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M資金ってそもそも何なの?(3/18)

 

 1994年9月18日の日本経済新聞の朝刊から引用いたします。うまくまとまった説明になっておりますので、まずは、ご参照下さい。

 M資金の話の起源は定かではない。「M」は日本占領下、GHQ(連合国軍総司令部)の経済科学局長だったマーカット少将のイニシアルだという。マッカーサーのMだという説などもある。

 最も流布した説はこうだ。戦時中、政府が国民から買い上げたダイヤモンドなどや、軍部が占領地で略奪し持ち帰った貴金属などが、戦後すぐに占領軍によって接収された。その一部を日本の戦後復興に充てる秘密資金にしたという。

 戦争直後、大蔵省の終戦連絡部長、渉外部長などとしてGHQとの折衝に当たった渡辺武氏は「マーカットは高射砲の軍人で、経済のことは全くわからない人だった。M資金は存在しないと思う」と言う。

 「のちに米国で会った時、何かいい仕事はないかと頼んできた。彼が亡くなった時もさみしい葬式だった」とも語る。

 M資金のうわさは朝鮮戦争後の一九五五年前後から政財界の一部でささやかれ始めた。戦争中や戦後の混乱期が材料なため話がもっともらしく、今でも実在すると思い込んでいる人がいる。

 詐欺に使われる資金源の名称は時代が下るにつれ、M資金からガリオア・エロア資金、オイルダラー、フリーメーソンの資金、ユダヤの資金等々、次から次へと新顔が登場する。

 過去に裏資金の話に乗せられ、かかわった経営者がいるとうわさされた企業は枚挙にいとまがない。

 以前には、関西の私立大学がだまされ、講堂の建設工事の契約までしたことがある。自治体がひっかかった例もある。

 たとえ、だまされても、ほとんどが外聞を気にして当事者も会社も否定する。犯罪にならない段階で話を打ち切る場合が大半だからでもある。よほどの被害でない限り、警察に届けも出ない。実際には、念書の回収などのため会社がひそかにカネを出している例もあるようだ。

 M資金の詐欺話が広く世間の目に触れたのは、ロッキード事件で注目を集めた全日本空輸の大庭哲夫社長がひっかかったケースである。

 六九年、二人の自民党議員の紹介状を持った鈴木明良元自民党代議士が大蔵省特殊資金運用委員会の委員と称し、三千億円の長期低利融資の話を持ち込んだ。これに応じ、大庭氏は融資申込書と念書とを渡した。それが暴露されたため、責任を問われて退任に追い込まれた。

 七九年には、元大蔵省事務次官の長男を含む詐欺グループが、特種製紙の小山幸隆社長に、スイス銀行の秘密資金から「グリーン資金」を一千億円融資するという話を持ちかけ、運動費として額面合計十一億円の約束手形を詐取した。一味は逮捕され、小山社長も引責辞任した。

 「大蔵次官のころ、省の先輩などが何人も訪ねてきてM資金について聞かれた。うそですよと否定すると、さすがに口が堅いと余計信じてしまったりしてね」(谷村裕資本市場振興財団顧問)。

 経営者がひっかかった事例をみるといくつか共通する点がある。第一に、話がもっともらしい筋立てになっている。戦後の一時期、洋画を輸入しても、その代金の送金が認められず積み立てられた時期がある。

 この特別円を、用途を限定して国内で使ってもいいことになったからどうか、という勧誘もそのたぐいである。

 第二に、政治家の紹介とか、官僚OB、弁護士、企業幹部など社会的地位の高い人を通じてM資金の話が持ち込まれることが多い。彼ら自身、ほとんどM資金の話を真に受けている。

 第三に、一流ホテルなどを長期に借り切り、旧華族、官僚、銀行トップなどの偽者が次々に登場することが多い。時には、本物までが事情をよく知らないまま一味に利用され、詐欺の仕掛けに一役買わされることもある。偽の預金証書などさまざまな小道具も使われる。

 第四に、「あなただけに特別にお話している。あなたが決断して下さい。他の人にもらしたら、この話はないことにします」などと言って、社内で相談させないようにするケースが多い。こう言われると、自分が会社の救世主のような気分になり、深みにはまりやすい。

 八〇年代初めぐらいまでは、企業は資金不足だったので、銀行以外のルートからの有利な融資という話に乗りやすかった。財務担当者がひっかかったこともあった。

 近年、ひっかかるタイプは、第一に天下りや二世経営者、それに東大卒など若いころからエリートでさして苦労もしないまま出世した人である。彼らはビジネスの裏にうとく、すぐ人を信じてしまう傾向がある。

 第二に、出世願望や事業欲の強い野心家である。あるメーカーの場合、業績不振から自分の手で脱却すれば、社長になれるのではないかといった野心に付け込まれた。詐欺グループは狙った相手の心理を実によく読んでいる。

 欧米ではおとり捜査が認められているので、警察はM資金のような話が本当かうそか、すぐ確かめることができる。

 日本ではおとり捜査はできないうえ、被害届が少ないから、なかなか捜査に乗り出せない。M資金の妖怪がいつまでも徘徊するのは、そのせいでもある。

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