交渉に関与していないと述べたからといって、原告エイベックスが「嘘つき」だという印象を抱く読者などいない。(vol.14)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その13 被告山直樹こと詠基準備書面1  原告エイベックスは、「…エイベックスを買収した後には、スキャンダル対策も徹底していきますよ。まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」という記載から、「原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常」であると主張する。しかしながら、薬物検査が実施された場合に、同検査の対象者の間で薬物使用が横行していると解釈すること自体が不自然である。原告エイベックスは本件発言2の意味内容について一般読者の理解とは大きく異なる理解をしているのであり、同発言が名誉毀損に該当することはない。(vol.13)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その12 被告山直樹こと詠基準備書面1 原告エイベックスは、「『被告山直樹こと詠基には裏社会との付き合い方を熟知しているという側面・経歴がある』イコール『原告エイベックスは裏社会との関係性を有している会社だ』」と即断する思考過程を経るのが一般的な読者であると主張しているのであるが、明らかに不合理であり、本件発言1を原告エイベックスが主張する意味合いに解釈することは不可能であり、名誉毀損には該当しえない。(vol.12)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その11 被告山直樹こと詠基準備書面1 第2 被告山直樹こと詠基の主張 本件発言2は、被告山直樹こと詠基が「エイベックスを買収した後」、「スキャンダル対策」として、「全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。」という方針の表明に過ぎず、事実の摘示でも論評でもない。小括 上記のとおり、本件発言2及び同3は、事実の摘示でも論評でもなく、文言の類型として、そもそも名誉毀損としての不法行為を構成し得ない。(vol.11)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その10 被告山直樹こと詠基準備書面1 違法性阻却事由はないのうち、エイベックスのコンプライアンスポリシーや就業規則の内容は、エイベックスの役員・従業員・所属アーティスト等が反社会的勢力との関係性を有していないことや、薬物の使用や所持をしていないことを必ずしも意味しない。なお、エイベックスは、山直樹こと詠基がエイベックスの「株価を動かす」目的を有していたかのように示唆するが、エイベックスの株式の買収を予告するような言動はエイベックスの株価上昇を招き、エイベックスの株式取得を目指している者にとってはむしろ不都合であるから、山直樹こと詠基がエイベックスの「株価を動かす」目的を有していたとの指摘はどのみち当たらない。(vol.10)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その9 被告山直樹こと詠基準備書面1 第1 請求の原因に対する認否 「本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる」のうち、「『いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています』(本件発言1)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。「『まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう』(本件発言2)のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。「『僕としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです』『現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ』(本件発言3)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。(vol.9)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その8 2 損害の発生 既にこれまでの間にも、被告山直樹こと詠基の本件発言により、多数の原告エイベックスの専属アーティストやタレントが原告エイベックスに対して大きな不安感を抱き、担当マネージャーへの事実確認が後を絶たなかっただけでなく、原告エイベックスの下には各種メディア媒体からも本件発言の真偽に関する問い合わせが集中し、原告エイベックスの業務にも支障が生じた。(vol.8)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その7 (3)違法性阻却事由はない。被告山直樹こと詠基の発言は、いずれも反真実であり、公共性も公益目的もなく、講談社関係者(沖田臥竜)からは、原告エイベックスの「株価を動かすことが目的ではないか」と述べられている。(4)小括。以上のとおり、被告山直樹こと詠基の発言は、いずれも原告エイベックスの社会的評価を低下させるものであり、違法性阻却事由も存在しないから、原告エイベックスの名誉権を違法に侵害するものである。 (vol.7)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その6 「僕(山直樹こと詠基)としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです」「(エイベックス)現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ」(本件発言3)を閲覧した読者は、いかがわしい会社(エイベックス)あるいは嘘つきの会社(エイベックス)であるかのような印象を抱くだけでなく、原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に「裏社会」と関係性を有しているとの印象を抱くのが通常であるから、本件発言3は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。 (vol.6)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その5 「まずは、(エイベックスの)全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」(本件発言2)を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスの全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けさせることが必要なくらいに、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言2は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。 (vol.5)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その4 第2 被告山直樹こと詠基の不法行為。1 本件発言による原告エイベックス株式会社の名誉権の侵害。ア 「いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています」(本件発言1)を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言1は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。 (vol.4)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 請求の原因。1当事者、原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(株式会社スターマウンテン代表取締役、訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。2本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯、山直樹こと詠基のFRIDAYにおける発言はいずれも事実無根であり、エイベックスの名誉を著しく毀損するものであり、エイベックスは、裁判外での解決が困難であると判断し、やむなく本件訴訟を提起するに至った。(vol.3)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 請求の原因。1当事者、原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(株式会社スターマウンテン代表取締役、訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。2本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯、山直樹こと詠基のFRIDAYにおける発言はいずれも事実無根であり、エイベックスの名誉を著しく毀損するものであり、エイベックスは、裁判外での解決が困難であると判断し、やむなく本件訴訟を提起するに至った。(vol.3)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 訴状。原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。請求の趣旨、1 被告山直樹こと詠基は、原告エイベックス株式会社に対し、金220万円等の金員を支払え、2 被告山直樹こと詠基は、株式会社講談社発行の週刊誌「FRIDAY」において、謝罪広告を1回掲載せよ。(vol.2)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 訴状。原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。請求の趣旨、1 被告山直樹こと詠基は、原告エイベックス株式会社に対し、金220万円等の金員を支払え、2 被告山直樹こと詠基は、株式会社講談社発行の週刊誌「FRIDAY」において、謝罪広告を1回掲載せよ。(vol.2)
 
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <起因>

 令和3年9月3日、被告山直樹こと詠基が原告エイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・ 損害賠償等請求事件の第一回口頭弁論が行われた。

 
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <復習>
             謝罪文

 山直樹こと詠基は、令和3年5月21日発売の週刊誌「FRIDAY」において、松浦会長の持株を含むエイベックス株式会社(以下「エイベックス」といいます。)の株式を買収するために、エイベックスが裏社会と関係するかのような発言エイベックスと交渉中であるかのような発言をしました。しかし、これらの発言はいずれも事実に基づくものではなく、山直樹こと詠基がエイベックスや松浦会長と同社の株式の譲渡に関して交渉しているという事実もありません。

 事実と異なる山直樹こと詠基の発言により、エイベックスの社会的評価を著しく傷つけ、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを認め、山直樹こと詠基の一連の発言を撤回するとともに、ここに深くお詫び申し上げます

        山直樹こと詠基に代わって
        週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)(vol.1)

             訴状

                  令和3年6月21日

〒107−8577
東京都港区南青山3−1−30
原告 エイベックス株式会社
代表者代表取締役 黒岩 克巳
〒100−8222
東京都千代田区丸の内2−6−1 丸の内パークビルディング
森・濱田松本法律事務所(送達場所)
電話 03−5293−4907(菊池直通)
FAX 03−5293−9386(菊池直通)
原告訴訟代理人弁護士 鈴木 克昌
同          上村 哲史
同          兼松 勇樹
同          菊池 春香

〒171−0042
東京豊島区
被告 山直樹こと詠基
〒150−0002
東京都渋谷区渋谷2−9−8 日総第25ビル4階
三崎総合法律事務所(送達場所)
電話 03−4570−6190
FAX  03−4570−6191
被告訴訟代理人弁護士 三崎 拓生

損害賠償等請求事件
訴訟物の価格 360万円
貼用印紙額 2万3000円

請求の趣旨

1 被告山直樹こと詠基は、原告エイベックス株式会社に対し、金220万円及びこれに対する令和3年5月21日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え

2 被告山直樹こと詠基は、株式会社講談社発行の週刊誌「FRIDAY」において、別紙謝罪広告目録1記載の謝罪広告を、同目録2記載の掲載条件にて1回掲載せよ

3 訴訟費用は、被告山直樹こと詠基の負担とする

との判決並びに第1項につき仮執行宣言を求める(vol.2)

 請求の原因

1 当事者

(1)原告エイベックス
 原告は、音楽・映像ソフトの企画、制作、製造、販売、賃貸及び輸入、卸業務並びに放送・上映、国内外の楽曲の原盤制作等を自ら行い、これらの事業を営む会社の事業活動を支配・管理することを主たる事業とする東証一部上場企業である(甲1)。

(2)被告山直樹こと詠基
 被告は、投資事業組合財産の運用及び管理等の事業を行う株式会社スターマウンテンの代表取締役であり(甲2)、後記第2のとおり、訴外株式会社講談社(以下「講談社」)という。)発行の週刊誌「FRIDAY」2021年6月4日号(以下「本件雑誌」という。)に、自身の発言を掲載させた人物である。

2 本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯

 令和3年5月21日、講談社の発行する本件雑誌が発売され、同雑誌において「『エイベックス買収』を仕掛ける人物 ファンドマネージャー高山直樹とは何者か」と題する記事(以下「本件記事」という。)が掲載された(甲3)。

 本件記事は、令和3年5月頃に「FRIDAY」の記者が被告に接触して取材を行った際の被告の発言を掲載したものであり、同取材において被告は自身の発言が多くの読者を有する週刊誌である「FRIDAY」に掲載され、同誌を購入した多くの読者の目に触れることになることを認識しつつ、後記第2のとおり、原告が裏社会とつながりを有しているかのような発言、さらには原告及び原告代表取締役会長が、原告の株式の譲渡や買収後の方針等に関して被告との間で水面下で交渉しているかのような発言(以下、これらの発言を「本件発言」と総称する。)をした。

 しかし、被告の本件発言はいずれも事実無根であり、原告の名誉を著しく毀損するものであった(後記第2)。

 以上のことから、原告は、令和3年5月28日、被告に対し、被告の本件発言による原告への名誉毀損行為に関して、書面による謝罪を求めるとともに、今後二度と事実無根の発言をしない旨を確約する誓約書の提出を求めた(甲4)。

 しかし、被告は、原告からの警告に対して何らの応答もしなかったため、原告は、裁判外での解決が困難であると判断し、やむなく本件訴訟を提起するに至った。(vol.3)

第2 被告山直樹こと詠基の不法行為

1 本件発言による原告エイベックス株式会社の名誉権の侵害

(1)原告エイベックス株式会社の同定可能性

 本件発言においては、原告の会社名である「エイベックス」という名称や、同社が「エンタメ業界」の会社であり、同社会長が「松浦(勝人)さん」であることが摘示されている。原告エイベックス株式会社はアーティストのプロデュースや国内外の楽曲の制作などを手掛ける会社であり、その代表取締役会長は松浦勝人氏(以下「松浦氏」という。)であるから(甲1)、一般的な読者の読み方を基準とすれば、本件発言の「エイベックス」が原告エイベックス株式会社を指すことは明らかである。

(2)本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる

ア 「いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています」(本件発言1)

 本件記事内において、被告山直樹こと詠基は、以下のような発言を行っている。

 本件発言1は、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの買収を実現した場合に、原告エイベックスをどのようにするつもりなのかという質問に対する回答の文脈において、「いわいる裏社会との付き合い方も熟知している」などと述べるものであり、「裏社会との付き合い方も熟知」していることが原告エイベックスの会社運営・経営に便宜であることを示すものである。

 そして、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言1を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言1は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。(vol.4)

イ 「まずは、(エイベックスの)全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」(本件発言2)

 本件記事内において、被告山直樹こと詠基は、以下のような発言を行っている。

 事業会社において全社員を対象に1年間に複数回の薬物検査を行うというのは極めて異常でるところ、本件発言2は、被告山直樹こと詠基が原告を買収した後に、全社員・全アーティストを対象に、1年に複数回の薬物検査を受けさせることが必要であることを示すものである。

 そして、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言2を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスの全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けさせることが必要なくらいに、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言2は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。(vol.5)

ウ 「僕(山直樹こと詠基)としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです」「(エイベックス)現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ」(本件発言3)

 本件記事内において、被告山直樹こと詠基は、以下のような発言を行っている。

 本件発言3は、原告エイベックスや原告エイベックス代表取締役会長である松浦勝人氏が、被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックスの買収に関する交渉を進めているとの事実を摘示するものである。他方で、本件記事には「エイベックスは対外的に、『会社と通じての正式な交渉はない』と言い切っている」との第三者の発言も記載されている(甲3。なお、後述のとおり、実際にも原告エイベックスや原告エイベックス代表取締役会長である松浦勝人氏と被告山直樹こと詠基との間の交渉の事実は存在しない。)。

 そして、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言3を閲覧した読者は、原告エイベックスが表向きには被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡に関する交渉を否定しながらも、前記アのとおり、「裏社会との付き合い方も熟知している」被告山直樹こと詠基との間で、現在水面下で当社株式の譲渡や買収後の方針等に関する交渉を行っているような、いかがわしい会社(エイベックス)あるいは嘘つきの会社(エイベックス)であるかのような印象を抱くだけでなく、原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に「裏社会」と関係性を有しているとの印象を抱くのが通常であるから、本件発言3は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。(vol.6)

(3)違法性阻却事由はない

ア 本件発言は、いずれも反真実である

 原告エイベックスにおいて、これまでに原告エイベックスが裏社会と関係性を有していた事実や、原告エイベックスの社内において薬物の使用が横行した事実自体が存しない。実際に、原告エイベックスの就業規則においては、従業員は、コンプライアンス・ポリシーを遵守することとされており(甲5・8条)、当該コンプライアンス・ポリシーにおいて、反社会的勢力及び団体との関係を持たないことが明記されている(甲6・8頁)。また、原告エイベックスの就業規則においては、禁止薬物又はその他に類する薬物の使用又は所持していることが明白な場合には、諭旨解雇又は懲戒解雇の対象となっており(甲5・73条20号)、薬物の使用又は所持は厳に禁止されている。したがって、本件発言1及び本件発言2の前提事実は、いずれも反真実である。

 また、原告エイベックスや松浦勝人氏が被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡に関する交渉をしている事実も一切存在しないから(甲7)、本件発言3も、反真実である。

イ 公共性も公益目的もない

 また、本件発言は、その内容が反真実であるばかりでなく、公共性又は公益目的がないことも明らかである。

 すなわち、前記(2)ア及びイのとおり、被告山直樹こと詠基は、本件発言において、同発言を閲覧した一般の読者が、原告エイベックスが裏社会と関係性を有しており、原告エイベックスの社内において薬物の使用が横行しているかのような印象を抱く発言を行っているところ、仮に被告山直樹こと詠基が真に原告エイベックスの買収を望んでいるであれば、将来自身が運営することとなる会社のレピュテーションを殊更に下げるような発言をすることは通常考えられない。また、被告山直樹こと詠基は、本件記事において「エイベックスを器としか思っていない」と発言していることからすれば(甲3)、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの裏社会との関係性や、原告エイベックスの社内における薬物問題等を是正するために、社会一般に問題提起する意図で本件発言をしたとも到底考えられない。

 したがって、本件発言に、公共性又は公益目的が一切存しないことは明らかである。現に、本件発言については、講談社関係者(沖田臥竜)からも、原告エイベックスの「株価を動かすことが目的ではないか」と述べられているところである。

