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山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その20 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)(令和4年2月7日)


「上がっていこうぜ!」と「FAKE STAR」を熱唱する押尾学氏 
原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)(vol.20)
 
「上がった」のか?「フェイクジャーナリスト」を熱唱したのか?山岡俊介氏(偽者山岡vol.14)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その20 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案 麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)(vol.20)

 <本節>

(3)薬物使用問題

 原告エイベックスまたはその関連会社に所属する俳優等による薬物使用が問題となった事案として、次のものがある。

・平成21年11月2日、原告(ただし、当時、原告の称号は「エイベックス・グループ・ホールディングス」であった。甲1)の関連会社であるエイベックス・エンターテインメント株式会社(当時)に所属していたことがあり、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた俳優(押尾学)に対し、懲役1年6月執行猶予5年の有罪判決が言い渡された事案(乙8(朝日新聞デジタルH21.11.2押尾学に有罪判決 合成MDMA使用)

〇押尾学被告に有罪判決 合成麻薬MDMA使用
朝日新聞デジタル2009年11月2日11時5分
 合成麻薬MDMAを使用したとして麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)の罪に問われた俳優の押尾学被告(31)に対し、東京地裁(井口修裁判官)は2日、懲役1年6カ月執行猶予5年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。
 押尾被告は今年8月、東京都港区のマンションでMDMAの錠剤を若干量飲んだとして起訴された。押尾被告は初公判で、逮捕容疑のほかにも2年前と今年3月と7月の3回、米国でMDMAを使用したと認めたうえで、日本で使用したのは逮捕容疑の8月2日が初めてと主張していた。
 この事件では、押尾被告がMDMA使用時に一緒にいた飲食店従業員の女性(当時30)が死亡している。警視庁は、押尾被告が女性の異変に気づきながら、適切な救命処置をとらなかった疑いがあるとみて、保護責任者遺棄容疑で立件できるかを検討している。

・令和2年2月6日、原告の関連会社であるエイベックス・エンターテインメント株式会社所属の俳優で、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴されていた者(沢尻エリカ)に対し、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決が言い渡された(乙9(朝日新聞デジタルR2.2.6沢尻エリカ被告に有罪判決 合成麻薬所持の罪 東京地裁)

〇沢尻エリカ被告に有罪判決 合成麻薬所持の罪 東京地裁
朝日新聞デジタル2020年2月6日 15時08分
 合成麻薬を持っていたとして麻薬取締法違反の罪に問われた沢尻エリカ被告(33)に対し、東京地裁の瀧岡俊文裁判官は6日、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。
 沢尻被告は昨年11月16日、東京都目黒区の自宅マンションで、MDMAの粉末約0・2グラムとLSDを含む紙片と液体計約0・7グラムを所持したとして逮捕・起訴された。
 公判で沢尻被告は、仕事の関係者や家族に負担をかけたと謝罪した上で、俳優への復帰について「考えていません」と発言した。
 検察側は、沢尻被告は19歳のころから違法な薬物を使い、再犯の恐れが高いと追及。弁護人は薬物への依存度は低く、治療を受けて再犯防止のための措置をとっていると訴えていた。
 この日の公判では、19の傍聴席を求めて915人が抽選に並んだ。


エイベックス松浦勝人社長利益供与と株主監禁脅迫事件を追う(敬天新聞連載記事)
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その19 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスと反社会的勢力との関係性については、平成23年6月、松浦勝人氏が、原告エイベックスの株主を広域指定暴力団の幹部が同席する場に呼び出し、不穏当な言動を同株主に対して行ったという報道がなされた(乙7(文藝春秋H23.6.30エイベックス松浦社長 暴力団同席『株主を監禁・脅迫』で訴えられた!))。(vol.19)
 
エイベックス松浦勝人社長利益供与と株主監禁脅迫事件を追う(敬天新聞連載記事)
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その19 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスと反社会的勢力との関係性については、平成23年6月、松浦勝人氏が、原告エイベックスの株主を広域指定暴力団の幹部が同席する場に呼び出し、不穏当な言動を同株主に対して行ったという報道がなされた(乙7(文藝春秋H23.6.30エイベックス松浦社長 暴力団同席『株主を監禁・脅迫』で訴えられた!))。(vol.19)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その18 被告山直樹こと詠基準備書面2 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)・シンガー・ソングライター(槇原敬之)・俳優(伊勢谷友介)のものが大々的に報道されており、社会一般に広く認知されている。そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.18)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その18 被告山直樹こと詠基準備書面2 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)・シンガー・ソングライター(槇原敬之)・俳優(伊勢谷友介)のものが大々的に報道されており、社会一般に広く認知されている。そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.18)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その18 被告山直樹こと詠基準備書面2 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)・シンガー・ソングライター(槇原敬之)・俳優(伊勢谷友介)のものが大々的に報道されており、社会一般に広く認知されている。そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.18)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その17 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスが業務を行っているいわゆる芸能界(音楽関係を含む)では、反社会的勢力との関係性や薬物使用が問題となった事案が複数発生しており、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.17)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その17 被告山直樹こと詠基準備書面2 原告エイベックスが業務を行っているいわゆる芸能界(音楽関係を含む)では、反社会的勢力との関係性や薬物使用が問題となった事案が複数発生しており、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。(vol.17)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その16 被告山直樹こと詠基準備書面2 本件発言1によって、一般読者が、原告が裏社会との関係性を有している会社だと解釈することに論理の飛躍があることはすでに主張したとおりであるが、これに加えて、本件発言1は、原告と裏社会との関係性の中身に何ら言及しておらず、原告が有しているかも知れない裏社会との関係性に関する具体的な事情を読み取ることは不可能である。本件発言2においても、原告における薬物使用に関する具体的な事情への言及はどこにもなく、一般読者が抽象的な印象を超えて原告社内の薬物使用を想起することは考えられない(ましてや、薬物使用が「横行」しているとの結論に辿り着くことはあり得ない)。(vol.16)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その15 被告山直樹こと詠基準備書面2 「一般読者の普通の注意と読み方」をした場合、「原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象」は受けないし、原告エイベックスが薬物使用が「横行」しているとの印象は受けない、と主張する。いずれにせよ不法行為は成立しない。(vol.15)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その14 被告山直樹こと詠基準備書面1 被告山直樹こと詠基が、交渉相手を明らかにすることなく、「株の譲渡を含めて交渉しています」とするものであるところ、交渉相手として想定できるのは上記の約4万名の株主である(特に、個人株主が原告エイベックスの全株主の98.84%を占めているのは注目に値する)。原告エイベックス自身が交渉に関与していないと述べたからといって、原告エイベックスが「嘘つき」だという印象を抱く読者などいない。(vol.14)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その13 被告山直樹こと詠基準備書面1  原告エイベックスは、「…エイベックスを買収した後には、スキャンダル対策も徹底していきますよ。まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」という記載から、「原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常」であると主張する。しかしながら、薬物検査が実施された場合に、同検査の対象者の間で薬物使用が横行していると解釈すること自体が不自然である。原告エイベックスは本件発言2の意味内容について一般読者の理解とは大きく異なる理解をしているのであり、同発言が名誉毀損に該当することはない。(vol.13)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その12 被告山直樹こと詠基準備書面1 原告エイベックスは、「『被告山直樹こと詠基には裏社会との付き合い方を熟知しているという側面・経歴がある』イコール『原告エイベックスは裏社会との関係性を有している会社だ』」と即断する思考過程を経るのが一般的な読者であると主張しているのであるが、明らかに不合理であり、本件発言1を原告エイベックスが主張する意味合いに解釈することは不可能であり、名誉毀損には該当しえない。(vol.12)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その11 被告山直樹こと詠基準備書面1 第2 被告山直樹こと詠基の主張 本件発言2は、被告山直樹こと詠基が「エイベックスを買収した後」、「スキャンダル対策」として、「全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。」という方針の表明に過ぎず、事実の摘示でも論評でもない。小括 上記のとおり、本件発言2及び同3は、事実の摘示でも論評でもなく、文言の類型として、そもそも名誉毀損としての不法行為を構成し得ない。(vol.11)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その10 被告山直樹こと詠基準備書面1 違法性阻却事由はないのうち、エイベックスのコンプライアンスポリシーや就業規則の内容は、エイベックスの役員・従業員・所属アーティスト等が反社会的勢力との関係性を有していないことや、薬物の使用や所持をしていないことを必ずしも意味しない。なお、エイベックスは、山直樹こと詠基がエイベックスの「株価を動かす」目的を有していたかのように示唆するが、エイベックスの株式の買収を予告するような言動はエイベックスの株価上昇を招き、エイベックスの株式取得を目指している者にとってはむしろ不都合であるから、山直樹こと詠基がエイベックスの「株価を動かす」目的を有していたとの指摘はどのみち当たらない。(vol.10)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その9 被告山直樹こと詠基準備書面1 第1 請求の原因に対する認否 「本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる」のうち、「『いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています』(本件発言1)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。「『まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう』(本件発言2)のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。「『僕としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです』『現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ』(本件発言3)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。(vol.9)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その8 2 損害の発生 既にこれまでの間にも、被告山直樹こと詠基の本件発言により、多数の原告エイベックスの専属アーティストやタレントが原告エイベックスに対して大きな不安感を抱き、担当マネージャーへの事実確認が後を絶たなかっただけでなく、原告エイベックスの下には各種メディア媒体からも本件発言の真偽に関する問い合わせが集中し、原告エイベックスの業務にも支障が生じた。(vol.8)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その7 (3)違法性阻却事由はない。被告山直樹こと詠基の発言は、いずれも反真実であり、公共性も公益目的もなく、講談社関係者(沖田臥竜)からは、原告エイベックスの「株価を動かすことが目的ではないか」と述べられている。(4)小括。以上のとおり、被告山直樹こと詠基の発言は、いずれも原告エイベックスの社会的評価を低下させるものであり、違法性阻却事由も存在しないから、原告エイベックスの名誉権を違法に侵害するものである。 (vol.7)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その6 「僕(山直樹こと詠基)としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです」「(エイベックス)現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ」(本件発言3)を閲覧した読者は、いかがわしい会社(エイベックス)あるいは嘘つきの会社(エイベックス)であるかのような印象を抱くだけでなく、原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に「裏社会」と関係性を有しているとの印象を抱くのが通常であるから、本件発言3は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。 (vol.6)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その5 「まずは、(エイベックスの)全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」(本件発言2)を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスの全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けさせることが必要なくらいに、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言2は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。 (vol.5)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 その4 第2 被告山直樹こと詠基の不法行為。1 本件発言による原告エイベックス株式会社の名誉権の侵害。ア 「いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています」(本件発言1)を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言1は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。 (vol.4)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 請求の原因。1当事者、原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(株式会社スターマウンテン代表取締役、訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。2本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯、山直樹こと詠基のFRIDAYにおける発言はいずれも事実無根であり、エイベックスの名誉を著しく毀損するものであり、エイベックスは、裁判外での解決が困難であると判断し、やむなく本件訴訟を提起するに至った。(vol.3)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 請求の原因。1当事者、原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(株式会社スターマウンテン代表取締役、訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。2本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯、山直樹こと詠基のFRIDAYにおける発言はいずれも事実無根であり、エイベックスの名誉を著しく毀損するものであり、エイベックスは、裁判外での解決が困難であると判断し、やむなく本件訴訟を提起するに至った。(vol.3)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 訴状。原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。請求の趣旨、1 被告山直樹こと詠基は、原告エイベックス株式会社に対し、金220万円等の金員を支払え、2 被告山直樹こと詠基は、株式会社講談社発行の週刊誌「FRIDAY」において、謝罪広告を1回掲載せよ。(vol.2)