(4)小括

 以上のとおり、本件発言は、いずれも原告エイベックスの社会的評価を低下させるものであり、違法性阻却事由も存在しないから、原告エイベックスの名誉権を違法に侵害するものである。(vol.7)

2 損害の発生

 被告山直樹こと詠基の本件発言は、本件雑誌に掲載されて今もなお広く一般に公開されている。

 そして、「FRIDAY」の毎週の発行部数が26万6042部であることに鑑みれば(甲9)、本件雑誌の多くの読者が、本件発言を通じて原告エイベックスに関する事実を誤って認識するに至り、原告エイベックスは社会的評価を損なうという甚大な被害を受け続けている
 また、既にこれまでの間にも、本件発言により、多数の原告エイベックスの専属アーティストやタレントが原告エイベックスに対して大きな不安感を抱き、担当マネージャーへの事実確認が後を絶たなかっただけでなく、原告エイベックスの下には各種メディア媒体からも本件発言の真偽に関する問い合わせが集中し、原告エイベックスの業務にも支障が生じた。したがって、本件発言によって原告エイベックスの名誉権が侵害されたことにより原告エイベックスが被った損害は、少なくとも200万円は下らない。

 そして、原告エイベックスは、被告山直樹こと詠基の名誉毀損行為に対する裁判外での対応を含む一連の法的措置を弁護士に依頼して行っているから、これらの被告山直樹こと詠基の不法行為と相当因果関係を有する弁護士費用は、少なく見積もっても20万円を下らない。

3 謝罪広告の掲載

 前記2のとおり、被告山直樹こと詠基の本件発言は、本件雑誌に掲載されて今もなお広く一般に公開されており、被告山直樹こと詠基は、原告エイベックスからの警告に対して何らの対応もしないため、本件発言によって原告エイベックスの社会的評価は低下し続けている。したがって、失墜した原告エイベックスの社会的信用を金銭による賠償のみで回復することは著しく困難であるから、原告エイベックスの名誉を回復するためには、別紙謝罪広告目録1記載の謝罪広告を、同目録2記載の条件で掲載する必要がある。

第3 結語

 よって、原告エイベックスは、被告山直樹こと詠基に対し、不法行為に基づき、損害賠償金220万円及びこれに対する本件雑誌の発売日である令和3年5月21日から支払済みまで、民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払いを求めるとともに、原告エイベックスの名誉を回復するための手段として、請求の趣旨2記載のとおり謝罪広告の掲載を求める。
                              以上 (vol.8)

              準備書面1

                       令和3年9月30日
東京地方裁判所民事第37部合議B係

〒171−0042
東京豊島区
被告 山直樹こと詠基
〒150−0002
東京都渋谷区渋谷2−9−8 日総第25ビル4階
三崎総合法律事務所(送達場所)
電話 03−4570−6190
FAX  03−4570−6191
被告訴訟代理人弁護士 三崎 拓生

 被告山直樹こと詠基は、訴状(令和3年6月21日付け。)に請求の原因として記載された主張に対し、次のとおり認否反論する。

 なお、訴状で定義された本件発言1、本件発言2及び本件発言3はそれぞれ本書面でも同義で用い、これらを総称して「本件各発言」という。

第1 請求の原因に対する認否

 訴状記載の「請求の原因」のうち、

1 同「第1 事案の概要」のうち、

 (1)同「1 当事者」のうち、

  ア 同「(1)原告」は認める。

  イ 同「(2)被告」のうち、被告山直樹こと詠基が自身の発言を株式会社講談社の発行に係る週刊誌「FRIDAY」の2021年6月4号(以下「本件雑誌」という)に掲載させた事実は否認し、その余は認める。

 (2)同「2 本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯」のうち、

  同第1段落は認める。

  同第2段落及び第3段落は否認して争う。

  同第4段落のうち、原告エイベックスが被告山直樹こと詠基に対して甲4号証にいう書面を送付し、被告山直樹こと詠基が返答しなかった事実は認め、その余は不知。

2 同「第2 被告の不法行為」のうち、

 (1)同「1 本件発言による原告の名誉権の侵害」のうち、

  ア 同「(1)原告の同定可能性」は認める。

  イ 同「(2)本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる」のうち、

  (ア)同「ア 『いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています』(本件発言1)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。

  (イ)同「イ 『まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう』(本件発言2)のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。

  (ウ) 同「ウ 『僕としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです』『現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ』(本件発言3)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。 (vol.9)

ウ 同「(3)違法性阻却事由はない」のうち、

(ア)同「ア 本件発言は、いずれも反真実である」は否認し、争う。

 原告エイベックスは、被告山直樹こと詠基の発言として本件記事に記載された内容を曲解しており、それに基づく反真実の主張は当たらない。

 また、原告エイベックスのコンプライアンスポリシーや就業規則の内容は、原告エイベックスの役員・従業員・所属アーティスト等が反社会的勢力との関係性を有していないことや、薬物の使用や所持をしていないことを必ずしも意味しない

(イ)同「イ 公共性も公益目的もない」は否認し、争う。

 なお、原告エイベックスは、甲8号証の記載をもとに、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの「株価を動かす」目的を有していたかのように示唆するが、原告エイベックスの株式の買収を予告するような言動は原告エイベックスの株価上昇を招き、原告エイベックスの株式取得を目指している者にとってはむしろ不都合であるから、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの「株価を動かす」目的を有していたとの指摘はどのみち当たらない。

エ 同「(4)小括」は争う。

(2)同「2 損害の発生」のうち、「FRIDAY」の発行部数は認め、多数の原告エイベックスの専属アーティストやタレントが原告エイベックスに対して大きな不安を抱き、担当マネージャーへの事実確認が後を絶たなかっただけでなく、原告エイベックスの下に各種メディア媒体から問い合わせが集中した事実は不知、その余は否認し、争う。

(3)同「3 謝罪広告の掲載」は否認し、争う。

3 同「第3 結語」は争う。(vol.10)

第2 被告山直樹こと詠基の主張

 1 事実の摘示でない

 (1)本件発言2

 本件発言2は、被告山直樹こと詠基が「エイベックスを買収した後」、「スキャンダル対策」として、「全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。」という方針の表明に過ぎず、事実の摘示でも論評でもない。

 (2)本件発言3

 原告エイベックスが本件発言3の一部をなす文言として摘示する「現代表取締役会長である松浦勝人氏の持株5%を含む25%を取得するつもりだ」という文言は、本件記事において被告山直樹こと詠基の発言として記載されているものではない。

 正確には、「最終的には、現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだという山氏。エンタメ革命という野望実現のためなら、経営陣の一掃も辞さないという。」という記事本文の引用であり、本件記事の執筆者の言論である。

 つまり、原告エイベックスが定義する本件発言3のうち、被告山直樹こと詠基自身が語った言葉として読み取れるのは、上記を除いた「僕としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉しています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです。」という部分のみである。

 そして、これは単なる方針の表明であり、事実の摘示でも論評でもないのであるから、原告エイベックスの社会的評価を低下させようがない。

 (3)小括

 上記のとおり、本件発言2及び同3は、事実の摘示でも論評でもなく、文言の類型として、そもそも名誉毀損としての不法行為を構成し得ない。(vol.11)

2 原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は誤っている

 (1)総論

 原告エイベックスは、本件各発言が原告エイベックスの社会的評価を低下させると主張する。

 しかしながら、原告のこの主張は、発言を恣意的に切り取っていたり、不自然な解釈を介さなければ到底抱きようがない印象を主張したりしており、本件発言の意味合いについて一般読者がすると思われる解釈とは著しくことなる解釈した上でなされており、理由がない。

 (2)本件発言1

 原告エイベックスは、「いわゆる裏社会との付き合い方も熟知しています」という本件発言1により、「原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象を抱くのが通常」だと決めつけるが、的外れである

 原告エイベックスは、本件発言1と一連のものとして記載された文言の大部分をあえて無視しているが、本件記事に記載された本件発言1に係る一連の記載は次のとおりである。

 「東大からゴールドマンという経歴だけだと、ただのエリートと見られがちですが、僕(山直樹こと詠基)はそれだけの人間ではありません。在日3世として生まれ、大阪の裕福ではない家庭に育ち、幼いときからカネには敏感に生きてきた。『TGC(東京ガールズコレクション)』や『Kー1』の再建を手伝ったこともある。それに、いわゆる裏社会との付き合い方も熟知しています。」

 このように、本件発言1は、被告山直樹こと詠基が自らの経歴を紹介する上でなされた発言にすぎす、自身のいわゆる「エリート」としての側面以外の側面に言及しているものである。

 一般読者が上記を読んだ場合、被告山直樹こと詠基は幅広い経歴の持ち主でる、という印象を抱くことはあっても、原告エイベックスは裏社会との関係性を有している会社なのだ、という印象を抱くことは大きな論理の飛躍を伴っており、経験則としてあり得ない。

 つまり、原告エイベックスは、「『被告山直樹こと詠基には裏社会との付き合い方を熟知しているという側面・経歴がある』イコール『原告エイベックスは裏社会との関係性を有している会社だ』」と即断する思考過程を経るのが一般的な読者であると主張しているのであるが、明らかに不合理である

 よって、本件発言1を原告エイベックスが主張する意味合いに解釈することは不可能であり、名誉毀損には該当しえない。(vol.12)

 (3)本件発言2

 原告エイベックスは、「…エイベックスを買収した後には、スキャンダル対策も徹底していきますよ。まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」という記載から、「原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常」であると主張する。

 しかしながら、薬物検査が実施された場合に、同検査の対象者の間で薬物使用が横行していると解釈すること自体が不自然である。

 例えば、スポーツ競技の大会においてドーピングの有無の検査が行われた場合、出場者の間でドーピングが横行している、と解釈することは明らかに不自然で、ドーピングを行うごく一部の出場者を割り出す必要があるがための措置だ、と理解するのが通常である。

 また、所属アーティスト等が薬物を使用していることが判明した場合、当該アーティスト等が関与している取引について高額な違約金が発生したり、当該アーティスト等ひいては当該アーティスト等が所属する芸能事務所やマネージメント会社の社会的評価が毀損され得ることは公知の事実である。

 このような状況の中、薬物検査に言及することは、上記のような有形無形の損害を未然に回避するための措置だと理解するのが通常であり、原告エイベックスが主張する理解にたどり着くのが一般的な読者の理解だということはできない(そうであるがゆえ、本件発言2には、「スキャンダル対策も徹底していきますよ。」との文言が含まれているのである。)

 上記のとおり、原告エイベックスは本件発言2の意味内容について一般読者の理解とは大きく異なる理解をしているのであり、同発言が名誉毀損に該当することはない。(vol.13)

 (4)本件発言3

 原告エイベックスは、「原告エイベックスが表向きには被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡に関する交渉を否定しながらも、前記アのとおり、「裏社会との付き合い方も熟知している」被告山直樹こと詠基との間で、現在水面下で当社株式の譲渡や買収後の方針等に関する交渉を行っているような、いかがわしい会社あるいは嘘つきの会社であるかのような印象を抱くだけでなく、原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に「裏社会」と関係性を有しているとの印象を抱く」と主張する。

 しかしながら、まず、本件発言3からは、どう考えても、原告エイベックスと被告山直樹こと詠基とが「買収後の方針等に関する交渉」を行っているとの印象は受けない(買収後の方針等に関する方針については、本件記事のどこにも言及がない)。

 また、本件発言3は、被告山直樹こと詠基が、交渉相手を明らかにすることなく、「株の譲渡を含めて交渉しています」とするものであるところ、原告エイベックスの本件記事に対するコメントは、「会社を通しての正式な交渉はない」、つまり、自己株式の売却交渉やその他の方法で原告が直接関与している交渉は存在しない、というものである。

 ところで、原告エイベックスの株主構成は、令和3年3月31日時点で、以下のとおりである(乙1)。

  ・金融機関 23名(0.06%)

  ・金融商品取引業者 27名(0.07%)

  ・その他法人(国内) 184名(0.46%)

  ・外国法人等 225名(0.57%)

  ・個人等 3万9303名(98.84%)

 上記のとおり、本件発言3では、被告山直樹こと詠基が交渉をしている相手を特定する文言は何ら含まれていないのであるから、被告山直樹こと詠基の交渉相手として想定できるのは上記の約4万名の株主である(特に、個人株主が原告エイベックスの全株主の98.84%を占めているのは注目に値する)。

 このように、本件発言3にいう交渉の相手方となりうる者は約4万名存在するのであり、これに対して原告エイベックスが「会社を通しての正式な交渉はない」とコメントして原告エイベックス自身が交渉に関与していないと述べたからといって、原告エイベックスが「嘘つき」だという印象を抱く読者などいない

 さらにいうと、「会社を通しての正式な交渉はない」とコメントしているのは「前出の芸能事務所幹部」であり、原告エイベックス自身ですらないのであるから、原告エイベックスが「嘘つき」であるという読み方をすることは、一般人が抱く印象は措くとして、文理解釈としても成り立たない。

 上記のとおり、本件発言3が名誉毀損を構成することもあり得ない。

 (5)小括

 上記のとおり、原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は一般的な読者が読み取るそれと大きく乖離しており、名誉毀損は成立しえない。

4 社会的評価の低下の有無及び違法性阻却事由

 上記のとおり、本件各発言はそもそも事実の摘示でなかったり、引用が恣意的だったりして、それが真実か否か、という議論をすることができる段階にない。

 よって、原告エイベックスが摘示する本件記事の記載による原告エイベックスの社会的評価の低下の有無、及び違法性阻却事由の存否については、原告エイベックスの今後の訴訟活動に鑑みて必要に応じて主張する。
                         以上 (vol.14)

              準備書面2
                      令和3年11月8日
東京地方裁判所民事第37部合議B係
〒171−0042
東京豊島区
被告 山直樹こと詠基
〒150−0002
東京都渋谷区渋谷2−9−8 日総第25ビル4階
三崎総合法律事務所(送達場所)
電話 03−4570−6190
FAX  03−4570−6191
被告訴訟代理人弁護士 三崎 拓生
 被告山直樹こと詠基は、準備書面1(令和3年9月30日付け。以下「準備書面1」という)について、次のとおり主張を補充する。
第1 準備書面1記載の主張の位置付け
 準備書面1のうち、「第2 被告山直樹こと詠基の主張」「2 原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は誤っている」に記載した主張は、最判昭31年7月20日(民集10巻8号1059頁)の判示を前提とするものであるが、念のため、同主張の位置付けについて述べる。
 同判決は、「名誉を毀損するとは、人の社会的評価を傷つけることに外ならない。それ故、所論新聞記事がたとえ精読すれば別個の意味に解されないことはないとしても、いやしくも一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した意味内容に従う場合、その記事が事実に反し名誉を毀損するものと認められる以上、これをもって名誉毀損の記事と目すべきことは当然である」と判示しているところ、これは、@当該記事に記載された表現の意味内容が「一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈」されるべきであることに加え、Aかかる解釈を通じて一般読者が読み取る意味を前提とした場合、それが対象者の社会的評価を低下させるか否かについても「一般読者の普通の注意と読み方」が基準となることを判示したものである(佃克彦「名誉毀損の法律実務(第3版)」110頁)。
 準備書面1のうち、「第2 被告の主張」「2 原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は誤っている」に記載した主張は、上記@を前提としたものであり、「一般読者の普通の注意と読み方」をした場合、本件発言1によって「原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象」は受けないし、本件発言2によっても原告エイベックスが薬物使用が「横行」しているとの印象は受けない、と主張するものである。
第2 原告エイベックスの社会的評価は低下しない
 1 総論
 仮に、本件発言1が原告エイベックスと裏社会との関係性を示唆し、同2が原告エイベックス社内における薬物使用を示唆する発言だと解釈できたとしても、次に述べる理由から、原告エイベックスの社会的評価は名誉毀損の不法行為が成立する程度に低下しないか、そもそも低下しないのであるから、いずれにせよ不法行為は成立しない(上記Aの観点)。(vol.15)

2 社会的評価の低下の程度が不法行為を構成するに至っていない

(1)名誉毀損の不法行為が成立するために必要な社会的評価の低下

 名誉毀損による不法行為が成立するためには、当該表現の対象者の社会的評価が少しでも低下すればよいのではなく、当該低下が相当と認められる限度を超えていなければならない(東京地判平23年7月19日(判タ1370.192))。なお、この点については、多くの裁判例が、「社会的評価が法的保護に値する程度に低下したとまではにわかに認め難い」(東京地判平22年10月25日(ウェストロー2010WLJPCA10258005))、「仮に社会的評価の低下が認められるとしても、その程度は不法行為の成立を認めるに足りない」(東京地判平23年5月11日(ウェストロー2011WLJPCA05118006))、「対象者に損害賠償請求権が発生するほどに、対象者に対する社会的評価の低下が発生したとまでは認められない」(東京地判平21年6月17日(判時2065.50))、「損害賠償金を必要とするほどの社会的評価の低下が発生したとまでは認められない」(東京地判平27年5月18日(ウェストロー2015WLJCA05188005))、「社会的評価を低下させるものとはいえないか、低下させるとしても不法行為とは評価できないほどに微小な程度にとどまる」(東京地判平28年5月9日(ウェストロー2016WLJCA05196004))などと判示し、対象者の社会的評価の低下が一定程度に達して初めて不法行為が成立するという前提に立っている)。

 上記の一例として、東京高判平30年1月31日(判例集等搭載なし)は、雑誌に掲載された記述が、当該訴訟の1審原告と暴力団との関係性を示唆することで同原告の名誉を毀損しているか否かが問題とされた事案において、「一般読者が、1審原告らと暴力団が何らかの関係を有するという抽象的な印象を超えて、その関係が反社会的なものであるなどの具体的な事情を読み取るのは容易ではないというべきであるから、本件記述2が1審原告らの社会的評価を低下させるものとまでは認められない」と判示し、名誉毀損を否定した。

 以上からすると、特定の者が反社会的勢力と関係性を有していたり、社会的に不適切とされる行為を行っていたりすること(本件でいうと、薬物使用)については、当該関係性や行為について、「抽象的な印象を超えて」、「具体的な事情を読み取る」ことが可能な程度に事実の摘示がなされていなければ、不法行為を成立させるに足る程度の社会的評価の低下は生じないと解するべきである。

(2)本件発言1

 本件発言1によって、一般読者が、原告エイベックスが裏社会との関係性を有している会社だと解釈することに論理の飛躍があることはすでに主張したとおりであるが、これに加えて、本件発言1は、原告と裏社会との関係性の中身に何ら言及しておらず、原告が有しているかも知れない裏社会との関係性に関する具体的な事情を読み取ることは不可能である。

 よって、本件発言1を読むことで、万一、一般読者が原告エイベックスが裏社会との関係性について抽象的な印象を受けることがあったとしても、一般読者が認識できるのはそこまでであり、同関係性について具体的な印象を受けることは不可能であるから、同発言によって原告エイベックスの社会的評価が低下したといても、それは不法行為を成立させる程度に至っていない。

(3)本件発言2

 本件発言2においても、原告エイベックスにおける薬物使用に関する具体的な事情への言及はどこにもなく、一般読者が抽象的な印象を超えて原告エイベックス社内の薬物使用を想起することは考えられない(ましてや、薬物使用が「横行」しているとの結論に辿り着くことはあり得ない)。

 よって、本件2によっても、原告エイベックスの社会的評価が不法行為を成立させる程度に低下したとはいえない。(vol.16)

3 芸能界一般に対する社会的認識からして原告の社会的評価は低下しない

(1)総論

 原告エイベックスが業務を行っているいわゆる芸能界(音楽関係を含む)では、反社会的勢力との関係性や薬物使用が問題となった事案が複数発生しており、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。

(2)反社会的勢力との関係性

 芸能関係者と「反社会的勢力との関係性が問題となった事案としては、近年のものだけをみても次のものがある。

・平成23年8月、テレビ番組の司会者などとして活躍していたタレント(島田紳助)が暴力団関係者との関係を理由に引退した事案(乙2(日本経済新聞H23.8.23「島田紳助さん芸能界引退 暴力団と親密な関係」))

〇島田紳助さん芸能界引退 暴力団と親密な関係
日本経済新聞2011年8月23日 22:55
 テレビ番組の司会者などとして活躍するタレントの島田紳助さん(55)は23日夜、吉本興業東京本部(東京・新宿)で記者会見し、暴力団関係者との親密な関係が判明したとして、同日付で、芸能活動を引退すると発表した。
 所属事務所の「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」によると、島田さんは2005年6月ごろから07年6月ごろにかけ暴力団関係者と親密な携帯電話メールをやりとりしていた。
 会見によると、島田さんは十数年前、暴力団関係者と旧友を通じて知り合った。自身の個人的なトラブルを、旧友に相談した際、「その知人の暴力団関係者が解決してくれた」と説明。暴力団関係者と直接会ったのは4、5回程度。
 会見で、島田さんは「トラブルを解決してもらい、恩を感じていた。問題はないという認識だった」と釈明。「一番重い処罰を自分に与えた」と引退の理由を語った。
 会見では、時折、涙を浮かべ、一連の経緯を説明。「明日からは一般人として静かに暮らしていきたいと思います」と述べ、約1時間の会見を締めくくった。
 よしもとクリエイティブ・エージェンシーは、所属タレント全員を対象に毎年、コンプライアンス(法令順守)研修を実施。暴力団関係者と会うことや飲食、メールのやりとりもいけないと指導していたという。今回も、同社側は島田さんに「よしもととしてのルールだ」と迫ったという。
 同席した同社の水谷暢宏社長は「経済的な利害関係は無いが、社会的影響力の高いテレビ等の司会者として登場しているだけに、厳格な態度で臨むべきだと考えた。本人から引退という申し出があり、受け入れることにした」と話した。
 島田さんは1977年、故松本竜助さんと漫才コンビ「紳助・竜介」を結成し、漫才ブームの一翼を担った。85年のコンビ解散後も数多くのテレビ番組の人気司会者として活躍。若手漫才師の日本一を決めるトーナメント大会「M-1グランプリ」も仕掛けた。
 04年に所属する吉本興業の女性社員を殴ってけがを負わせたとして傷害容疑で大阪府警に告訴され、10日間の謹慎処分に。傷害罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けた。復帰後も、「開運!なんでも鑑定団」のほか、「行列のできる法律相談所」や「クイズ!ヘキサゴン2」など、人気番組に出演していた。

・令和元年に、芸人(宮迫博之)が特殊詐欺グループや暴力団幹部らの宴会に出席して報酬を受け取っていたことが問題となった事案(乙3(朝日新聞デジタルR1.7.13「闇営業問題、芸人13人の受領額公表 謝罪として寄付も」))

〇闇営業問題、芸人13人の受領額公表 謝罪として寄付も
朝日新聞デジタル2019年7月13日 19時26分
 吉本興業は13日、所属芸人13人が会社を通さない「闇営業」で特殊詐欺グループや暴力団幹部らの宴会で受け取った金額を公表し、それぞれが12日までに税務修正申告を終えたと発表した。吉本は謝罪の一環として、NPO法人消費者スマイル基金、NPO法人消費者機構日本にそれぞれ150万円を12日付で寄付。宮迫さんと田村さんも、公益社団法人全国被害者支援ネットワークにそれぞれ寄付をしたという。
 ヒアリングの結果などから、芸人らが受け取ったと吉本興業が認定した金額は以下の通り。
宮迫博之(雨上がり決死隊) 100万円
・田村亮(ロンドンブーツ1号2号) 50万円
・レイザーラモンHG 10万円
・福島善成(ガリットチュウ) 3万円
・ディエゴ(ストロベビー) 3万円
・木村卓寛(天津) 3万円
・ムーディ勝山 3万円
・くまだまさし 3万円
・パンチ浜崎(ザ・パンチ) 3万円
・真栄田賢(スリムクラブ) 7万5千円
・内間政成(スリムクラブ) 7万5千円
・八十島宏行(2700) 計8万円(2回分)
・常道裕史(2700) 計8万円(2回分)(vol.17)
(3)薬物使用問題 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても以下のものがある。

・令和元年6月18日、コカインを使用したとして麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)について、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決が言い渡された事案(乙4(朝日新聞デジタルR1.6.18ピエール瀧被告に執行猶予つき有罪判決 東京地裁)

・令和2年8月3日、覚醒剤取締法違反等の罪で起訴されたシンガー・ソングライター(槇原敬之)について、懲役2年執行猶予3年の有罪判決が言い渡された事案(乙5(朝日新聞デジタルR2.8.3槇原敬之被告に有罪判決 覚醒剤取締法違反などの罪)

・令和2年12月22日、大麻取締法違反の罪で起訴された俳優(伊勢谷友介)について、懲役1年執行猶予3年の有罪判決が言い渡された事案(乙6(朝日新聞デジタルR2.12.22伊勢谷友介被告に猶予付き判決 裁判官『また活躍を』)

(4)小括

 上記の各事案は大々的に報道されたものであり、社会一般に広く認知されている。

 そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない

〇ピエール瀧被告に執行猶予つき有罪判決 東京地裁
朝日新聞デジタル阿部峻介 2019年6月18日 11時52分
 コカインを使ったとして麻薬取締法違反の罪に問われたミュージシャンのピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)=東京都世田谷区=の判決が18日、東京地裁であった。小野裕信(ひろのぶ)裁判官は「常習的な犯行だが、治療を受けて薬物を絶つ誓約をしている」と述べ、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑・懲役1年6カ月)を言い渡した。
 判決によると、瀧被告は3月12日、自宅とは別の世田谷区のマンションの一室で、千円札を筒状に丸めて使い、鼻からコカイン若干量を吸引した。
 小野裁判官は、瀧被告は20代から違法薬物を使い始めたと指摘。ミュージシャン中心の活動から映画やドラマにも仕事の幅を広げたため、「私生活が圧迫され、限られた時間の中でストレスを解消するため、1人で使った」と認定した。薬物依存症とは認められないが常習性があり、「安易に違法薬物に頼ったとの非難は免れない」と述べた。
 瀧被告は閉廷後、「こんな自分に励ましや応援の言葉を表明してくださった皆さまに心より感謝します。二度とこのようなことを起こさないよう戒めていきます」などというコメントを出した。(阿部峻介)

〇槇原敬之被告に有罪判決 覚醒剤取締法違反などの罪
朝日新聞デジタル根津弥 2020年8月3日 11時29分
 覚醒剤取締法違反などの罪に問われたシンガー・ソングライター槇原敬之(本名・範之)被告(51)に対し、東京地裁は3日、懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。坂田正史裁判官は「違法薬物に対する抵抗感の乏しさを背景にした悪質な犯行で刑事責任は軽くない」と批判した。
 判決などによると、槇原被告は2018年3〜4月、仕事などで使っていた東京都港区のマンションの一室で、危険ドラッグ「ラッシュ」約64・2ミリリットルと覚醒剤約0・083グラムを所持。今年2月13日にも渋谷区の自宅でラッシュ約3・5ミリリットルを所持した。
 槇原被告は7月21日の初公判で起訴内容を認め、「自分の音楽活動に関わる方々やファンの皆様に対し、本当に申し訳なく思っています」と謝罪した。検察側は「1999年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた後も、薬物の使用を繰り返していた」と述べ、常習性や依存性があると指摘。弁護側は「覚醒剤などは捨てるつもりで持っていただけで、すでに縁を切っている」として執行猶予付きの判決を求めていた。(根津弥)

〇伊勢谷友介被告に猶予付き判決 裁判官「また活躍を」
朝日新聞デジタル新屋絵理 2020年12月22日 15時31分
 俳優の伊勢谷友介被告(44)が大麻取締法違反(単純所持)の罪に問われた裁判の判決が22日、東京地裁であった。村田千香子裁判官は「多量の大麻を所持し、使用歴も考慮すると大麻との関わりは深い」として、懲役1年執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。村田裁判官は判決後、「大麻との関係をしっかり断ち切り、また活躍してほしいと願っています」との説諭を述べた。
 伊勢谷被告は9月に大麻13.17グラムを都内の自宅で所持したとして逮捕・起訴され、初公判で起訴内容を認めていた。
 判決は、リラックスするために大麻を使ったとの伊勢谷被告の供述について、「そのような動機を酌むことはできない」と指摘した。一方で情状面として、「仕事関係者に与えた影響の大きさを自覚し、二度と大麻に手を出さないと誓っている」として執行猶予付き判決とした。
 伊勢谷被告は黒いネクタイをつけたスーツ姿で出廷し、判決後に裁判官に一礼して退廷した。
 検察側は論告で「常習性や依存性は顕著だ」と指摘した。被告人質問で伊勢谷被告は「海外で大麻は悪いものではないと考え、認識が甘くなった。二度と違法なことはしたくない」と述べていた。
 伊勢谷被告は判決後、弁護人を通じてコメントを発表した。「この判決を受け入れるとともに、私の身勝手な行動により皆様の信頼を裏切る結果となり、心から深くおわび申し上げます」としたうえで、「今一度許されることがあるならば、社会活動にいそしむ所存です。私が信念として持ち続けている『挫折禁止』の言葉の通り、自分の人生を諦めずに生きてゆきたいと考えております」とした。(新屋絵理)(vol.18)

3 すでに公になっている原告に関する情報からしても社会的評価は低下しない

(1)総論

 上記に加えて、原告エイベックスについては、以下に述べるとおり、すでに原告エイベックスの代表取締役である松浦勝人氏(以下「松浦氏」という)が反社会的勢力との関係性を有していたり、薬物を使用していたかのような報道があり、原告エイベックス(関係会社を含む)に所属する俳優等が麻薬及び向精神薬取締法に違反した罪で有罪判決を言い渡される事案も発生している。

 そうだとすると、原告エイベックスの経営を担うにあたって、「裏社会」に対応することや、原告エイベックス関係者の薬物に関するスキャンダルへの対策を講じる必要が発生しうることはすでに周知のことであり、本件発言1及び同2によっても、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。