山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 訴状。原告:エイベックス株式会社、代表者代表取締役黒岩克巳(訴訟代理人:森・濱田松本法律事務所、鈴木克昌弁護士、上村哲史弁護士、兼松勇樹弁護士、菊池春香弁護士)、被告:山直樹こと詠基(訴訟代理人:三崎総合法律事務所、三崎拓生弁護士)。請求の趣旨、1 被告山直樹こと詠基は、原告エイベックス株式会社に対し、金220万円等の金員を支払え、2 被告山直樹こと詠基は、株式会社講談社発行の週刊誌「FRIDAY」において、謝罪広告を1回掲載せよ。(vol.2)
 
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <起因>

 令和3年9月3日、被告山直樹こと詠基が原告エイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・ 損害賠償等請求事件の第一回口頭弁論が行われた。

 
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <復習>
             謝罪文

 山直樹こと詠基は、令和3年5月21日発売の週刊誌「FRIDAY」において、松浦会長の持株を含むエイベックス株式会社(以下「エイベックス」といいます。)の株式を買収するために、エイベックスが裏社会と関係するかのような発言エイベックスと交渉中であるかのような発言をしました。しかし、これらの発言はいずれも事実に基づくものではなく、山直樹こと詠基がエイベックスや松浦会長と同社の株式の譲渡に関して交渉しているという事実もありません。

 事実と異なる山直樹こと詠基の発言により、エイベックスの社会的評価を著しく傷つけ、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを認め、山直樹こと詠基の一連の発言を撤回するとともに、ここに深くお詫び申し上げます

        山直樹こと詠基に代わって
        週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)(vol.1)

             訴状

                  令和3年6月21日

〒107−8577
東京都港区南青山3−1−30
原告 エイベックス株式会社
代表者代表取締役 黒岩 克巳
〒100−8222
東京都千代田区丸の内2−6−1 丸の内パークビルディング
森・濱田松本法律事務所(送達場所)
電話 03−5293−4907(菊池直通)
FAX 03−5293−9386(菊池直通)
原告訴訟代理人弁護士 鈴木 克昌
同          上村 哲史
同          兼松 勇樹
同          菊池 春香

〒171−0042
東京豊島区
被告 山直樹こと詠基
〒150−0002
東京都渋谷区渋谷2−9−8 日総第25ビル4階
三崎総合法律事務所(送達場所)
電話 03−4570−6190
FAX  03−4570−6191
被告訴訟代理人弁護士 三崎 拓生

損害賠償等請求事件
訴訟物の価格 360万円
貼用印紙額 2万3000円

請求の趣旨

1 被告山直樹こと詠基は、原告エイベックス株式会社に対し、金220万円及びこれに対する令和3年5月21日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え

2 被告山直樹こと詠基は、株式会社講談社発行の週刊誌「FRIDAY」において、別紙謝罪広告目録1記載の謝罪広告を、同目録2記載の掲載条件にて1回掲載せよ

3 訴訟費用は、被告山直樹こと詠基の負担とする

との判決並びに第1項につき仮執行宣言を求める(vol.2)

 請求の原因

1 当事者

(1)原告エイベックス
 原告は、音楽・映像ソフトの企画、制作、製造、販売、賃貸及び輸入、卸業務並びに放送・上映、国内外の楽曲の原盤制作等を自ら行い、これらの事業を営む会社の事業活動を支配・管理することを主たる事業とする東証一部上場企業である(甲1)。

(2)被告山直樹こと詠基
 被告は、投資事業組合財産の運用及び管理等の事業を行う株式会社スターマウンテンの代表取締役であり(甲2)、後記第2のとおり、訴外株式会社講談社(以下「講談社」)という。)発行の週刊誌「FRIDAY」2021年6月4日号(以下「本件雑誌」という。)に、自身の発言を掲載させた人物である。