(2)反社会的勢力との関係性

 原告エイベックスと反社会的勢力との関係性については、平成23年6月、松浦勝人、原告エイベックスの株主を広域指定暴力団の幹部が同席する場に呼び出し、不穏当な言動を同株主に対して行ったという報道がなされた(乙7(文藝春秋H23.6.30エイベックス松浦社長 暴力団同席『株主を監禁・脅迫』で訴えられた!))。(vol.19)
(3)薬物使用問題

 原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案として、次のものがある。

・平成21年11月2日、原告(ただし、当時、原告の称号は「エイベックス・グループ・ホールディングス」であった。甲1)の関連会社であるエイベックス・エンターテインメント株式会社(当時)に所属していたことがあり、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)に対し、懲役1年6月執行猶予5年の有罪判決が言い渡された事案(乙8(朝日新聞デジタルH21.11.2押尾学に有罪判決 合成MDMA使用)

〇押尾学被告に有罪判決 合成麻薬MDMA使用
朝日新聞デジタル2009年11月2日11時5分
 合成麻薬MDMAを使用したとして麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)の罪に問われた俳優の押尾学被告(31)に対し、東京地裁(井口修裁判官)は2日、懲役1年6カ月執行猶予5年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。
 押尾被告は今年8月、東京都港区のマンションでMDMAの錠剤を若干量飲んだとして起訴された。押尾被告は初公判で、逮捕容疑のほかにも2年前と今年3月と7月の3回、米国でMDMAを使用したと認めたうえで、日本で使用したのは逮捕容疑の8月2日が初めてと主張していた。
 この事件では、押尾被告がMDMA使用時に一緒にいた飲食店従業員の女性(当時30)が死亡している。警視庁は、押尾被告が女性の異変に気づきながら、適切な救命処置をとらなかった疑いがあるとみて、保護責任者遺棄容疑で立件できるかを検討している。

・令和2年2月6日、原告の関連会社であるエイベックス・エンターテインメント株式会社所属の俳優で、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)に対し、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決が言い渡された(乙9(朝日新聞デジタルR2.2.6沢尻エリカ被告に有罪判決 合成麻薬所持の罪 東京地裁)

〇沢尻エリカ被告に有罪判決 合成麻薬所持の罪 東京地裁
朝日新聞デジタル2020年2月6日 15時08分
 合成麻薬を持っていたとして麻薬取締法違反の罪に問われた沢尻エリカ被告(33)に対し、東京地裁の瀧岡俊文裁判官は6日、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。
 沢尻被告は昨年11月16日、東京都目黒区の自宅マンションで、MDMAの粉末約0・2グラムとLSDを含む紙片と液体計約0・7グラムを所持したとして逮捕・起訴された。
 公判で沢尻被告は、仕事の関係者や家族に負担をかけたと謝罪した上で、俳優への復帰について「考えていません」と発言した。
 検察側は、沢尻被告は19歳のころから違法な薬物を使い、再犯の恐れが高いと追及。弁護人は薬物への依存度は低く、治療を受けて再犯防止のための措置をとっていると訴えていた。
 この日の公判では、19の傍聴席を求めて915人が抽選に並んだ。(vol.20)

・令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。

乙10の1〜5 「【CEO退任へ】エイベックス会長・松浦勝人氏の大麻使用を元社員が告発『毎週のように一緒に吸っていた』(証拠音声・LINE公開)」
「M 愛すべき人がいて」浜崎あゆみが愛した男の真実
「文春オンライン」特集班2020/05/15
 エイベックスの松浦勝人会長(55)が、CEO(最高経営責任者)を退任することとなった。5月14日に同社が公表。6月に開催予定の株主総会でCEOから退く松浦会長は、15日に自身のツイッターで思いを綴った。
「文春オンライン」が4月18日に報じた松浦会長の“大麻疑惑”を再公開する。肩書き、日付、年齢などは当時のまま。(全4本中の1本目) 〈はっぱじゃ我慢できなくなる〉(男性)
〈覚せい剤みたいなやつ……〉(松浦氏)
〈それはやだ、社長がやる……。社長の後につぐ〉(A子さん)
〈まだいっぱい書いてないことあるの。社長の〉(A子さん)
〈それはもうお前、はっぱが全部なくなってからにしよう。もうすぐなくなっちゃうから〉(松浦氏)
 親密そうな3人の男女の会話。2人の男性のうち、1人の声の主はエイベックス代表取締役会長、松浦勝人氏(55)だ。
 昨年8月に刊行された、“事実を基にした“小松成美氏の小説「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)は、歌手・浜崎あゆみと、彼女を世に送り出したレコード会社の敏腕プロデューサーが出会い、恋に落ち、別れるまでを実名で描いている。この敏腕プロデューサーこそ、松浦氏である。同小説はドラマ化され、4月18日からテレビ朝日系で放送される。ドラマではレコード会社「A VICTORY」のカリスマプロデューサー、マックス・マサとして登場。松浦氏の役は、バーニングプロダクション所属の俳優・三浦翔平(31)が演じている。
 上述の会話の中の〈はっぱ〉が指すのは違法薬物である大麻だという。そう告発するのは、会話にも登場する女性A子さん(30代)だ。「文春オンライン」編集部は、40時間に及ぶ松浦氏とA子さんの肉声がおさめられた音声データや、松浦氏とA子さんによるLINEのやりとり、膨大な数の画像データなどを入手した。そこには松浦氏にこれまでつきまとっていた”薬物使用”をほのめかす記録が残されていた。
小室、華原、押尾、沢尻……松浦氏の周囲で続発する“事件”
 エイベックスは1999年に東京証券取引所の市場一部に上場し、現在株主は個人・法人併せて2万7000人以上に上る。また、浜崎あゆみ(41)や倖田來未(37)、小室哲哉(61)などの有名アーティストが所属している。若者に大きな影響力を持つタレントが数多く所属しているが、これまで複数回にわたり所属タレントが逮捕される事件が起きている。
「2008年11月、小室哲哉(61)が知人男性から5億円の金を騙し取ったとして大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。この時、当時社長だった松浦氏がポケットマネーから解決金を含めて6億5000万円を支払いました。小室哲哉と交際していた歌手・華原朋美(45)は、2009年1月に急性薬物中毒で倒れ、病院に緊急搬送されています。
 2009年8月には、当時エイベックスに所属していた押尾学(41)が、保護責任者遺棄致死罪と麻薬取締法違反で逮捕。押尾は愛人のホステスと共に合成麻薬MDMAを服用した直後、ホステスの容態が急変したが救急車も呼ばず、証拠隠滅を図りました(判決は、保護責任者遺棄罪で有罪)。その時、エイベックスの社員がほう助したとして、証拠隠滅容疑で逮捕されています。
また2019年4月には元AAAのリーダー・浦田直也(37)が泥酔して、面識のない女性へ殴る蹴るなど暴行を加えた容疑で逮捕されています。逮捕後に開いた記者会見で、浦田は笑みを浮かべることもあり、『反省していない』などと大きな批判を受けました。浦田は無期限の活動休止処分となっています」(社会部記者)
 そして社会に大きな衝撃を与えたのが、2019年11月16日に合成麻薬所持で逮捕された沢尻エリカ(34)だ。沢尻もエイベックス所属のタレントだ。 薬物逮捕された沢尻エリカへの“寛大な処分”
「エイベックスは逮捕された沢尻に解雇などの処分を下さず、『(処分は)今後の裁判の結果を踏まえて決定させていただき、改めて皆様にご報告させていただきます』と表明。今年2月6日、沢尻には懲役1年6カ月・執行猶予3年の有罪判決が下されましたが、その後、エイベックスから『報告』は出ていません。
 一つの芸能事務所から逮捕者がこれほど多数出るのは、マネジメントに問題がある可能性もあると当局は見ています。エイベックスはコンプライアンスへの認識が甘すぎるのではないかと、業界の内外から指摘する声が挙がっています」(同前)
「ドラッグならいつでも用意できる」との報道も
 違法薬物の常習者に対しては、社会復帰のための支援が必要だ。しかし、大前提として支援者側に求められるのは、「違法薬物を断固として許さない」という認識だろう。
 エイベックスのトップに立つ松浦氏本人は、これまで違法薬物使用疑惑についてたびたび報じられてきた。「週刊文春」(2012年6月21日号)では、2009年に大麻使用を理由に前事務所を解雇された沢尻エリカが「(松浦氏から)『ドラッグならいつでも用意できる』と言われた」「一緒に “ハーブ”を吸った」と周囲に話しているという関係者の証言を掲載。さらに同誌2013年8月29日号では、松浦氏が大麻とコカインを常習しており、ヤクザからMDMAを調達しているという証言を紹介している。
 そして今回、「文春オンライン」特集班はついに松浦氏が違法薬物の使用を自らほのめかしている音声データやLINEデータを入手した。A子さんは取材班に、松浦氏と一緒に違法薬物を常習していた時期があると告白したのだ。  A子さんは元エイベックス社員だ。有名私大を卒業した後、エイベックスに入社。しかし数年勤めた末に、人間関係に悩み退社した。その後はライターとして雑誌やウェブサイトに寄稿している。
 A子さんが話す。
「エイベックスに在職していた時、パワハラに遭って心身のバランスを崩しました。ただ、エイベックスは学生時代から憧れていた会社だったので、理不尽だと思うことをされても愛着は消えなかった。それで、退職する直前にエイベックスに対する自分の思いや、100年後にエイベックスが存続するための課題などを綴ったメールを会社に提出したんです。当時はとても怒っていたので、会社への不平不満たっぷりの文章だったと思いますが……。ただ、それが松浦さんの目に留まったようで、それから個人的に相談に乗ってくれるようになりました。結局、私はエイベックスを辞めてしまいましたが、松浦さんとの関係はその後も続きました」
「週末になると、松浦さんと一緒に大麻を吸っていました」
 エイベックスを退社した後、A子さんはライターとして働き始めた。A子さんが社員ではなくなったことで誘いやすくなったのか、退社直後から松浦氏は頻繁にA子さんを食事に誘うようになったという。LINEのデータには、松浦氏が頻繁にA子さんを呼び出すメッセージが残されている。 松浦氏《いまどこ?メシは?》(2016年9月7日19時46分)
A子さん《おうちだよ。まだ食べてなぁい! どこにいるのん?》(2016年9月7日19時47分)
松浦氏《六本木 はやく来い!》(2016年9月7日19時48分)
A子さん《おけ笑》(2016年9月7日19時49分)
松浦氏《●●●●(編集部注:六本木にあるイタリアンレストランの店名と住所)》(2016年9月7日19時50分)
松浦氏《どこ?》(2016年10月1日6時54分)
A子さん《おうちよ》(2016年10月1日6時55分)
松浦氏《ひとりでさましいたんじょうびはやだからきて》(2016年10月1日6時55分)
「特に2016年9月から12月頃までは、松浦さんと取り巻きの人達と毎日のように一緒にいました。松浦さんの自宅でVR(バーチャルリアリティ)ゲームをしたり、夜中にラーメンを食べたり。松浦さんは一人10万円くらいする会食にもよく連れて行ってくれて、人を紹介してくれました。そして、週末になると決まって、松浦さんと一緒に大麻を吸っていました」
 A子さんと松浦氏の距離はどんどん縮まっていった。周囲から肉体関係があるのではないかと訝しがられることもあったようだが、2人に男女の関係はなかったという。松浦氏からのこんなLINEのメッセージが残っている。
松浦氏《おれはお前とは寝ないよ。社員だったから》(2016年9月13日5時19分)
「私と松浦さんが男女の関係になったことは一度もありません。ふざけて『やろーぜ』と連絡がくることは頻繁にありましたが、美人の知り合いも多い松浦さんですから、冗談だろうと受け流していました」(A子さん)
 松浦氏との親交を深めていたA子さんだったが、2016年11月頃、ある出版社から、A子さんのもとに松浦氏の自伝の執筆依頼が寄せられた。 40時間以上の音声データを録音した理由
「出版社の担当者は私を通せば松浦さんも自伝本の出版を承諾するんじゃないかと思ったようです。松浦さんとは毎日のように会っていたので、ライターとして自分にしか書けない松浦さんの姿が書けるんじゃないかと思い、執筆依頼を受けました。それで2016年12月から松浦さんの生活に密着して2カ月ほど取材をしたんです。気を抜いた時にしか出ない本音もあるだろうからと、できる限りボイスレコーダーを回し続けました。お酒を飲んでいる場でも、遊んでいる場でも、そして時には大麻を吸っている場でも。この音声データはその際に録音したものです」
 A子さんはなぜ自らの大麻使用を明かしてまで、松浦氏の違法薬物使用を告発する決意をしたのか――。
 話は昨年12月に遡る。A子さんはFacebookにエイベックスに対して批判的な投稿を繰り返していた。真偽は不明だったが、エイベックス在職時代に受けたパワハラや、松浦氏を巡るトラブルについて詳細に書かれていた。取材班が連絡を試みたところ、A子さんはこう語り出した。
「エイベックス在職中はひどい社内イジメに遭いました。そのうえ退社して、松浦さんの自伝本を書き上げたあとには、松浦さんと出版社の都合で本が出版されなくなったこともありました。数万字の原稿を書き上げましたが、原稿料はいまだに支払われていません。しかし松浦さんにお世話になったことは事実ですし、エイベックスの音楽が好きなことにもかわりはなかった。だからいままで口に出すことはありませんでした」
松浦氏からの手酷い「裏切り」
 しかし、Facebookへの投稿の数日前に、松浦氏から手酷い「裏切り」を受けたのだという。
「とても困っていることがあって、松浦さんに助けを求めたんです。『本当に困ったら連絡しろよ』と言ってくれていたし、助けてくれるかもしれないと。しかし、優しい言葉すらかけてもらえませんでした。それで、社内いじめや自伝本が取りやめになった経緯をFacebookに投稿しました。するとエイベックスの元同僚らから、『公にしてくれてありがたい』『これで社内も少しはマシになるかもしれない』と連絡が届いたんです。こんなに辛い経験が人の役に立つこともあるのか、と少し救われた気がしました」
 その後、A子さんはFacebookに複数の投稿を続けた。
「投稿はすべて真実です。でも、書いていないこと、書けないこともあります」
 そこまで話すと、A子さんは「しまった」という様子で口を閉ざした。詳しく聞き出そうとすると途端に口ごもり、その後の取材は拒否された。  それから数日後、A子さんから着信があった。電話に出てみると、彼女は少し取り乱しているようだった。
松浦氏から届いた「脅迫のようなLINE」
「Facebookを見た松浦さんからLINEで脅迫のような連絡がありました。どうしたらいいでしょうか。急に怖くなってきてしまって……」
 松浦氏から送られてきたのは、こんなメッセージだった。
《あなたをご招待したハワイでの映像があまりに面白くてたまりません》
A子さんの元に2019年末に松浦氏から届いたLINE。SNSでA子さんの本名を晒すという悪質な行為をしていた松浦氏に対して、A子さんが抗議したところ、“ハワイでの映像”の存在をちらつかせた
A子さんの元に2019年末に松浦氏から届いたLINE。SNSでA子さんの本名を晒すという悪質な行為をしていた松浦氏に対して、A子さんが抗議したところ、“ハワイでの映像”の存在をちらつかせた
“ハワイでの映像”というのは、大麻を吸って酩酊しているA子さんを松浦氏が撮影したものだという。
「私が取材のために会話を録音していたので、松浦さんは『俺にもお前の弱みを握らせろ』と動画を撮影し始めたことがあったんです。その“弱み”をどうするつもりなのか。松浦さんは権力も握っているし、社会に対する影響力もあります。そんな人に睨まれたら、私なんてどうなるかわかりません。でも、そもそも松浦さんに誘われたとはいえ、違法薬物に手を出した私が悪いんですよね……」
あんなに素晴らしい作品を汚す行為を隠してはおけない
 しばらく沈黙が続いた。そしてA子さんは意を決したようにこう言った。
「もう、すべてをお話しします。松浦さんの元奥様やお子様、そしていまもエイベックスで働いている元同僚のことを思うと申し訳なさでいっぱいになりますが、それでも言わなければいけない。私はエイベックスのアーティストが作る曲が好きで好きで入社しました。それなのに、その作品を踏みにじるような行為に加担してしまいました……。ファンの方にも、真面目に作品づくりをしているアーティストにも申し訳ない。あんなに素晴らしい作品を汚すような行為を隠してはおけません。私の経験が今後エイベックスや誰かのためになるのなら、(文春オンラインで)公にしてくださって構いません」  そして、松浦氏との日々を語り始めたのだ――。 (vol.21)

・令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。

乙10の6〜10 「【CEO退任へ】『舐めてみろ』エイベックス松浦会長がフェスのVVIP席で手渡してきた茶色い大麻凝縮シート」 大麻使用疑惑を元社員女性が告発

「文春オンライン」特集班2020/05/15

 エイベックスの松浦勝人会長(55)が、CEO(最高経営責任者)を退任することとなった。5月14日に同社が公表。6月に開催予定の株主総会でCEOから退く松浦会長は、15日に自身のツイッターで思いを綴った。
「文春オンライン」が4月18日に報じた松浦会長の“大麻疑惑”を再公開する。肩書き、日付、年齢などは当時のまま。(全4本中の2本目)
「2016年9月から12月頃までは、松浦さんと取り巻きの人達と毎日のように一緒にいました。松浦さんの自宅でVR(バーチャルリアリティ)ゲームをしたり、夜中にラーメンを食べたり。そして、週末になると決まって、松浦さんと一緒に大麻を吸っていました」
 そう告発するのは元エイベックス社員の女性A子さん(30代)だ。有名私大を卒業した後、エイベックスに入社。しかし数年勤めた末に、人間関係に悩み退社した。その後はライターとして雑誌やウェブサイトに寄稿している。
 「文春オンライン」編集部は、40時間に及ぶ松浦氏とA子さんの肉声がおさめられた音声データや、松浦氏とA子さんによるLINEのやりとり、膨大な数の画像データなどを入手した。そこには松浦氏にこれまでつきまとっていた”薬物使用”をほのめかす記録が残されていた。
欲望にまみれた音楽フェス「ウルトラジャパン」のVVIP席で……
 A子さんが松浦氏の誘いで初めて違法薬物らしきものを摂取したのは、2016年9月17日、お台場の特設会場で開催された音楽フェス「ULTRA JAPAN(ウルトラ ジャパン)」でのことだ。「松浦さんから突然『お前のウルトラのチケット、VVIPで3日分とっておいたから』と言われたんです」とA子さんは回想する。
「当時はすでにエイベックスを退社して、ライターとして働いていました。ただ自伝の執筆依頼前だったので、松浦さんとはプライベートのみでの関係です。『ULTRA JAPAN』には行きたいとは思っていましたが、一般席のチケットを自分で買うつもりでした。だから招待されてとても嬉しかった。VVIP席なんて恐れ多かったのですが、こんな機会も滅多にないだろうと思ったので、甘えることにしました」
 ウルトラのVVIP席について、「一般人ではまず行くことのない超高級席」と語るのは業界関係者だ。
「VVIPは『Very Very Important Person(超重要人物)』という意味。ウルトラのVVIP席は通常、イベント関係者やスポンサーしか入れないブースです。毎年芸能人や経営者などのセレブも参加していますが、チケットはおよそ数百万とも言われています。ドンペリをまとめて注文すると美女が盛り上げてくれる約500万円のサービスもある。金と欲望が渦巻く、成功者だけしか足を踏み入れることが出来ないスペースなんですよ」
 当日、A子さんが案内されたのはVVIP席の中でも最前列のソファ席だ。
「社員だった頃でさえ一般席だったのに、VVIPに入れるなんて夢のようでした。しかも社長専用の特等席です。近くには芸能人や会社社長などもいて、みなさん挨拶まわりをしていました。私はただの一般人なので、おとなしく席で鑑賞していました」 「ULTRA JAPAN 2016」には、同年8月のリオ五輪閉会式に出演して世界中の注目を浴びたノルウェー出身のDJ・Kygoや、当時20歳という若さながら業界で最も有名なDJ世界番付「DJ MAG TOP 100 DJs」で1位となったマーティン・ギャリックスなどが出演。国内外含め総勢72組のアーティストがステージに立った。
 爆音で演奏される音楽や観客の声の中、A子さんは音の洪水の只中にいた。そんな時、対面に座る松浦氏がA子さんの方に腕を伸ばしてきたのだという。
松浦氏に「舐めてみろ」と言われて…… 「まだ空が明るい時間帯だったと思います。松浦さんは突然『これ、LAで流行ってるらしいよ』と、2センチ四方くらいの茶色い、薄いシートを渡してきました」  VVIP席には松浦氏とA子さん以外にも参加者がいたが、松浦氏が周囲を気にする様子はなかった。
「松浦さんは一言『舐めてみろ』と言いました。松浦さんには違法薬物の噂がずっとあったから、正直怖かったです。でも『受け取らなかったら相手にされなくなってしまうかもしれない』という恐怖が勝ってしまいました。『何かあっても松浦さんが守ってくれる』という盲信もあったと思います。そして言われるがままに少しだけ舐めました。ツルツルしていて味のないオブラートのようでした」
 その後、十数分が経ってもA子さんの体に変化は起きなかった。
「すると松浦さんは『こいつ強いんじゃないか?』と不満そうに言って、名刺サイズのカードを差し出してきました。そして『こういう風にするとバレないんだ』とニヤッと笑った。そこにさっきの茶色いシートが貼り付けてありました。さっきは何も起こらなかったので恐怖心が薄れ、今回は舌の上でゆっくり溶かしながら、しばらくは音楽を楽しんでいました。そうしたら20分後くらいから、経験したことのない体の不調が次々と襲ってきたんです」 A子さんは当時の体の異変を詳細に記憶しているという。
「突然、目がぐるぐる、チカチカして視界が狭くなりました。広いVVIP席にいるのに、狭いところに閉じ込められたような感覚に陥り、まっすぐに歩けない。トイレがすぐそばにあるのに、50メートルくらい遠くにあるように見えました。そしてなぜか『お腹が出てるんじゃないか』というコンプレックスがどんどん大きくなっていって、不安に押しつぶされそうになりました」
松浦氏は「大麻を凝縮したやつだよ」
 A子さんは混乱し、松浦氏に茶色のシートが何だったのかを聞いた。
「『さっきのシートは何?』とおそるおそる聞きました。すると『大麻を凝縮したやつだよ』って言うんです。『シートにすると密輸するときもバレにくい』とも言っていました」
 松浦氏は、困惑するA子さんの様子を見て満足そうにしていたという。
「松浦さんから『お前、目がおかしいから』とサングラスをかけるように言われ、サングラスをかけた状態で、ソファで横になっていました。遠くの方で、芸能事務所の方が『A子、どうしたんですか?』と松浦さんに尋ねているのが聞こえました。松浦さんは『こいつに“アレ”やってやったんだよ』と楽しげに答えていた。その後、引きずられるように、誰かにエイベックスの社用車へ連れて行かれました」
身体の異変を自分にメールしておいたが、記述は“ラリって”いた
 A子さんは途切れそうになる意識のなか、ライターとして、身に起こった異変をメールに記し、自分宛てに送って記録している。だが、記述は明らかに“ラリって”いる。
《からだにとしまこめらされかのに バカ反対だやとあるあまれさ でもとまこまてめいくのかファン 不安 社長いいひお》(2016年9月17日午後6時53分)
《くるまに避難 みつかつまたら たいへん》(2016年9月17日午後6時54分)
《マリファナ効き目時間で検索》(2016年9月17日午後7時5分)
《音の聞こえる速度は一緒なのに時間がたつのがおそくなる》(2016年9月17日午後8時3分)
《これでセックスすると飛ぶと聞いた。ほんとかー?》(2016年9月17日午後8時4分)
「ライター業をしていましたから、この経験が執筆に役立つことがあるかもしれないと思って記録し続けました。でも音楽を楽しむどころではなくなって、エイベックスの社用車でずっと休んでいました。ウルトラが終わって、ベロベロに酔っ払った松浦さんら何人かが車に乗り込んできたのをうっすら覚えています。自宅まで送ってもらって、その日は解散しました」
A子さんの自分宛てメールには《ちょっとしょっく》、《(松浦氏は)不良すぎるけどそれでもいいや信用してる》という記述も残っていた。
 この一件があった数日後、A子さんは松浦氏の自宅に招かれた。
「その頃はまだ茶色いシートの効き目が残っていました。二日酔いのようになりながら、『辛いなあ、いつ終わるのかなあ』と考えていたら、松浦さんの女友達のB子さんから『今から社長の家に来て』と連絡があったんです。倦怠感の残った体で、松浦さんの家に向かいました」
 着いたのは港区内の高級レジデンス。その一室で、松浦氏とB子さんが“タバコのようなもの”を吸いながら待っていた。
「松浦さんにシートが効きすぎて辛かったという話をしたら、松浦さんも『あんなに効くとは思わなかった』と笑いながら驚いていました。『もう二度とやりたくない』と言うと、松浦さんは自分が吸っているものが大麻だと明かしたうえで、私にも吸うように勧めてきたんです」
 A子さんは「タバコも吸ったことないのに無理です」と断ったが、松浦氏は構わずこう話した。
「『シートは強かったかもしれないけど、紙巻きなら吸う量も調整できるし気持ちよくなるよ』と勧められました。『呼吸法を教えてやるから』と言って、その時は半ば強引に大麻を吸わされました」
松浦氏に言われて“大麻酩酊”の場面を自撮りしたA子さん
 この日、大麻を吸ったA子さんを撮影した動画がある。音楽が鳴り響く暗い部屋で、白い服を着たA子さんが〈もう目がしんどいよー〉と話している。それに対して〈酔っぱらうとそんなんになっちゃうの? 目が〉という松浦氏の声も記録されている。A子さん曰く、「松浦さんも大麻を吸っていた」ためか、音声を確認すると、松浦氏は呂律の回らない口調で話しかけている。
「松浦さんに『目がおかしい。自撮りして確かめてみろ』と言われて撮った動画です。この動画を撮ったときは社長も大麻を吸っていました。正直、紙巻きで吸う大麻はシートとは全然違って、リラックスした気持ちになれました」
 松浦氏らが当たり前のように大麻を吸っている姿を見ているうちに、A子さんの罪の意識は薄らいでいった。
「それからは毎週のように松浦さんと大麻を吸いました。当時、松浦さんは春から夏にかけて、週末になると自宅近くにあるレストランのテラスで朝食を食べていました。そこへ『寂しいから来い』とよく誘われるようになりました。社長は朝からワインを飲んで酔っていましたが、私はお酒が飲めないのでジュース。朝食を楽しんだあとは、そのまま社長の家に行ってゲームをしたり大麻を吸ったりして、ダラダラ過ごすのが毎週の恒例になりました。大麻は寝室にある金庫の中に隠されていました」
「ラッシュ」も使用。松浦氏は《いまからはっぱしてえっちしよ!》
 その期間は2016年10月頃から約2カ月ほど。A子さんは「ちょうど松浦さんの“クスリ周期”と重なっていたんです」と説明する。
「松浦さんは『毎年9月のウルトラからハメを外す期間が始まるんだ』と言っていました。10月1日が松浦さんの誕生日なのですが、いろいろな人に祝われるので1カ月くらい誕生日パーティが続くんです。年末年始には毎年恒例のハワイ旅行があるのですが、それが終わるまで日常的に違法薬物を摂取する日々が続くんです。
 ただ年が明けると、6月の株主総会までは薬物を控えているようでした。株主総会前の松浦さんはいちばん神経質で、突然『金庫の中身を全部捨てた』と、“大麻断ち”の連絡がくることもありました。でも、株主総会が終わってウルトラの季節になると、また羽目を外して大麻を吸っていた」
 A子さんも、そんな松浦氏の生活スタイルにだんだんと侵されていった。
「違法薬物である『ラッシュ』も、2016年10月頃に松浦さんに勧められてB子さんと一緒に2回くらい吸いました。瓶のふたを開けて、片方の鼻から吸うんです。松浦さんは『これでセックスすると“飛べる”んだよ』と言っていました。でも大麻に至っては『(吸いすぎて)体が慣れてしまった』『睡眠薬ではもう寝られないから、大麻が早く合法になればいいのに』としょっちゅう言っていました」
 松浦氏はA子さんにこんなLINEメッセージを送ってくることもあった。
《もうアホになってる(笑)》(2016年9月24日)
《いまからはっぱしてえっちしよ!》(2016年10月1日)
「当時、松浦さんは大麻で酩酊した状態を“アホになる”と言っていました。大麻のことは、人前で堂々と言えないので睡眠薬である“デパス”という隠語で表現していました。松浦さんと肉体関係はありませんでしたが、『呼べばすぐにくる女』の一人ではあったと思います」(vol.22)