2 本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯

 令和3年5月21日、講談社の発行する本件雑誌が発売され、同雑誌において「『エイベックス買収』を仕掛ける人物 ファンドマネージャー高山直樹とは何者か」と題する記事(以下「本件記事」という。)が掲載された(甲3)。

 本件記事は、令和3年5月頃に「FRIDAY」の記者が被告に接触して取材を行った際の被告の発言を掲載したものであり、同取材において被告は自身の発言が多くの読者を有する週刊誌である「FRIDAY」に掲載され、同誌を購入した多くの読者の目に触れることになることを認識しつつ、後記第2のとおり、原告が裏社会とつながりを有しているかのような発言、さらには原告及び原告代表取締役会長が、原告の株式の譲渡や買収後の方針等に関して被告との間で水面下で交渉しているかのような発言(以下、これらの発言を「本件発言」と総称する。)をした。

 しかし、被告の本件発言はいずれも事実無根であり、原告の名誉を著しく毀損するものであった(後記第2)。

 以上のことから、原告は、令和3年5月28日、被告に対し、被告の本件発言による原告への名誉毀損行為に関して、書面による謝罪を求めるとともに、今後二度と事実無根の発言をしない旨を確約する誓約書の提出を求めた(甲4)。

 しかし、被告は、原告からの警告に対して何らの応答もしなかったため、原告は、裁判外での解決が困難であると判断し、やむなく本件訴訟を提起するに至った。(vol.3)

第2 被告山直樹こと詠基の不法行為

1 本件発言による原告エイベックス株式会社の名誉権の侵害

(1)原告エイベックス株式会社の同定可能性

 本件発言においては、原告の会社名である「エイベックス」という名称や、同社が「エンタメ業界」の会社であり、同社会長が「松浦(勝人)さん」であることが摘示されている。原告エイベックス株式会社はアーティストのプロデュースや国内外の楽曲の制作などを手掛ける会社であり、その代表取締役会長は松浦勝人氏(以下「松浦氏」という。)であるから(甲1)、一般的な読者の読み方を基準とすれば、本件発言の「エイベックス」が原告エイベックス株式会社を指すことは明らかである。

(2)本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる

ア 「いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています」(本件発言1)

 本件記事内において、被告山直樹こと詠基は、以下のような発言を行っている。

 本件発言1は、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの買収を実現した場合に、原告エイベックスをどのようにするつもりなのかという質問に対する回答の文脈において、「いわいる裏社会との付き合い方も熟知している」などと述べるものであり、「裏社会との付き合い方も熟知」していることが原告エイベックスの会社運営・経営に便宜であることを示すものである。

 そして、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言1を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言1は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。(vol.4)

イ 「まずは、(エイベックスの)全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」(本件発言2)

 本件記事内において、被告山直樹こと詠基は、以下のような発言を行っている。

 事業会社において全社員を対象に1年間に複数回の薬物検査を行うというのは極めて異常でるところ、本件発言2は、被告山直樹こと詠基が原告を買収した後に、全社員・全アーティストを対象に、1年に複数回の薬物検査を受けさせることが必要であることを示すものである。

 そして、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言2を閲覧した読者は、あたかも原告エイベックスの全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けさせることが必要なくらいに、原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常であるから、本件発言2は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。(vol.5)

ウ 「僕(山直樹こと詠基)としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです」「(エイベックス)現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ」(本件発言3)

 本件記事内において、被告山直樹こと詠基は、以下のような発言を行っている。

 本件発言3は、原告エイベックスや原告エイベックス代表取締役会長である松浦勝人氏が、被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックスの買収に関する交渉を進めているとの事実を摘示するものである。他方で、本件記事には「エイベックスは対外的に、『会社と通じての正式な交渉はない』と言い切っている」との第三者の発言も記載されている(甲3。なお、後述のとおり、実際にも原告エイベックスや原告エイベックス代表取締役会長である松浦勝人氏と被告山直樹こと詠基との間の交渉の事実は存在しない。)。

 そして、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件発言3を閲覧した読者は、原告エイベックスが表向きには被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡に関する交渉を否定しながらも、前記アのとおり、「裏社会との付き合い方も熟知している」被告山直樹こと詠基との間で、現在水面下で当社株式の譲渡や買収後の方針等に関する交渉を行っているような、いかがわしい会社(エイベックス)あるいは嘘つきの会社(エイベックス)であるかのような印象を抱くだけでなく、原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に「裏社会」と関係性を有しているとの印象を抱くのが通常であるから、本件発言3は原告エイベックスの社会的評価を低下させる。(vol.6)

(3)違法性阻却事由はない

ア 本件発言は、いずれも反真実である

 原告エイベックスにおいて、これまでに原告エイベックスが裏社会と関係性を有していた事実や、原告エイベックスの社内において薬物の使用が横行した事実自体が存しない。実際に、原告エイベックスの就業規則においては、従業員は、コンプライアンス・ポリシーを遵守することとされており(甲5・8条)、当該コンプライアンス・ポリシーにおいて、反社会的勢力及び団体との関係を持たないことが明記されている(甲6・8頁)。また、原告エイベックスの就業規則においては、禁止薬物又はその他に類する薬物の使用又は所持していることが明白な場合には、諭旨解雇又は懲戒解雇の対象となっており(甲5・73条20号)、薬物の使用又は所持は厳に禁止されている。したがって、本件発言1及び本件発言2の前提事実は、いずれも反真実である。

 また、原告エイベックスや松浦勝人氏が被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡に関する交渉をしている事実も一切存在しないから(甲7)、本件発言3も、反真実である。

イ 公共性も公益目的もない

 また、本件発言は、その内容が反真実であるばかりでなく、公共性又は公益目的がないことも明らかである。

 すなわち、前記(2)ア及びイのとおり、被告山直樹こと詠基は、本件発言において、同発言を閲覧した一般の読者が、原告エイベックスが裏社会と関係性を有しており、原告エイベックスの社内において薬物の使用が横行しているかのような印象を抱く発言を行っているところ、仮に被告山直樹こと詠基が真に原告エイベックスの買収を望んでいるであれば、将来自身が運営することとなる会社のレピュテーションを殊更に下げるような発言をすることは通常考えられない。また、被告山直樹こと詠基は、本件記事において「エイベックスを器としか思っていない」と発言していることからすれば(甲3)、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの裏社会との関係性や、原告エイベックスの社内における薬物問題等を是正するために、社会一般に問題提起する意図で本件発言をしたとも到底考えられない。

 したがって、本件発言に、公共性又は公益目的が一切存しないことは明らかである。現に、本件発言については、講談社関係者(沖田臥竜)からも、原告エイベックスの「株価を動かすことが目的ではないか」と述べられているところである。

(4)小括

 以上のとおり、本件発言は、いずれも原告エイベックスの社会的評価を低下させるものであり、違法性阻却事由も存在しないから、原告エイベックスの名誉権を違法に侵害するものである。(vol.7)

2 損害の発生

 被告山直樹こと詠基の本件発言は、本件雑誌に掲載されて今もなお広く一般に公開されている。

 そして、「FRIDAY」の毎週の発行部数が26万6042部であることに鑑みれば(甲9)、本件雑誌の多くの読者が、本件発言を通じて原告エイベックスに関する事実を誤って認識するに至り、原告エイベックスは社会的評価を損なうという甚大な被害を受け続けている
 また、既にこれまでの間にも、本件発言により、多数の原告エイベックスの専属アーティストやタレントが原告エイベックスに対して大きな不安感を抱き、担当マネージャーへの事実確認が後を絶たなかっただけでなく、原告エイベックスの下には各種メディア媒体からも本件発言の真偽に関する問い合わせが集中し、原告エイベックスの業務にも支障が生じた。したがって、本件発言によって原告エイベックスの名誉権が侵害されたことにより原告エイベックスが被った損害は、少なくとも200万円は下らない。

 そして、原告エイベックスは、被告山直樹こと詠基の名誉毀損行為に対する裁判外での対応を含む一連の法的措置を弁護士に依頼して行っているから、これらの被告山直樹こと詠基の不法行為と相当因果関係を有する弁護士費用は、少なく見積もっても20万円を下らない。

3 謝罪広告の掲載

 前記2のとおり、被告山直樹こと詠基の本件発言は、本件雑誌に掲載されて今もなお広く一般に公開されており、被告山直樹こと詠基は、原告エイベックスからの警告に対して何らの対応もしないため、本件発言によって原告エイベックスの社会的評価は低下し続けている。したがって、失墜した原告エイベックスの社会的信用を金銭による賠償のみで回復することは著しく困難であるから、原告エイベックスの名誉を回復するためには、別紙謝罪広告目録1記載の謝罪広告を、同目録2記載の条件で掲載する必要がある。

第3 結語

 よって、原告エイベックスは、被告山直樹こと詠基に対し、不法行為に基づき、損害賠償金220万円及びこれに対する本件雑誌の発売日である令和3年5月21日から支払済みまで、民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払いを求めるとともに、原告エイベックスの名誉を回復するための手段として、請求の趣旨2記載のとおり謝罪広告の掲載を求める。
                              以上 (vol.8)

              準備書面1

                       令和3年9月30日
東京地方裁判所民事第37部合議B係

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東京豊島区
被告 山直樹こと詠基
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東京都渋谷区渋谷2−9−8 日総第25ビル4階
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FAX  03−4570−6191
被告訴訟代理人弁護士 三崎 拓生

 被告山直樹こと詠基は、訴状(令和3年6月21日付け。)に請求の原因として記載された主張に対し、次のとおり認否反論する。

 なお、訴状で定義された本件発言1、本件発言2及び本件発言3はそれぞれ本書面でも同義で用い、これらを総称して「本件各発言」という。

第1 請求の原因に対する認否

 訴状記載の「請求の原因」のうち、

1 同「第1 事案の概要」のうち、

 (1)同「1 当事者」のうち、

  ア 同「(1)原告」は認める。

  イ 同「(2)被告」のうち、被告山直樹こと詠基が自身の発言を株式会社講談社の発行に係る週刊誌「FRIDAY」の2021年6月4号(以下「本件雑誌」という)に掲載させた事実は否認し、その余は認める。

 (2)同「2 本件事案の概要及び本件訴訟に至る経緯」のうち、

  同第1段落は認める。

  同第2段落及び第3段落は否認して争う。

  同第4段落のうち、原告エイベックスが被告山直樹こと詠基に対して甲4号証にいう書面を送付し、被告山直樹こと詠基が返答しなかった事実は認め、その余は不知。

2 同「第2 被告の不法行為」のうち、

 (1)同「1 本件発言による原告の名誉権の侵害」のうち、

  ア 同「(1)原告の同定可能性」は認める。

  イ 同「(2)本件発言は、原告エイベックスの社会的評価を低下させる」のうち、

  (ア)同「ア 『いわいる裏社会との付き合い方も熟知しています』(本件発言1)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。

  (イ)同「イ 『まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう』(本件発言2)のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。

  (ウ) 同「ウ 『僕としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉をしています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです』『現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだ』(本件発言3)」のうち、原告エイベックスが引用する記載が本件記事に存在する事実は認め、その余は否認し、争う。 (vol.9)

ウ 同「(3)違法性阻却事由はない」のうち、

(ア)同「ア 本件発言は、いずれも反真実である」は否認し、争う。

 原告エイベックスは、被告山直樹こと詠基の発言として本件記事に記載された内容を曲解しており、それに基づく反真実の主張は当たらない。

 また、原告エイベックスのコンプライアンスポリシーや就業規則の内容は、原告エイベックスの役員・従業員・所属アーティスト等が反社会的勢力との関係性を有していないことや、薬物の使用や所持をしていないことを必ずしも意味しない

(イ)同「イ 公共性も公益目的もない」は否認し、争う。

 なお、原告エイベックスは、甲8号証の記載をもとに、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの「株価を動かす」目的を有していたかのように示唆するが、原告エイベックスの株式の買収を予告するような言動は原告エイベックスの株価上昇を招き、原告エイベックスの株式取得を目指している者にとってはむしろ不都合であるから、被告山直樹こと詠基が原告エイベックスの「株価を動かす」目的を有していたとの指摘はどのみち当たらない。

エ 同「(4)小括」は争う。

(2)同「2 損害の発生」のうち、「FRIDAY」の発行部数は認め、多数の原告エイベックスの専属アーティストやタレントが原告エイベックスに対して大きな不安を抱き、担当マネージャーへの事実確認が後を絶たなかっただけでなく、原告エイベックスの下に各種メディア媒体から問い合わせが集中した事実は不知、その余は否認し、争う。

(3)同「3 謝罪広告の掲載」は否認し、争う。

3 同「第3 結語」は争う。(vol.10)

第2 被告山直樹こと詠基の主張

 1 事実の摘示でない

 (1)本件発言2

 本件発言2は、被告山直樹こと詠基が「エイベックスを買収した後」、「スキャンダル対策」として、「全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。」という方針の表明に過ぎず、事実の摘示でも論評でもない。

 (2)本件発言3

 原告エイベックスが本件発言3の一部をなす文言として摘示する「現代表取締役会長である松浦勝人氏の持株5%を含む25%を取得するつもりだ」という文言は、本件記事において被告山直樹こと詠基の発言として記載されているものではない。

 正確には、「最終的には、現代表取締役会長である松浦勝人氏の持ち株5%を含む株式25%を取得するつもりだという山氏。エンタメ革命という野望実現のためなら、経営陣の一掃も辞さないという。」という記事本文の引用であり、本件記事の執筆者の言論である。

 つまり、原告エイベックスが定義する本件発言3のうち、被告山直樹こと詠基自身が語った言葉として読み取れるのは、上記を除いた「僕としては敵対的に買収を行いたいわけではないので株の譲渡も含めて交渉しています。今年7月までに僕の望む結論が出ないのであればそれ相応の動きをするつもりです。」という部分のみである。

 そして、これは単なる方針の表明であり、事実の摘示でも論評でもないのであるから、原告エイベックスの社会的評価を低下させようがない。

 (3)小括

 上記のとおり、本件発言2及び同3は、事実の摘示でも論評でもなく、文言の類型として、そもそも名誉毀損としての不法行為を構成し得ない。(vol.11)

2 原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は誤っている

 (1)総論

 原告エイベックスは、本件各発言が原告エイベックスの社会的評価を低下させると主張する。

 しかしながら、原告のこの主張は、発言を恣意的に切り取っていたり、不自然な解釈を介さなければ到底抱きようがない印象を主張したりしており、本件発言の意味合いについて一般読者がすると思われる解釈とは著しくことなる解釈した上でなされており、理由がない。

 (2)本件発言1

 原告エイベックスは、「いわゆる裏社会との付き合い方も熟知しています」という本件発言1により、「原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象を抱くのが通常」だと決めつけるが、的外れである

 原告エイベックスは、本件発言1と一連のものとして記載された文言の大部分をあえて無視しているが、本件記事に記載された本件発言1に係る一連の記載は次のとおりである。

 「東大からゴールドマンという経歴だけだと、ただのエリートと見られがちですが、僕(山直樹こと詠基)はそれだけの人間ではありません。在日3世として生まれ、大阪の裕福ではない家庭に育ち、幼いときからカネには敏感に生きてきた。『TGC(東京ガールズコレクション)』や『Kー1』の再建を手伝ったこともある。それに、いわゆる裏社会との付き合い方も熟知しています。」

 このように、本件発言1は、被告山直樹こと詠基が自らの経歴を紹介する上でなされた発言にすぎす、自身のいわゆる「エリート」としての側面以外の側面に言及しているものである。