・令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。

乙10の11〜15 「【CEO退任へ】<早くやれや>エイベックス松浦会長との大麻漬けのハワイ旅行 白亜の大豪邸での『証拠音声』公開」元社員女性が薬物使用を告発

「文春オンライン」特集班2020/05/15

エイベックスの松浦勝人会長(55)が、CEO(最高経営責任者)を退任することとなった。5月14日に同社が公表。6月に開催予定の株主総会でCEOから退く松浦会長は、15日に自身のツイッターで思いを綴った。
「文春オンライン」が4月18日に報じた松浦会長の“大麻疑惑”を再公開する。肩書き、日付、年齢などは当時のまま。(全4本中の3本目)
エイベックス代表取締役会長、松浦勝人氏(55)の違法薬物使用を告発する元エイベックス社員の女性A子さん(30代)。A子さんは有名私大を卒業した後、エイベックスに入社。しかし数年勤めた末に、人間関係に悩み退社した。その後はライターとして雑誌やウェブサイトに寄稿している。
A子さんはエイベックス退社後に松浦氏と親交を深め、一時期は「毎週のように松浦さんと大麻を吸っていました」という。ライターであるA子さんは出版社の依頼を受け、2016年12月から松浦氏の自伝本執筆のために密着取材をスタートさせた。
「気を抜いた時にしか出ない本音もあるだろうからと、できる限りボイスレコーダーを回し続けました。お酒を飲んでいる場でも、遊んでいる場でも、そして時には大麻を吸っている場でも」
記録されたのは、40時間に及ぶ松浦氏の肉声がおさめられた音声データや、松浦氏とA子さんによるLINEのやりとり、膨大な数の画像データ。そこには松浦氏にこれまでつきまとっていた”薬物使用”をほのめかす記録が残されていた。
※音声動画は最後のページで公開
大麻はA子さんの日常に馴染んでいった。そしてエイベックス所属のアーティストの周辺にも、違法薬物が当たり前のようにあったようだ。2016年12月ごろ、A子さんがエイベックス所属のアーティストについて聞いたインタビューの音声には、松浦氏のこのような発言が記録されている。
《クスリやってるとかさ、そういうの俺目の当たりにして、ありえねえだろうと思って。それでまあしょうがねえからさ、はっぱとか吸ってたよ》
《●●(※大物音楽プロデュ―サー)にもまわりが「お前薬やってねえだろうな」って言ったら「ボク、20年間していません」って平気のへの字で嘘言ってたから、それが印象的です。20年やってないって、てめえこないだやってたじゃないかって(笑)》
「歌姫」とも呼ばれた有名女性アーティストについて、インタビューの中で松浦氏は《ヤンキーだよ。シャブやってたし》と、赤裸々に明かすこともあった。
松浦氏の誘いで大麻を使用し始めたA子さんに対し“共犯意識”が生まれたのか、松浦氏はA子さんに心を開いていった。
大麻の調達は側近のC氏。キッチンで大麻を紙で巻いてくれる
A子さんが大麻を吸うのは、主に松浦氏の自宅やエイベックスが所有するクラブ「X」だった。大麻は松浦氏の寝室の金庫に保管されており、調達を行なっていたのは松浦氏の個人的な秘書である男性のC氏だったという。
「松浦さんが側近のCさんに『C、お前行ってこい』と言うと、1時間後くらいにCさんが大麻を持って松浦さんのマンションに帰って来るんです。そしてキッチンで大麻を紙で巻いてくれる。松浦さんはそれを吸うだけです。入手経路については知りません」
しかし、ある時C氏が1時間を過ぎても帰ってこないことがあった。すると松浦氏は途端に慌て出した。
「Cさんがなかなか帰ってこないと松浦さんは『捕まってないかー!?』とCさんに急いで電話していました。松浦さんは個人的な電話でもスピーカー設定で話すので会話が周囲に筒抜け。Cさんは会話が聞かれているのを知っているからか『いやちょっと……』と濁していました。私が『Cさんが本当に捕まったらどうするの?』と松浦さんに聞いてみたことがあるのですが、松浦さんは『一生面倒みるから大丈夫』とうそぶいていました」
  C氏の仕事はそれだけではなかった。大麻を吸う際、松浦氏は“あること”をC氏にさせていた。
「こうやって隠すんだよ」大麻のニオイ消しに砂糖と醤油を……
「ニオイが部屋の外に漏れても言い訳ができるからと、Cさんに砂糖と醤油を鍋で煮詰めさせていました。だから大麻を吸っている時は、大麻とみたらし団子っぽい香ばしいニオイで部屋中が甘ったるくなっていました。大麻は独特の甘いニオイがするので、ニオイでバレることがあるそうなんです。『みたらし団子のニオイがする!』と言うと松浦さんは『こうやって隠すんだよ』と笑っていました。それでも松浦さんは心配だったようで、ドアの下の隙間に濡れたバスタオルを挟んで、ニオイが漏れないようにもしていました」
松浦氏は違法薬物を常習する一方で、事実が明るみに出ることには強い恐怖心を抱いていたようだ。しかし松浦氏がその恐怖から解放され、堂々と大麻を吸うことができるタイミングがあった。それが毎年恒例の年末年始のハワイ旅行だった。
松浦氏に2週間密着したハワイ取材
「2016年12月頃から松浦さんの自伝本の取材をしていたため、取材を兼ねてハワイ旅行にも参加させてもらいました。松浦さんは『すべてをさらけださないと取材にはならないよな』と言って、ハワイでも録音をまわすことを承諾してくれました。ハワイの旅費は出していません。私の分も秘書や取り巻きの分も松浦さんのポケットマネーか会社の経費だったようです」
そうして、A子さんは2016年12月28日から2017年1月12日までの約2週間、松浦氏と朝から晩まで生活を共にすることになった。
「空港から車で移動し、到着したのはホノルルの高級住宅地にある社長の別荘でした。日本ではめったに見ないような大きな白い邸宅で、1階には客室とリビングルーム、2階には松浦さんの寝室と客室、3階にも寝室がありました。でもみんなが集まるのはほとんど1階のリビングルーム。とても広くて、正面には大きなプールがあり、その先にはプライベートビーチが広がっていました」
この別荘の写真は、松浦氏のSNSにもたびたび投稿されている。
「M」にも登場したハワイの大豪邸で「みんな、当たり前のように大麻を」
 歌手・浜崎あゆみと松浦氏の関係を基に書かれた小説「M 愛すべき人がいて」(小松成美著・幻冬舎)にもこの別荘が登場する。浜崎あゆみの楽曲制作にも関わっていたように描かれている。
〈エイベックスの中でも私は最大のプロジェクトで、百万枚を超えるCDは新人歌手の夢の挑戦などではなく、音楽産業だった。マサ(※松浦勝人氏)は、私の楽曲を依頼する大勢の作曲家を自分のハワイの別荘に招待した〉
「当時、別荘には常に10人弱の人がいました。別荘には音楽の機材などもたくさんあって、遊びに来ている人も、仕事をしに来ている人もいました。ほとんどの人は2〜3日滞在して帰って行きましたが、私だけは取材のためにまるまる2週間滞在しました」
松浦氏の別荘を訪れる人は「みんな、当たり前のように大麻を吸っていた」という。
「気分を上げたい時は“UP”、落ち着きたい時は“DOWN”」
「1階のキッチンの奥の床に金庫が置かれていました。その中に大麻や水パイプ、キセルのようなものが保管されていました。 大麻はA4サイズくらいのビニール袋2つに入っていて、それぞれ“UP”“DOWN”と手書きで記してあるんです。松浦さんから『気分を上げたい時は“UP”、落ち着きたい時は“DOWN”を吸え』と説明されました。私はウルトラ(音楽フェス「ULTRA JAPAN」)で大麻を凝縮したシートを摂取した時にすごく落ち込んだので、いつも“UP”を選んでいました。大麻を吸いたい人は自分で取り出して、リビングやテラスなどで吸っていた。松浦さんは2階にある自室のバルコニーで紙巻きや水タバコ、キセルなどで大麻を吸っていました」
ハワイでの日々は退廃的だった。
「松浦さんはシェフを日本から連れてきていたので別荘でも好きなものを食べることができましたし、高級なレストランへ行くこともありました。別荘にいる間はお酒を飲んだり大麻を吸っていたりすることが多かったので、みんなグデングデンになっていました。別荘には男女がいましたが、ふざけて局部を露出する男性もいた。松浦さんも裸になってはしゃいでいました。私はすぐに大麻で酔ってしまうので、『危ないから』とスキューバダイビングには連れて行ってもらえませんでした」
ハワイ別荘のリビング。年越しの花火が上がる直前だという
〈覚せい剤みたいなやつ〉〈それはやだ……〉
A子さんはそのうち「吸いすぎて、食事以外はベッドから起き上がれなくなった」と言うが、取材の為にボイスレコーダーだけは常に携帯していた。2017年1月1日に録音したデータに、松浦氏と松浦氏の知人D氏と、大麻について話す音声が残っていた。3人は1階にあるダイニングテーブルで話していたという。
〈もっとクラクラになるの?〉(A子さん)
〈なんない〉(松浦氏)
〈ある程度以上はなんないでしょ〉(D氏)
〈うそお、そうなんだ〉(A子さん)
〈そうやって君はエスカレートしてくんだよ〉(松浦氏)
〈そうだよ〉(A子さん)
〈はっぱじゃ我慢できなくなる〉(D氏)
〈覚せい剤みたいなやつ〉(松浦氏)
〈それはやだ、社長がやる……〉(A子さん)
〈早くやれや〉(松浦氏)
〈社長の後につぐ〉(A子さん)
〈そういうセリフを録音しちゃダメです(笑)〉(D氏)
また、2日後の1月3日には、大麻を吸った後のA子さんと松浦氏が取材の進行具合について相談する際の音声も残っていた。
〈まだね、人工知能の話も書いてないしね、まだいっぱい書いてないことあるの。社長の〉(A子さん)
〈それはもうお前、はっぱが全部なくなってからにしよう。もうすぐなくなっちゃうから〉(松浦氏)
「弱みを握らせろ」撮影された“大麻動画”
「ハワイの別荘では取材のためにICレコーダーを回していることが多かったので、松浦さんは大麻に関する音声が録音されている可能性を危惧したみたいです。突然、ドスのきいた声で『A子に録音回されて弱みを握られた。俺にもお前の弱みを握らせろ』と言い出しました。それまでは楽しかったのですが、途端に怖くなりました。怖がっていることを悟られたくなくて平静を装っていましたが、緊張し心拍数が上がりました。そして松浦さんは私に水パイプで大麻を吸わせ、ビデオ録画をし始めたのです」
それがFacebookにエイベックスへの批判的な投稿を繰り返すA子さんに、松浦氏が送りつけてきたLINEで示唆されていた映像だ。(第1部「エイベックス会長・松浦勝人氏の大麻使用を元社員が告発『毎週末のように一緒に吸っていた』《証拠音声・LINE公開》」参照)
A子さんの元に2019年末に松浦氏から届いたLINE。SNSでA子さんの本名を晒すという悪質な行為をしていた松浦氏に対して、A子さんが抗議したところ、“ハワイでの映像”の存在をちらつかせた
A子さんの元に2019年末に松浦氏から届いたLINE。SNSでA子さんの本名を晒すという悪質な行為をしていた松浦氏に対して、A子さんが抗議したところ、“ハワイでの映像”の存在をちらつかせた
 帰国後、A子さんは自伝本の執筆に入ったため、大麻などの違法薬物からは距離を置いた。その後は「クスリ関係は一切やっていない」という。何時間にも及ぶ取材のあと、A子さんはこう話した。
「私はエイベックスの音楽に救われてきました。松浦さんにもとても可愛がってもいただきました。肉体関係はありませんでしたが、松浦さんが一文無しになっても支えたいと思うほど、心から尊敬していたんです。だからこそ、憧れのエイベックスと松浦さんには、イチからやり直してほしい。薬物とは無縁の素敵な音楽を、これからも作り続けてほしいです」
しかし、後日改めてA子さんに電話をしたが、彼女が電話に出ることはなく、折り返しの電話がかかってくることもなかった。
「ビートルズもLSDを使った」と語る松浦氏
12月28日、松浦氏は自身のTwitterで「年末にひとこと」と題し、違法薬物とエンタテインメントの関係性について以下のように綴っている。
《普通の世界でエンタテインメントなんて出来るわけがない。だから今の厳しく矛盾した世の中と闘っている。いつの時代もそうだった。ビートルズもLSDを使いリボルバーというアルバムを作り、スティーブジョブズやビルゲイツでさえ、仕事のアイデアにそれを使ったという。何もそういうことを今時しろと言っているわけではない。イノベーションはそういう中から産まれてきたことを否定はしないというだけだ》
ここに公開する動画では自身の大麻使用や、アーティストの大麻使用について言及している。しかしいうまでもなく大麻は違法だ。
【動画】薬物使用を語る「松浦氏の肉声」
真意を確かめるべく、取材班が松浦氏に電話で直撃すると、松浦氏本人が対応したー。(vol.23)

・令和2年5月、株式会社文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」において、松浦勝人氏が大麻を使用していた疑いがあるとの報道がなされた(乙10。なお乙10の16ないし同18において、松浦氏はこの報道内容を否定)。

乙10の16〜18 「【CEO退任へ】直撃15分 エイベックス松浦勝人会長が大麻疑惑に答えた「大麻を凝縮したシートなんてあるんですか」」 元社員女性が薬物使用を告発