 一般読者が上記を読んだ場合、被告山直樹こと詠基は幅広い経歴の持ち主でる、という印象を抱くことはあっても、原告エイベックスは裏社会との関係性を有している会社なのだ、という印象を抱くことは大きな論理の飛躍を伴っており、経験則としてあり得ない。

 つまり、原告エイベックスは、「『被告山直樹こと詠基には裏社会との付き合い方を熟知しているという側面・経歴がある』イコール『原告エイベックスは裏社会との関係性を有している会社だ』」と即断する思考過程を経るのが一般的な読者であると主張しているのであるが、明らかに不合理である

 よって、本件発言1を原告エイベックスが主張する意味合いに解釈することは不可能であり、名誉毀損には該当しえない。(vol.12)

 (3)本件発言2

 原告エイベックスは、「…エイベックスを買収した後には、スキャンダル対策も徹底していきますよ。まずは、全社員、全アーティストを対象に1年に複数回の薬物検査を受けてもらいます。従えない人には辞めてもらう」という記載から、「原告エイベックスの社内で薬物の使用が横行しているかのような印象を抱くのが通常」であると主張する。

 しかしながら、薬物検査が実施された場合に、同検査の対象者の間で薬物使用が横行していると解釈すること自体が不自然である。

 例えば、スポーツ競技の大会においてドーピングの有無の検査が行われた場合、出場者の間でドーピングが横行している、と解釈することは明らかに不自然で、ドーピングを行うごく一部の出場者を割り出す必要があるがための措置だ、と理解するのが通常である。

 また、所属アーティスト等が薬物を使用していることが判明した場合、当該アーティスト等が関与している取引について高額な違約金が発生したり、当該アーティスト等ひいては当該アーティスト等が所属する芸能事務所やマネージメント会社の社会的評価が毀損され得ることは公知の事実である。

 このような状況の中、薬物検査に言及することは、上記のような有形無形の損害を未然に回避するための措置だと理解するのが通常であり、原告エイベックスが主張する理解にたどり着くのが一般的な読者の理解だということはできない(そうであるがゆえ、本件発言2には、「スキャンダル対策も徹底していきますよ。」との文言が含まれているのである。)

 上記のとおり、原告エイベックスは本件発言2の意味内容について一般読者の理解とは大きく異なる理解をしているのであり、同発言が名誉毀損に該当することはない。(vol.13)

 (4)本件発言3

 原告エイベックスは、「原告エイベックスが表向きには被告山直樹こと詠基との間で原告エイベックス株式の譲渡に関する交渉を否定しながらも、前記アのとおり、「裏社会との付き合い方も熟知している」被告山直樹こと詠基との間で、現在水面下で当社株式の譲渡や買収後の方針等に関する交渉を行っているような、いかがわしい会社あるいは嘘つきの会社であるかのような印象を抱くだけでなく、原告エイベックスも被告山直樹こと詠基と同様に「裏社会」と関係性を有しているとの印象を抱く」と主張する。

 しかしながら、まず、本件発言3からは、どう考えても、原告エイベックスと被告山直樹こと詠基とが「買収後の方針等に関する交渉」を行っているとの印象は受けない(買収後の方針等に関する方針については、本件記事のどこにも言及がない)。

 また、本件発言3は、被告山直樹こと詠基が、交渉相手を明らかにすることなく、「株の譲渡を含めて交渉しています」とするものであるところ、原告エイベックスの本件記事に対するコメントは、「会社を通しての正式な交渉はない」、つまり、自己株式の売却交渉やその他の方法で原告が直接関与している交渉は存在しない、というものである。

 ところで、原告エイベックスの株主構成は、令和3年3月31日時点で、以下のとおりである(乙1)。

  ・金融機関 23名(0.06%)

  ・金融商品取引業者 27名(0.07%)

  ・その他法人(国内) 184名(0.46%)

  ・外国法人等 225名(0.57%)

  ・個人等 3万9303名(98.84%)

 上記のとおり、本件発言3では、被告山直樹こと詠基が交渉をしている相手を特定する文言は何ら含まれていないのであるから、被告山直樹こと詠基の交渉相手として想定できるのは上記の約4万名の株主である(特に、個人株主が原告エイベックスの全株主の98.84%を占めているのは注目に値する)。

 このように、本件発言3にいう交渉の相手方となりうる者は約4万名存在するのであり、これに対して原告エイベックスが「会社を通しての正式な交渉はない」とコメントして原告エイベックス自身が交渉に関与していないと述べたからといって、原告エイベックスが「嘘つき」だという印象を抱く読者などいない

 さらにいうと、「会社を通しての正式な交渉はない」とコメントしているのは「前出の芸能事務所幹部」であり、原告エイベックス自身ですらないのであるから、原告エイベックスが「嘘つき」であるという読み方をすることは、一般人が抱く印象は措くとして、文理解釈としても成り立たない。

 上記のとおり、本件発言3が名誉毀損を構成することもあり得ない。

 (5)小括

 上記のとおり、原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は一般的な読者が読み取るそれと大きく乖離しており、名誉毀損は成立しえない。

4 社会的評価の低下の有無及び違法性阻却事由

 上記のとおり、本件各発言はそもそも事実の摘示でなかったり、引用が恣意的だったりして、それが真実か否か、という議論をすることができる段階にない。

 よって、原告エイベックスが摘示する本件記事の記載による原告エイベックスの社会的評価の低下の有無、及び違法性阻却事由の存否については、原告エイベックスの今後の訴訟活動に鑑みて必要に応じて主張する。
                         以上 (vol.14)

              準備書面2
                      令和3年11月8日
東京地方裁判所民事第37部合議B係
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東京豊島区
被告 山直樹こと詠基
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被告訴訟代理人弁護士 三崎 拓生
 被告山直樹こと詠基は、準備書面1(令和3年9月30日付け。以下「準備書面1」という)について、次のとおり主張を補充する。
第1 準備書面1記載の主張の位置付け
 準備書面1のうち、「第2 被告山直樹こと詠基の主張」「2 原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は誤っている」に記載した主張は、最判昭31年7月20日(民集10巻8号1059頁)の判示を前提とするものであるが、念のため、同主張の位置付けについて述べる。
 同判決は、「名誉を毀損するとは、人の社会的評価を傷つけることに外ならない。それ故、所論新聞記事がたとえ精読すれば別個の意味に解されないことはないとしても、いやしくも一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した意味内容に従う場合、その記事が事実に反し名誉を毀損するものと認められる以上、これをもって名誉毀損の記事と目すべきことは当然である」と判示しているところ、これは、@当該記事に記載された表現の意味内容が「一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈」されるべきであることに加え、Aかかる解釈を通じて一般読者が読み取る意味を前提とした場合、それが対象者の社会的評価を低下させるか否かについても「一般読者の普通の注意と読み方」が基準となることを判示したものである(佃克彦「名誉毀損の法律実務(第3版)」110頁)。
 準備書面1のうち、「第2 被告の主張」「2 原告エイベックスが主張する本件各発言の意味内容は誤っている」に記載した主張は、上記@を前提としたものであり、「一般読者の普通の注意と読み方」をした場合、本件発言1によって「原告エイベックスが裏社会と関係性を有している会社であるかのような印象」は受けないし、本件発言2によっても原告エイベックスが薬物使用が「横行」しているとの印象は受けない、と主張するものである。
第2 原告エイベックスの社会的評価は低下しない
 1 総論
 仮に、本件発言1が原告エイベックスと裏社会との関係性を示唆し、同2が原告エイベックス社内における薬物使用を示唆する発言だと解釈できたとしても、次に述べる理由から、原告エイベックスの社会的評価は名誉毀損の不法行為が成立する程度に低下しないか、そもそも低下しないのであるから、いずれにせよ不法行為は成立しない(上記Aの観点)。(vol.15)