「文春オンライン」特集班2020/05/15

 エイベックスの松浦勝人会長(55)が、CEO(最高経営責任者)を退任することとなった。5月14日に同社が公表。6月に開催予定の株主総会でCEOから退く松浦会長は、15日に自身のツイッターで思いを綴った。
「文春オンライン」が4月18日に報じた松浦会長の“大麻疑惑”を再公開する。肩書き、日付、年齢などは当時のまま。(全4本中の4本目)
元エイベックス社員のA子さんが、同社の代表取締役会長の松浦勝人氏(55)の“違法薬物使用”を「文春オンライン」編集部に告発した。松浦氏と、松浦氏の知人ら複数人と共に過ごしたハワイの別荘では、日常的に大麻を使用していたという。
「別荘にいる間はお酒を飲んだり大麻を吸っていたりすることが多かったので、みんなグデングデンになっていました。別荘には男女がいましたが、ふざけて局部を露出する男性もいた。松浦さんも裸になってはしゃいでいました」
「文春オンライン」編集部は40時間に及ぶ松浦氏とA子さんの肉声がおさめられた音声データや、松浦氏とA子さんのLINEのやりとり、膨大な数の画像データなども入手した。そこには松浦氏にこれまでつきまとっていた”薬物使用”をほのめかす記録が残されていた。
事実関係を確認するために取材班が松浦氏の携帯に電話をかけると、松浦氏本人が対応した。
何度かのコール音が鳴ったあと、松浦氏が電話に出た。
――文春オンラインです。松浦勝人さんの電話でよろしいですか。
「はい、そうです」
>――取材の過程で事実確認をさせていただきたくお電話差し上げた。
「はい。突然僕に、ですか。会社を通さずに、ですか」
――双方の主張をしっかり聞きたい。
「それはそうですし、切り取りもやめてもらいたいですね。僕から話を聞くのであれば」
短いやりとりがあった後、事実確認を行おうとすると、松浦氏は「ちなみにこれは録音してありますか。僕の方も記録をとりたいので、お掛け直しします。この番号に」と言って、一度電話が切れた。その約5分後、松浦氏から電話がかかってきた。
「取材に協力しないというつもりはない」
松浦氏は「A子とはエイベックス在籍時代の労務関係について弁護士同士の話し合いをしているので、本来話をできない状態であることをご理解ください」とした上で、「ただ、取材に協力しないというつもりはないので。質問を聞かせていただければと思います」と、大麻使用疑惑についてこう対応した。
――A子さんという元エイベックス社員の方と松浦氏が大麻を吸ったという情報を入手している。事実でしょうか。
「全くの事実ではございません」
――ご説明いただいてもよろしいですか。
「彼女がなんでそう言ってるかわかりませんし、彼女がどこでそういうことをしたかどうか、僕は全くわかりません。ちょっと病的にしか感じてなくて、妄想的な話が多いので、あまり相手にしてないです」
――大麻関係の話は? ハワイの別荘に行ったという話があるが。
「ええ、取材で来ましたね、はい」
――松浦さんとA子さんが2人で大麻を吸ったという事実はあるか。
「ハワイなのでそういうもの(大麻)もあるのかもしれませんが、彼女がどこでそれをしたかは知りません。僕の目の前でそういうことをしたということは、僕は知りません」
――A子さんの大麻使用は知らない?
「うーん、様子がおかしかったというのは感じていましたね」
――松浦氏自身は、ハワイや日本で大麻を吸うなどの行為はされていましたか。
「していないです」
――A子さん側の「松浦さんと一緒に大麻を吸った」という証言は否定される?
「A子さんという人と大麻を吸ったことはありません」
「大麻を凝縮したシートなんてあるんですか」
――2016年9月17日の音楽フェス「ULTRA JAPAN」のVVIP席で松浦さんから茶色いオブラートのようなシートを渡されたと。
「それは全くないですね。全く、ないですね。なんですか、それ」
――そのようなシートを渡した覚えはない?
「そういう記憶は全くないですし、あんな人目がいっぱいあるところでそういうことは全く僕の立場でできるわけがないので。渡してはいません」 ――舌の上に乗せて「舐めてみろ」と言ったという証言があるが。
「いやいやもう、かなり、かなり妄想ですねそれは。妄想ですね」
――オブラートのようなものは、大麻を凝縮したものであると言ったのでは?
「そんなものは、ないと思いますよ」
――渡してないということか。
「大麻を凝縮したシートなんてあるんですか。逆に知りたいくらいです」
――そのあと、2016年末からハワイ滞在中、松浦氏と大麻を吸ったと。
「それは彼女が僕の本を書きたいと言って、ただ僕も忙しくて時間が取れないので、正月にハワイに行くのでそこで取材をしようということで来ていました。そこには何人も人がいるので証人もいっぱいいます。逆に彼女の行動の方が、僕から見れば、みんな言ってるんですけれど、おかしかったですね」
――どんな風におかしかった?
「それも、僕の口からお答えできません」
「そこまで僕は脇は甘くはないので」
――自宅とハワイの別荘両方で、金庫に大麻などの薬物を保管していた、という話もある。
「あの、見に来ていただければわかるし、警察が来るでしょう、そうしたら。僕についてそういう噂ありますけど、(事実では)ないんですよ。上場企業の社長やっててそんなこと、もうやってられないです」
――株主に大きな不利益を与える問題です。
「当たり前じゃないですか、沢尻然り、浦田然り、色々なことが起きているなかでそこまで僕は脇は甘くはないので、そういったことはありません」
最後に改めて事実確認の文書をエイベックスへも送付する旨を伝えると、松浦氏はこう付け加えた。
「あの、彼女の方が危ないと僕は思ってますけど、色々な意味で。だって彼女は本(松浦氏の自伝本)を書いて、書いたその本がボツにされたわけですよ、●●(出版社の名前)に。それに対しての恨みつらみが結局お金を取れるのが僕しかいないから、僕にきているだけですね。僕はそう感じてますよ。彼女は今お金に貧窮してますから。逼迫してますから。それで、どうにかお金を取れるとこっていう……。まあヤクザと同じですよね、考え方が。そういう理解でいますけど」
――ウルトラ当時など、(2人が)仲が良かったという認識に誤りはない?
「社員でしたからね、すごく可愛がってましたし。えっと、まあこれはちょっと彼女のプライドやメンツもあるんで僕からは言えないんですが、非常にこちら寄りにきていた、色々と話をしてくる社員の一人でしたね、はい」
松浦氏は15分以上にわたり取材班の質問に答え、A子さんの証言と自身の薬物使用について否定した。
改めてエイベックスにも文書で事実確認をしたところ、エイベックス株式会社の代理人弁護士から回答があった。
「A子氏(本文中では本名)とは現在双方代理人弁護士に依頼して係争中であり、今後の係争に影響を与えうることから個別具体的な回答は差し控えさせていただきます。
ただ、大麻等に関する部分について弊社はそのような事実を把握しておりません。弊社松浦からも御社の取材に対してそのような事実がない旨を回答している旨承知しております」
小説「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)にはこんなシーンがあった。アルコールに溺れる松浦氏を案じ、浜崎あゆみは“ある映画”のDVDを借りるのだ。
〈その映画は、「リービング・ラスベガス」と「バスケットボール・ダイアリーズ」。この作品は二本とも、アルコール依存症やドラッグ依存症の主人公が身を滅ぼしていくストーリーで、以前、メイと一緒に観たときに、恐ろしさに身をすくめた。
ニコラス・ケイジとレオナルド・ディカプリオがアルコール依存症と麻薬中毒になった映画を観て、マサがお酒をやめてくれますように。〉(同作より)
若年層にたくさんのファンを持つエイベックスのアーティストたちの頂点に立つカリスマであり、社会的に大きな影響力を持つ東証一部上場企業の会長である松浦氏が、違法薬物を日常的に使用していた。事実であるならば、決して許されることではない。 (vol.24)

(4)小括

 このように、松浦勝人氏が反社会的勢力と関係性を有しているかのような報道や、同人が薬物を使用しているかのような報道はすでに幅広く認知されており原告エイベックス(関連会社を含む)に所属する俳優が麻薬及び向精神薬取締法に違反した罪について有罪判決を言い渡される事案も発生しているのであるから、本件発言1または同2程度の抽象的な発言によって原告エイベックスの社会的評価が低下することはない。

(5)付言

 上記の主張は、実際に原告や松浦勝人氏が反社会的勢力と関係性を有していたり、松浦勝人氏が薬物を使用していたりする旨を主張するものではなく、原告エイベックスや松浦勝人氏と反社会的勢力と関係性や、松浦勝人氏やその所属アーティスト等の薬物使用問題について、幅広く報道がなされていた経緯があることを主張するものである。

4 結論

 上記のとおり、本件発言1及び同2は、不法行為が成立するに足りる程度に原告エイベックスの社会的評価を低下させておらず、そもそも、いわゆる芸能界において発生した反社会的勢力や薬物に関する問題、ひいては原告エイベックス自身(関連会社を含む)に関して発生し、またはすでに報道されている事柄に鑑みると、原告エイベックスの社会的評価を低下させるものではない

第3 本書面に記載した主張の位置付け

 原告エイベックスは、訴状記載の請求原因のうち、「第1 事案の概要」「(2)被告」において、被告山直樹こと詠基が本件各発言を本件記事に「掲載させた」と主張したり、同「第2 被告山直樹こと詠基の不法行為」「(2)本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる」の「ア」ないし「ウ」において、被告山直樹こと詠基が本件各発言を「本件記事内において」行っていると主張したりしている。

 これらに対し、被告山直樹こと詠基は、令和3年9月30日付け「準備書面1」において、被告山直樹こと詠基が本件記事に本件各発言を「掲載させた」事実は否認し、本件各発言の文言が本件記事に掲載されている事実は認めつつ、それを被告山直樹こと詠基自身が行った事実は否認した。

 被告山直樹こと詠基は、本書面では本件各発言を行ったことが前提であるかのような主張をしたが、これは、被告山直樹こと詠基が本件各発言を実際にしたことを認めるものではないので、念のため付言する(vol.25)

         原告エイベックス第1準備書面

                                                     令和3年12月10日

東京地方裁判所民事第37部合議B係

                 〒107−8577
                 港区南青山3−1−30
                 原告 エイベックス株式会社
                 代表者代表取締役 黒岩 克巳
                 〒100−8222
                 千代田区丸の内2−6−1
                  丸の内パークビルディング
               森・濱田松本法律事務所(送達場所)
                 電話 03−5293−4907                          (菊池直通)
                 FAX 03−5293−9386                          (菊池直通)
                原告訴訟代理人弁護士 鈴木 克昌
                同          上村 哲史
                同          兼松 勇樹
                同          菊池 春香

 原告エイベックスは、本書面において、被告山直樹こと詠基の令和3年8月27日付準備書面1及びの令和3年11月8日付準備書面2に対して反論する。

 なお、本書面における略語は、特に断らない限り、訴状の例によるものとする。

第1 本件発言による摘示事実の整理

 被告山直樹こと詠基による本件発言は、後記第2のとおり、それぞれ、@原告エイベックスが、その経営にあたり裏社会との付き合い方を熟知している必要があるほど、裏社会との関係性を有している会社であるという事実(本件発言1)、A原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行している事実(本件発言2)、B原告エイベックスが裏社会との付き合い方も熟知しているような人物である被告山直樹こと詠基との間で、水面下で株式の譲渡や買収後の方針に関する交渉を行っているいかがわしい会社あるいは嘘つきの会社であるという事実(本件発言3)を摘示するものである。

第2 本件発言に関する被告山直樹こと詠基らの主張の誤り

1 本件発言1について

 (1)本件発言1の摘示事実
 被告山直樹こと詠基は、本件発言1は、被告山直樹こと詠基が自らの経歴を紹介するうえでなされた発言に過ぎず、自身のいわゆる「エリート」としての側面以外の側面に言及しているものであると主張する(被告準備書面1・5頁)。

 しかし、本件発言1は、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの買収を実現した後に、原告エイベックスをどうするつもりなのか、それが実現可能なのかという質問に対する回答として発言されたものである(甲3)。そのような文脈において、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスとおよそ関係なく、いわば単なる自身の自己紹介として「エリート」としての側面以外の側面に言及する意味など全くなく、裏社会との付き合い方を熟知していると述べるのは唐突かつ不自然である。一般読者の普通の注意と読み方と基準とすれば、訴状で述べたとおり、原告エイベックスを経営していくにあたり、裏社会との付き合い方を熟知している必要があるからこそ、本件発言1を発言したと読むのが通常である。換言すれば、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言1は、原告エイベックスが、その経営にあたり裏社会との付き合い方を熟知している必要があるほど、裏社会との関係性を有している会社であるという事実を摘示するものである。

 したがって、被告山直樹こと詠基の主張はおよそ失当であるというほかない。(vol.26)

(2)原告エイベックスの社会的評価の低下

ア 原告エイベックスが自身の経営に必要であるといえるほど、裏社会との関係性を有している会社である事実自体が一般に社会的評価を低下させるものである。

 被告山直樹こと詠基は、東京高裁平成30年1月31日(平成29年(ネ)第4039号、甲10)等を引用し、特定の者が反社会的勢力と関係性をゆうしていることや、社会的に不適切とされる行為を行っていたりすることについては、抽象的な印象を超えて、具体的な事情を読み取ることが可能な程度の社会的評価の低下は生じないと主張する(被告山直樹こと詠基準備書面2・3頁)。

 しかし、上記裁判例で問題となった週刊誌の記載は、

『「おいおいおい、お前らまた悪だくみしてんのか!」今から4年前の2009年晩秋の朝。Q市にある老舗高級ホテル「ac」のロビーは、突然の罵声に襲われ、騒然となった。この日、「ac」のラウンジでは、生コン業界の首領ことX1・X2労組関西地区生コン支部委員長が、呼びつけた生コン販売店の人間と、いつものように打ち合わせをしていた。そこに押しかけたのが、組員数人を引き連れた、J組D会系T一家(滋賀県ad市、ae総長)のG相談役だった。』

との記載であるところ(東京地裁平成29年8月23日(平成26年(ワ)第14419号、甲11)、当該記載は、原告組合の打ち合わせの場において、暴力団組員が押しかけてきた事実を摘示するものに過ぎず、原告組合と当該暴力団との間に従前から不適切な関係にあるために当該暴力団組員が押しかけてきたのか、原告組合員と当該暴力団との間に不適切な関係が全くないにもかかわらず、当該暴力団が原告組員に恐喝する意図で偶々押しかけてきたのか等、いかなる関係性により押しかけてきたのかについては全く読み取ることができない。これに対して、本件発言1は、前記(1)のとおり、原告エイベックスが、その経営にあたり裏社会との付き合い方を熟知している必要があるほど、裏社会との関係性を有している会社であるという事実を摘示するものであるから、全く事案が異なり、参考となるものではない。

 むしろ、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律が制定・強化され、全都道府県に暴力団排除条例が整備された現代においては、反社会的勢力に対する社会の否定的評価は極めて強く、対象者が反社会的勢力との関係があること自体が一般に社会的評価を低下させるものであることは自明のことである。そして、本件発言1もまた、原告エイベックスが、その経営にあたり裏社会との付き合い方を熟知している必要があるほど、裏社会との関係性を有している会社であるという事実を摘示するものであるから、原告エイベックスの社会的評価を低下させる。さらに言えば、原告エイベックスのような、東証第1部に上場する日本有数の企業であり、かつ老若男女問わず無数の個人を顧客とし、社会的評価や企業イメージの毀損が事業活動に極めて深刻な影響を及ぼすエンターテインメント企業においては、上場審査の際にも反社会的勢力との関係がないことが慎重に審査されたうえで、上場後も反社会的勢力とのかかわりを厳に絶つべきとされているのであるから(甲12:反社会的勢力排除に向けた上場制度及びその他上場制度の整備について)、抽象的であれそのような企業が反社会的勢力と関係性を有するという事実を摘示されるだけでも、原告エイベックスの社会的評価を低下させることは明白である。 (vol.27)

イ 芸能界一般に対する一般読者の認識は、原告エイベックスの社会的評価の低下と一切関係がない  また、被告山直樹こと詠基は、乙2や乙3の記事を引用し、芸能界では反社会的勢力との関係が問題になった事案が複数発生しているから、原告エイベックスと裏社会との関係性を摘示したとしても、それは既に一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しないと主張する(被告山直樹こと詠基準備書面2・4頁)。

 しかし、被告山直樹こと詠基も自認するとおり、乙2及び乙3で指摘されている人物は原告エイベックスと何ら関係のない人物であって、これらにより原告エイベックスに対する一般読者の認識が形成されることなどないから、およそ失当というほかない。被告山直樹こと詠基は特定の業界の一部の企業や人物について、反社会的勢力との関係性が問題となれば、当該業界のその他の企業や人物についても反社会的勢力との関係があるとの一般読者の認識が形成されるので、その他の企業や人物についても反社会的勢力との関係性を摘示しても問題ないと主張しているに等しく、極めて乱暴な議論である。

ウ 乙7の記事にもかかわらず、本件発言1は原告エイベックスの社会的評価を低下させる

 さらに、被告山直樹こと詠基は、乙7を引用し、原告エイベックス代表者松浦勝人が原告エイベックスの株主を広域指定暴力団幹部の同席する場に呼び出し、不穏当な言動をとったという報道がされているから、原告エイベックスの経営にあたって裏社会に対応する必要があることは周知の事実であり、本件発言1によって新たに原告エイベックスと裏社会との関係性を指摘しても原告エイベックスの社会的評価は低下しないなどと主張する(被告準備書面2・5〜6頁)。

 しかし、そもそも原告エイベックスの代表取締役会長松浦勝人が原告エイベックスの株主を広域指定暴力団幹部の同席する場に呼び出し、不穏当な言動をとったという事実はないし、また、被告山直樹こと詠基の主張するように、原告エイベックスの経営にあたって裏社会に対応する必要があることは周知の事実でもない。乙7で指摘されている訴訟でも、原告エイベックス会長松浦勝人が不法行為をしたことの直接的かつ客観的な証拠はなく、被害者の供述が信用できるかが問題となり、結論として被害者の供述は採用し難く、原告エイベックス会長松浦勝人による言動を認定することはできないとして、その余の点を判断するまでもなく被害者の請求が棄却されている(東京地方裁判所 平成25年1月17日(平成23年(ワ)第15727号(甲13)、東京高等裁判所平成25年5月29日(平成25年(ネ)第1196号において被害者の控訴が棄却され確定。)。したがって、被告山直樹こと詠基の上記主張は、その前提を欠くものであり、誤導も甚だしい。

 また、そもそも、特定の者に関する消極的な事実を重ねて指摘しあるいは暗示して、多数の人々に流布させることは、たとえその者について既に芳しくない評判が立っている場合であっても、さらにその社会的評価を低下させることになることは、裁判例でも明確に指摘されていることである(東京高判平成5年9月29日判タ845号267頁)。したがって、万が一、一般人が乙7の報道から原告エイベックスと反社会的勢力と何らかの関係を有しているとの(誤った)認識を有していたとしても、本件発言1により、原告エイベックスが、裏社会との付き合い方を熟知していることが自身の経営に必要であるといえるほど、裏社会との関係性を有している会社であるという事実が摘示されることによって、原告エイベックスの社会的評価が低下することには変わりがない。

 (3)本件発言1は反真実である

 既に述べたとおり、原告エイベックスにおいては、これまでに裏社会と関係性を有していた事実自体が全く存しないから、本件発言1は反真実である(訴状6頁)。 (vol.28)

2 本件発言2について

(1)本件発言2の摘示事実

 被告山直樹こと詠基は、本件発言2は単なる方針の表明であり、事実の摘示でも論評でもないとか、スポーツの大会でドーピング検査が行われるのは、ドーピングを行っている一部の出場者を割り出すためであるから、原告エイベックスの社内で薬物検査を行うという方針を表明したとしても、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行していると理解することはできないなどと主張する(被告山直樹こと詠基準備書面1・5〜6頁)。

 しかし、スポーツ選手がドーピングなどしていなければ、そもそもドーピング検査は不要なのであって、ドーピング検査が必要であるということ自体が、過去にスポーツ選手の間でドーピングが横行していた事実を前提にしているというべきである。また、通常の事業会社において、全社員に対して薬物検査をするなどということはなく、それを行う必要があるとすればそれは極めて異常である。それにもかかわらず、原告エイベックスにおいて所属アーティストに限らず、全社員に対する薬物検査が必要であるという事実を摘示すれば、一般読者は、原告エイベックスが全社員にも薬物検査を必要としているほどの特異な会社であり、社内で薬物の使用が横行している会社であると認識することは明らかである。さらに、被告山直樹こと詠基は、本件発言2において、原告エイベックスの全社員・全アーティストに対して薬物検査をすると述べた後、「従えない人には辞めてもらう」とまで述べているのであるが、薬物検査はあくまでも任意で行われるべきものであるにもかかわらず、薬物検査で陽性反応が出た従業員等を解雇するのであればともかく、そうではなく個人の信条等に基づいて検査自体を拒んだ者ですら解雇するという発言自体、被告山直樹こと詠基自身が原告エイベックスの従業員らの中に薬物を使用している者がいるということを前提としており、このような発言と合わせて読めば、より一層一般読者が原告エイベックスが社内で薬物の使用が横行している会社であると認識することは明らかである。

 したがって、本件発言2は、一般読者の普通の読み方と基準とすれば、原告エイベックスの社内での薬物の使用が横行している事実を摘示するものである。(vol.29)

(2)原告エイベックスの社会的評価の低下

 被告山直樹こと詠基は、東京高判平成30年1月31日(平成29年(ネ)第4039号、甲10)を引用し、原告エイベックスにおける薬物使用に関する具体的な事情への言及はないから、原告エイベックスの社会的評価は低下しないと主張する(被告山直樹こと詠基準備書面2・4頁)。

 しかし、前記1(2)アのとおり、東京高判平成30年1月31日(平成29年(ネ)第4039号、甲10)は、対象者と反社会的勢力との関係についての事実の摘示が争われた事案であり、対象者の薬物の使用が問題となったわけではないから、本件発言2の社会的評価の低下において全く参考とならない。

 そして、本件発言2は、原告エイベックスの社内で、通常の事業会社ではおよそ行わないような、全社員・全アーティストを対象とした1年間に複数回の薬物検査を行うというものであり、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行している事実を摘示するものであるから、原告エイベックスにおける薬物使用について十分に具体的な事実の摘示である。

 また、被告山直樹こと詠基は、乙4ないし乙6を引用し、芸能界では、薬物使用が問題となっていた事案が複数発生していることから、原告エイベックスにおける薬物使用の事実を摘示したとしても、それは既に一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しないなどと主張する(被告山直樹こと詠基準備書面2・4〜5頁)。

 しかし、乙4ないし乙6で薬物使用が指摘されている芸能関係者は全て原告エイベックスとは何の関係もない人物であり、前記1(2)イのとおり、これらにより原告エイベックスに対する一般読者の認識が形成されることなどないから、およそ失当というほかない。

 さらに、被告山直樹こと詠基は、乙8ないし乙10の18を引用し、原告エイベックスや原告エイベックスの関連会社に所属する俳優・アーティストが薬物を使用して逮捕された旨や原告エイベックス松浦勝人会長について薬物を使用していた疑いがある旨の報道がなされたことから、本件発言2によって原告エイベックスの社会的評価は低下しない旨主張する。

 しかし、原告エイベックスに所属する一部の芸能関係者が薬物を使用して逮捕された旨や原告エイベックス松浦勝人会長の薬物使用(但し、そのような事実はない。)の疑惑の報道がなされたからといって、一般読者が原告エイベックスに所属するアーティスト、ましてや原告エイベックスの社員の間で薬物が横行しているというような認識を持つなどということはない。

 また、前記1(2)ウのとおり、既に芳しくない評判が立っている者について重ねて消極的な事実を指摘することでも、当該人物の社会的評価は低下するのであるから、乙10の各記事から、本件発言2により、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行している事実を摘示されることによって、原告エイベックスの社会的評価が低下することにはかわりがない。

(3)本件発言2は反真実である

 既に述べたとおり、原告エイベックスにおいては、これまでに原告エイベックスの社内において薬物の使用が横行した事実自体が全く存しないから、本件発言2は反真実である(訴状6頁)。 (vol.30)

3 本件発言3について

(1)本件発言3の摘示事実

 被告山直樹こと詠基は、本件発言3は被告山直樹こと詠基の発言として記載されているものではないし、原告エイベックスには4万名の株主がいることなどを指摘し、被告山直樹こと詠基が株式の買収について交渉している相手を特定することはできないとか、「会社を通しての正式な交渉はない」とコメントしているのは芸能事務所幹部であり、原告エイベックス自身ですらないのであるから、一般読者は原告エイベックスが「嘘つき」であるという読み方をすることはないなどと主張する(被告山直樹こと詠基準備書面1・3頁、6〜7頁)。

 しかし、本件記事には「最終的には、現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだと語る山氏」と記載されており、被告山直樹こと詠基がインタビュー中において原告エイベックス松浦勝人会長の持株を含む原告エイベックスの株式を取得するつもりであるとの発言をしたことは明らかである。

 また、本件記事においては、原告エイベックスの買収に向けて交渉を進めていることが事実であるかという取材に対して、原告エイベックスが「そういった事実はございません。」と発言しており、原告エイベックス自身が原告エイベックス松浦勝人会長と被告山直樹こと詠基との間の交渉を否定していることは明らかであるから、一般読者は原告エイベックスが「嘘つき」の会社であるかのような印象を抱くのが通常である。

 そして、被告山直樹こと詠基は、本件発言1で自身が裏社会との付き合い方を熟知している人物であることを自認しているから、一般読者の通常の読み方を基準とすれば、本件発言3はそのような人物と原告エイベックス松浦勝人会長が秘密裏に株式の譲渡に関する交渉をしていると認識するのが通常である。

(2)原告エイベックスの社会的評価の低下

 前記1(2)アのとおり、事業会社として反社会的勢力とのかかわりを絶つべきである原告エイベックスが、裏社会との付き合い方を熟知している被告山直樹こと詠基と、秘密裏に株式の譲渡等に関する交渉をしているという事実は、それ自体として原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に裏社会と関係性を有しているとの印象を抱くのが通常であるから、原告エイベックスの社会的評価を低下させることは明らかである。また、原告エイベックスが裏社会と関係性を有していなくても、前記1(2)のとおり、原告エイベックスは上場企業として反社会的勢力とのかかわりを厳に絶つべき立場にあるから、そのような原告が、裏社会との付き合い方について熟知しているかのようないかがわしい人物と株式の売買等に関する交渉をしている事実自体が、原告エイベックスの社会的評価を十分に低下させるものである。

(3)本件発言3は反真実である

 既に述べたとおり、原告エイベックスや原告エイベックス松浦勝人会長が被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡等に関する交渉をしている事実は全く存しないから、本件発言3は反真実である(訴状7頁)。                                                  以上 (vol.31)

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山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <お知らせ>(2021.05.21エイベックス株式会社

 一部週刊誌記事について

 本日、株式会社講談社(以下:講談社)から発売されている週刊誌「FRIDAY」に、当社が買収される旨の記事が掲載されておりますが、書かれている内容は全て「事実無根」です。

 当社は、このインタビューを受けている高山直樹氏(以下:高山氏)との交渉はもちろんのこと、接触すらございません。そのため、講談社に対しては厳重抗議するとともに法的措置を実施し、高山氏に対しても法的措置を実施いたします。

 この記事によって、株主の皆様やお取引先・関係者の皆様、そして何よりも日頃から当社グループ所属のアーティスト、タレントを応援してくれているファンの皆様には、ご心配をおかけいたしましたが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

 
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <エイベックス買収の「仕掛け人」の狙いはどこに 沖田臥竜コラム>(2021.06.03 20:05ビジネスジャーナル

 高山氏が登場した「FRIDAY」

 物事には歴史というものが存在する。それは企業においてもそうだろう。

 1990年代以降、日本の音楽シーンにおいて、エイベックスという会社は多大なる功績をこれまで残してきている。同社はそれによって大きく成長したが、同社の価値を単純に経済的な側面だけでは計ることはできない。例えば、今もなお語り継がれている名曲の数々だ。エイベックスというプラットフォームがあったからこそ、人々の心に思い出として深く刻まれているのではないか。それは、決して金銭に置き換えることはできないものだ。

 そのプラットフォームをただの「器」と表現する人物がいたとしたら、どうだろうか。もちろん表現の自由は憲法に守られているため、個々が好きに発言するのは自由だ。だが、奇しくもエイベックスの買収に乗り出そうとしている人物が、その会社を「器」と発言をすれば、関係者のみならず、多くの人が一種のアレルギー反応を起こすのではないだろうか。少なくとも私の頭には、部外者ながらも脳裏に「侮辱」という言葉が頭の中を駆け巡ったのだった。

 5月21日発売の写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)にこんな見出しが踊った。

 「エイベックス買収」を仕掛ける人物 高山直樹(ファンドマネージャー)とは何者か  この記事は、スターマウンテンなるファンドの代表を務める高山直樹氏にインタビューをしたものだ。その中で同氏は、業績低迷中のエイベックスの買収計画を進めていることを宣言。さらに「僕はエイベックスを“器”としか思っていない。僕が代表になったら、音楽だけではなく漫画やアニメ、実写映画などのコンテンツをつくっていくつもりです」と高らかに「器発言」を行っているのだ。しかし、エイベックスがすでにアニメや実写映画で実績を残していることは、一般人でも知っていること。この発言だけでも、この人物の底の浅さが見えてくる。また、高山氏は自身が在日韓国人であることから、その人脈を生かして、K-POPなど韓国のエンタメを取り入れていくとも語るが、それも「いまさら」感のある発言だ。

 私がこの記事に目を通してまず最初に感じた印象は、なぜ「FRIDAY」は高山氏のインタビューを掲載したのだろうかという点だった。事件やスキャンダルがあれば取材をして報じるのは記者の仕事だ。しかし、この記事は一見スクープ性の高いインタビューに見えるが、その実、高山氏の空虚な放言を載せているだけに思える。また、エイベックスサイドは、高山氏との買収交渉の存在について完全否定をしている。

 果たして、この高山氏の話は、記事化し、掲載するレベルにあったのか。確かに、誰もが知る大手企業を相手に「自分がその会社を買って、社長になったなら」という論理を展開させること自体に興味を惹かれる読者もいるだろう。

 エイベックスの創業者で会長である松浦勝人氏についても、現段階においては部外者でしかない高山氏が「僕の方針と合わないということであれば、卒業ということもあるかもしれませんね」という挑発的な言葉を掲載している。記事を掲載したFRIDAYの版元となる講談社とエイベックスは、決して関係性は悪くはない。その上で記事を掲載したのだ。その狙いはどこにあるのか。ある講談社関係者もそのことについて、同様の疑問を口にしていた。

 「どうした経由で掲載に至ったのかわからないが、ウチは比較的にエイベックスさんと仲が良いといわれている。エイベックスに対して高山氏が本格的な買収工作に入っているという事実があるなら、もちろん日頃の付き合いがあるかといって、忖度などは存在しない。しかしそれが果たして、今なのか。卑猥な話、高山氏がメディアを使って買収宣言をしたのは、本気で買収を成功させることが最優先にあるわけでなく、ほかになにか狙いがあるのではないか。例えば、株価を動かすことが目的ではないかと勘繰ってしまう。ましてや、これだけコンプライアンスがうるさくなかった中で、本気で買収を考えている人物があんなことを言うだろうか」

 この関係者のいう「あんなこと」とは、高山氏が反社会的勢力について語った言葉だ。

 「いわゆる裏社会との付き合い方も熟知しています」

 自身は裏社会とパイプがあるという物言い。付き合い方以前に、裏社会と何らかの接点を持ってはいけないと、暴力団排除条例でうたっているのだ。それなのに、付き合い方を熟知していると、自ら喧伝している時点で問題になると考えないのか。

 そんなツッコミどころ満載の持論を展開してみせた高山氏。さまざまな角度から検証しても、何か裏がある気がしてならない。それほど、高山氏の「エイベックス買収宣言」は実現性に欠けていると思えるのだ。

 そして、偶然なのかそうではないのか、この高山氏のインタビューが掲載された数日後、サイバーエージェントがエイベックスの筆頭株主になることが発表された。高山氏は、次にどのような手を打ってくるのか興味津々だ。

(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
 2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。最新作に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(同)がある。

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