2 社会的評価の低下の程度が不法行為を構成するに至っていない

(1)名誉毀損の不法行為が成立するために必要な社会的評価の低下

 名誉毀損による不法行為が成立するためには、当該表現の対象者の社会的評価が少しでも低下すればよいのではなく、当該低下が相当と認められる限度を超えていなければならない(東京地判平23年7月19日(判タ1370.192))。なお、この点については、多くの裁判例が、「社会的評価が法的保護に値する程度に低下したとまではにわかに認め難い」(東京地判平22年10月25日(ウェストロー2010WLJPCA10258005))、「仮に社会的評価の低下が認められるとしても、その程度は不法行為の成立を認めるに足りない」(東京地判平23年5月11日(ウェストロー2011WLJPCA05118006))、「対象者に損害賠償請求権が発生するほどに、対象者に対する社会的評価の低下が発生したとまでは認められない」(東京地判平21年6月17日(判時2065.50))、「損害賠償金を必要とするほどの社会的評価の低下が発生したとまでは認められない」(東京地判平27年5月18日(ウェストロー2015WLJCA05188005))、「社会的評価を低下させるものとはいえないか、低下させるとしても不法行為とは評価できないほどに微小な程度にとどまる」(東京地判平28年5月9日(ウェストロー2016WLJCA05196004))などと判示し、対象者の社会的評価の低下が一定程度に達して初めて不法行為が成立するという前提に立っている)。

 上記の一例として、東京高判平30年1月31日(判例集等搭載なし)は、雑誌に掲載された記述が、当該訴訟の1審原告と暴力団との関係性を示唆することで同原告の名誉を毀損しているか否かが問題とされた事案において、「一般読者が、1審原告らと暴力団が何らかの関係を有するという抽象的な印象を超えて、その関係が反社会的なものであるなどの具体的な事情を読み取るのは容易ではないというべきであるから、本件記述2が1審原告らの社会的評価を低下させるものとまでは認められない」と判示し、名誉毀損を否定した。

 以上からすると、特定の者が反社会的勢力と関係性を有していたり、社会的に不適切とされる行為を行っていたりすること(本件でいうと、薬物使用)については、当該関係性や行為について、「抽象的な印象を超えて」、「具体的な事情を読み取る」ことが可能な程度に事実の摘示がなされていなければ、不法行為を成立させるに足る程度の社会的評価の低下は生じないと解するべきである。

(2)本件発言1

 本件発言1によって、一般読者が、原告エイベックスが裏社会との関係性を有している会社だと解釈することに論理の飛躍があることはすでに主張したとおりであるが、これに加えて、本件発言1は、原告と裏社会との関係性の中身に何ら言及しておらず、原告が有しているかも知れない裏社会との関係性に関する具体的な事情を読み取ることは不可能である。

 よって、本件発言1を読むことで、万一、一般読者が原告エイベックスが裏社会との関係性について抽象的な印象を受けることがあったとしても、一般読者が認識できるのはそこまでであり、同関係性について具体的な印象を受けることは不可能であるから、同発言によって原告エイベックスの社会的評価が低下したといても、それは不法行為を成立させる程度に至っていない。

(3)本件発言2

 本件発言2においても、原告エイベックスにおける薬物使用に関する具体的な事情への言及はどこにもなく、一般読者が抽象的な印象を超えて原告エイベックス社内の薬物使用を想起することは考えられない(ましてや、薬物使用が「横行」しているとの結論に辿り着くことはあり得ない)。

 よって、本件2によっても、原告エイベックスの社会的評価が不法行為を成立させる程度に低下したとはいえない。(vol.16)

3 芸能界一般に対する社会的認識からして原告の社会的評価は低下しない

(1)総論

 原告エイベックスが業務を行っているいわゆる芸能界(音楽関係を含む)では、反社会的勢力との関係性や薬物使用が問題となった事案が複数発生しており、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことだというべきであり、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。

(2)反社会的勢力との関係性

 芸能関係者と「反社会的勢力との関係性が問題となった事案としては、近年のものだけをみても次のものがある。

・平成23年8月、テレビ番組の司会者などとして活躍していたタレント(島田紳助)が暴力団関係者との関係を理由に引退した事案(乙2(日本経済新聞H23.8.23「島田紳助さん芸能界引退 暴力団と親密な関係」))

〇島田紳助さん芸能界引退 暴力団と親密な関係
日本経済新聞2011年8月23日 22:55
 テレビ番組の司会者などとして活躍するタレントの島田紳助さん(55)は23日夜、吉本興業東京本部(東京・新宿)で記者会見し、暴力団関係者との親密な関係が判明したとして、同日付で、芸能活動を引退すると発表した。
 所属事務所の「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」によると、島田さんは2005年6月ごろから07年6月ごろにかけ暴力団関係者と親密な携帯電話メールをやりとりしていた。
 会見によると、島田さんは十数年前、暴力団関係者と旧友を通じて知り合った。自身の個人的なトラブルを、旧友に相談した際、「その知人の暴力団関係者が解決してくれた」と説明。暴力団関係者と直接会ったのは4、5回程度。
 会見で、島田さんは「トラブルを解決してもらい、恩を感じていた。問題はないという認識だった」と釈明。「一番重い処罰を自分に与えた」と引退の理由を語った。
 会見では、時折、涙を浮かべ、一連の経緯を説明。「明日からは一般人として静かに暮らしていきたいと思います」と述べ、約1時間の会見を締めくくった。
 よしもとクリエイティブ・エージェンシーは、所属タレント全員を対象に毎年、コンプライアンス(法令順守)研修を実施。暴力団関係者と会うことや飲食、メールのやりとりもいけないと指導していたという。今回も、同社側は島田さんに「よしもととしてのルールだ」と迫ったという。
 同席した同社の水谷暢宏社長は「経済的な利害関係は無いが、社会的影響力の高いテレビ等の司会者として登場しているだけに、厳格な態度で臨むべきだと考えた。本人から引退という申し出があり、受け入れることにした」と話した。
 島田さんは1977年、故松本竜助さんと漫才コンビ「紳助・竜介」を結成し、漫才ブームの一翼を担った。85年のコンビ解散後も数多くのテレビ番組の人気司会者として活躍。若手漫才師の日本一を決めるトーナメント大会「M-1グランプリ」も仕掛けた。
 04年に所属する吉本興業の女性社員を殴ってけがを負わせたとして傷害容疑で大阪府警に告訴され、10日間の謹慎処分に。傷害罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けた。復帰後も、「開運!なんでも鑑定団」のほか、「行列のできる法律相談所」や「クイズ!ヘキサゴン2」など、人気番組に出演していた。

・令和元年に、芸人(宮迫博之)が特殊詐欺グループや暴力団幹部らの宴会に出席して報酬を受け取っていたことが問題となった事案(乙3(朝日新聞デジタルR1.7.13「闇営業問題、芸人13人の受領額公表 謝罪として寄付も」))

〇闇営業問題、芸人13人の受領額公表 謝罪として寄付も
朝日新聞デジタル2019年7月13日 19時26分
 吉本興業は13日、所属芸人13人が会社を通さない「闇営業」で特殊詐欺グループや暴力団幹部らの宴会で受け取った金額を公表し、それぞれが12日までに税務修正申告を終えたと発表した。吉本は謝罪の一環として、NPO法人消費者スマイル基金、NPO法人消費者機構日本にそれぞれ150万円を12日付で寄付。宮迫さんと田村さんも、公益社団法人全国被害者支援ネットワークにそれぞれ寄付をしたという。
 ヒアリングの結果などから、芸人らが受け取ったと吉本興業が認定した金額は以下の通り。
宮迫博之(雨上がり決死隊) 100万円
・田村亮(ロンドンブーツ1号2号) 50万円
・レイザーラモンHG 10万円
・福島善成(ガリットチュウ) 3万円
・ディエゴ(ストロベビー) 3万円
・木村卓寛(天津) 3万円
・ムーディ勝山 3万円
・くまだまさし 3万円
・パンチ浜崎(ザ・パンチ) 3万円
・真栄田賢(スリムクラブ) 7万5千円
・内間政成(スリムクラブ) 7万5千円
・八十島宏行(2700) 計8万円(2回分)
・常道裕史(2700) 計8万円(2回分)(vol.17)
(3)薬物使用問題 芸能関係者について薬物使用が問題となった事案としては、近年のものだけをみても以下のものがある。

・令和元年6月18日、コカインを使用したとして麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャン(ピエール瀧)について、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決が言い渡された事案(乙4(朝日新聞デジタルR1.6.18ピエール瀧被告に執行猶予つき有罪判決 東京地裁)

・令和2年8月3日、覚醒剤取締法違反等の罪で起訴されたシンガー・ソングライター(槇原敬之)について、懲役2年執行猶予3年の有罪判決が言い渡された事案(乙5(朝日新聞デジタルR2.8.3槇原敬之被告に有罪判決 覚醒剤取締法違反などの罪)

・令和2年12月22日、大麻取締法違反の罪で起訴された俳優(伊勢谷友介)について、懲役1年執行猶予3年の有罪判決が言い渡された事案(乙6(朝日新聞デジタルR2.12.22伊勢谷友介被告に猶予付き判決 裁判官『また活躍を』)

(4)小括

 上記の各事案は大々的に報道されたものであり、社会一般に広く認知されている。

 そうだとすると、一般読者の間では、芸能界において反社会的勢力と関係性を有していたり、薬物を使用していたりした者の存在はすでに認識されているのであり、仮に本件発言1や同2が裏社会との関係性や薬物使用を想起させるものであったとしても、それはすでに一般読者によって認識されている範囲のことで、原告エイベックスの社会的評価は低下しない

〇ピエール瀧被告に執行猶予つき有罪判決 東京地裁
朝日新聞デジタル阿部峻介 2019年6月18日 11時52分
 コカインを使ったとして麻薬取締法違反の罪に問われたミュージシャンのピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)=東京都世田谷区=の判決が18日、東京地裁であった。小野裕信(ひろのぶ)裁判官は「常習的な犯行だが、治療を受けて薬物を絶つ誓約をしている」と述べ、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑・懲役1年6カ月)を言い渡した。
 判決によると、瀧被告は3月12日、自宅とは別の世田谷区のマンションの一室で、千円札を筒状に丸めて使い、鼻からコカイン若干量を吸引した。
 小野裁判官は、瀧被告は20代から違法薬物を使い始めたと指摘。ミュージシャン中心の活動から映画やドラマにも仕事の幅を広げたため、「私生活が圧迫され、限られた時間の中でストレスを解消するため、1人で使った」と認定した。薬物依存症とは認められないが常習性があり、「安易に違法薬物に頼ったとの非難は免れない」と述べた。
 瀧被告は閉廷後、「こんな自分に励ましや応援の言葉を表明してくださった皆さまに心より感謝します。二度とこのようなことを起こさないよう戒めていきます」などというコメントを出した。(阿部峻介)

〇槇原敬之被告に有罪判決 覚醒剤取締法違反などの罪
朝日新聞デジタル根津弥 2020年8月3日 11時29分
 覚醒剤取締法違反などの罪に問われたシンガー・ソングライター槇原敬之(本名・範之)被告(51)に対し、東京地裁は3日、懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。坂田正史裁判官は「違法薬物に対する抵抗感の乏しさを背景にした悪質な犯行で刑事責任は軽くない」と批判した。
 判決などによると、槇原被告は2018年3〜4月、仕事などで使っていた東京都港区のマンションの一室で、危険ドラッグ「ラッシュ」約64・2ミリリットルと覚醒剤約0・083グラムを所持。今年2月13日にも渋谷区の自宅でラッシュ約3・5ミリリットルを所持した。
 槇原被告は7月21日の初公判で起訴内容を認め、「自分の音楽活動に関わる方々やファンの皆様に対し、本当に申し訳なく思っています」と謝罪した。検察側は「1999年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた後も、薬物の使用を繰り返していた」と述べ、常習性や依存性があると指摘。弁護側は「覚醒剤などは捨てるつもりで持っていただけで、すでに縁を切っている」として執行猶予付きの判決を求めていた。(根津弥)

〇伊勢谷友介被告に猶予付き判決 裁判官「また活躍を」
朝日新聞デジタル新屋絵理 2020年12月22日 15時31分
 俳優の伊勢谷友介被告(44)が大麻取締法違反(単純所持)の罪に問われた裁判の判決が22日、東京地裁であった。村田千香子裁判官は「多量の大麻を所持し、使用歴も考慮すると大麻との関わりは深い」として、懲役1年執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。村田裁判官は判決後、「大麻との関係をしっかり断ち切り、また活躍してほしいと願っています」との説諭を述べた。
 伊勢谷被告は9月に大麻13.17グラムを都内の自宅で所持したとして逮捕・起訴され、初公判で起訴内容を認めていた。
 判決は、リラックスするために大麻を使ったとの伊勢谷被告の供述について、「そのような動機を酌むことはできない」と指摘した。一方で情状面として、「仕事関係者に与えた影響の大きさを自覚し、二度と大麻に手を出さないと誓っている」として執行猶予付き判決とした。
 伊勢谷被告は黒いネクタイをつけたスーツ姿で出廷し、判決後に裁判官に一礼して退廷した。
 検察側は論告で「常習性や依存性は顕著だ」と指摘した。被告人質問で伊勢谷被告は「海外で大麻は悪いものではないと考え、認識が甘くなった。二度と違法なことはしたくない」と述べていた。
 伊勢谷被告は判決後、弁護人を通じてコメントを発表した。「この判決を受け入れるとともに、私の身勝手な行動により皆様の信頼を裏切る結果となり、心から深くおわび申し上げます」としたうえで、「今一度許されることがあるならば、社会活動にいそしむ所存です。私が信念として持ち続けている『挫折禁止』の言葉の通り、自分の人生を諦めずに生きてゆきたいと考えております」とした。(新屋絵理)(vol.18)

3 すでに公になっている原告に関する情報からしても社会的評価は低下しない

(1)総論

 上記に加えて、原告エイベックスについては、以下に述べるとおり、すでに原告エイベックスの代表取締役である松浦勝人氏(以下「松浦氏」という)が反社会的勢力との関係性を有していたり、薬物を使用していたかのような報道があり、原告エイベックス(関係会社を含む)に所属する俳優等が麻薬及び向精神薬取締法に違反した罪で有罪判決を言い渡される事案も発生している。

 そうだとすると、原告エイベックスの経営を担うにあたって、「裏社会」に対応することや、原告エイベックス関係者の薬物に関するスキャンダルへの対策を講じる必要が発生しうることはすでに周知のことであり、本件発言1及び同2によっても、原告エイベックスの社会的評価は低下しない。

(2)反社会的勢力との関係性

 原告エイベックスと反社会的勢力との関係性については、平成23年6月、松浦勝人、原告エイベックスの株主を広域指定暴力団の幹部が同席する場に呼び出し、不穏当な言動を同株主に対して行ったという報道がなされた(乙7(文藝春秋H23.6.30エイベックス松浦社長 暴力団同席『株主を監禁・脅迫』で訴えられた!))。)(vol.19)

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山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <お知らせ>(2021.05.21エイベックス株式会社

 一部週刊誌記事について

 本日、株式会社講談社(以下:講談社)から発売されている週刊誌「FRIDAY」に、当社が買収される旨の記事が掲載されておりますが、書かれている内容は全て「事実無根」です。

 当社は、このインタビューを受けている高山直樹氏(以下:高山氏)との交渉はもちろんのこと、接触すらございません。そのため、講談社に対しては厳重抗議するとともに法的措置を実施し、高山氏に対しても法的措置を実施いたします。

 この記事によって、株主の皆様やお取引先・関係者の皆様、そして何よりも日頃から当社グループ所属のアーティスト、タレントを応援してくれているファンの皆様には、ご心配をおかけいたしましたが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

 
山直樹こと詠基がエイベックス株式会社(社長:黒岩克巳・会長:松浦勝人)の社会的評価を低下させ、名誉権を違法に侵害したという東京地方裁判所令和3年(ワ)第16034号・損害賠償等請求事件 週刊報道サイト株式会社(ジャーナリスト:佐藤昇)が山直樹こと詠基に代わって謝罪文を掲載。(vol.1)

 <エイベックス買収の「仕掛け人」の狙いはどこに 沖田臥竜コラム>(2021.06.03 20:05ビジネスジャーナル

 高山氏が登場した「FRIDAY」

 物事には歴史というものが存在する。それは企業においてもそうだろう。

 1990年代以降、日本の音楽シーンにおいて、エイベックスという会社は多大なる功績をこれまで残してきている。同社はそれによって大きく成長したが、同社の価値を単純に経済的な側面だけでは計ることはできない。例えば、今もなお語り継がれている名曲の数々だ。エイベックスというプラットフォームがあったからこそ、人々の心に思い出として深く刻まれているのではないか。それは、決して金銭に置き換えることはできないものだ。

 そのプラットフォームをただの「器」と表現する人物がいたとしたら、どうだろうか。もちろん表現の自由は憲法に守られているため、個々が好きに発言するのは自由だ。だが、奇しくもエイベックスの買収に乗り出そうとしている人物が、その会社を「器」と発言をすれば、関係者のみならず、多くの人が一種のアレルギー反応を起こすのではないだろうか。少なくとも私の頭には、部外者ながらも脳裏に「侮辱」という言葉が頭の中を駆け巡ったのだった。

 5月21日発売の写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)にこんな見出しが踊った。

 「エイベックス買収」を仕掛ける人物 高山直樹(ファンドマネージャー)とは何者か  この記事は、スターマウンテンなるファンドの代表を務める高山直樹氏にインタビューをしたものだ。その中で同氏は、業績低迷中のエイベックスの買収計画を進めていることを宣言。さらに「僕はエイベックスを“器”としか思っていない。僕が代表になったら、音楽だけではなく漫画やアニメ、実写映画などのコンテンツをつくっていくつもりです」と高らかに「器発言」を行っているのだ。しかし、エイベックスがすでにアニメや実写映画で実績を残していることは、一般人でも知っていること。この発言だけでも、この人物の底の浅さが見えてくる。また、高山氏は自身が在日韓国人であることから、その人脈を生かして、K-POPなど韓国のエンタメを取り入れていくとも語るが、それも「いまさら」感のある発言だ。

 私がこの記事に目を通してまず最初に感じた印象は、なぜ「FRIDAY」は高山氏のインタビューを掲載したのだろうかという点だった。事件やスキャンダルがあれば取材をして報じるのは記者の仕事だ。しかし、この記事は一見スクープ性の高いインタビューに見えるが、その実、高山氏の空虚な放言を載せているだけに思える。また、エイベックスサイドは、高山氏との買収交渉の存在について完全否定をしている。

 果たして、この高山氏の話は、記事化し、掲載するレベルにあったのか。確かに、誰もが知る大手企業を相手に「自分がその会社を買って、社長になったなら」という論理を展開させること自体に興味を惹かれる読者もいるだろう。

 エイベックスの創業者で会長である松浦勝人氏についても、現段階においては部外者でしかない高山氏が「僕の方針と合わないということであれば、卒業ということもあるかもしれませんね」という挑発的な言葉を掲載している。記事を掲載したFRIDAYの版元となる講談社とエイベックスは、決して関係性は悪くはない。その上で記事を掲載したのだ。その狙いはどこにあるのか。ある講談社関係者もそのことについて、同様の疑問を口にしていた。

 「どうした経由で掲載に至ったのかわからないが、ウチは比較的にエイベックスさんと仲が良いといわれている。エイベックスに対して高山氏が本格的な買収工作に入っているという事実があるなら、もちろん日頃の付き合いがあるかといって、忖度などは存在しない。しかしそれが果たして、今なのか。卑猥な話、高山氏がメディアを使って買収宣言をしたのは、本気で買収を成功させることが最優先にあるわけでなく、ほかになにか狙いがあるのではないか。例えば、株価を動かすことが目的ではないかと勘繰ってしまう。ましてや、これだけコンプライアンスがうるさくなかった中で、本気で買収を考えている人物があんなことを言うだろうか」

 この関係者のいう「あんなこと」とは、高山氏が反社会的勢力について語った言葉だ。

 「いわゆる裏社会との付き合い方も熟知しています」

 自身は裏社会とパイプがあるという物言い。付き合い方以前に、裏社会と何らかの接点を持ってはいけないと、暴力団排除条例でうたっているのだ。それなのに、付き合い方を熟知していると、自ら喧伝している時点で問題になると考えないのか。

 そんなツッコミどころ満載の持論を展開してみせた高山氏。さまざまな角度から検証しても、何か裏がある気がしてならない。それほど、高山氏の「エイベックス買収宣言」は実現性に欠けていると思えるのだ。

 そして、偶然なのかそうではないのか、この高山氏のインタビューが掲載された数日後、サイバーエージェントがエイベックスの筆頭株主になることが発表された。高山氏は、次にどのような手を打ってくるのか興味津々だ。

(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
 2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。最新作に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(同)がある。

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■平成27年2月9日、東京地方
 裁判所へ482名で提訴(vol.1)

■平成28年8月19日、甲府地方裁判所へ150名で提訴(vol.59)

■平成28年9月30日、東京高等裁判所へ229名で控訴(vol.60)

「朝日新聞を糺す国民会議」との盟約締結(vol.12)
■提訴の経緯(vol.56)
■会報(一面二面三面五面
■関行男大尉を偲ぶ(vol.17)
南京大虐殺はあったのか?(vol.30)
公式ホームページ
原告団弁護士米山健也弁護士
原告団事務局長 佐藤昇
訴状PDF
訴訟委任状PDF
問合せ先info@hodotokushu.net

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民主党議員(細野豪志ら)が群がる大樹総研(オーナー矢島義也)という実態のない団体の正体。乱交パーティーか?

カジノ解禁法案反対

セガサミー里見治自宅銃撃事件の真相を報道する

サントリーと暴力団

サントリーに完全勝利する

■サントリーが暴力団住吉会副会長へ利益供与を実行した事実の隠ぺい工作の全貌   

アライオートオークション小山

荒井商事主催アライオートオークション小山におけるメーター改ざん詐欺を争う裁判が勃発     

山崎製パン

山崎製パン大阪第一工場において異物混入したまま商品を出荷したとの内部告発文書を検証する

地位確認等請求事件への内部告発を検証する

福島県除染偽装事件等

福島県と三春町への取材結果

大林道路福島営業所への突撃取材結果

仙台震災復興生コンクリート工場詐欺事件    

リミックスポイント

國重惇史辞任

関係者4名逮捕

暴力団●道会関与か?

架空採石権4億円設定!

真珠宮ビル跡地

買付証明売買予約金策祝杯上客赤富士裏金枠偽造本間吉偲ぶ会一条工務店?刑事告訴予告公売か?武蔵野ハウジング東京都主税局徴収部とのルート構築イーストシティ藤江克彦が逃走    

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檻に3日間閉じ込められた後に埋められた齋藤衛氏(リュー一世・龍一成)を追悼する

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実父チチローから「殿堂入りする位の親不孝者だ」と言い放たれるイチロー(鈴木一朗)選手の資産管理会社IYI社の実像

阪神西岡剛選手

暴行傷害事件疑惑(診断書)・猿芝居感謝状

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