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一周年を迎えて、来日した吾輩は中国人さんからのご助言です。その2(26/7/22)

 

 <序説>

 吾輩は中国人さんが、6月20日に仕事で来日した。

 当然、直に会いたいので、すぐにアポイントを取り、会いに行った。

 そしたら、仲間ならではの、貴重な助言をしてくれた。

 会話形式の方が、読者に伝わりやすいと考えるので、何回かに分けて連載していきます。

  なお、吾輩は中国人さんは、中国では、大学で教鞭をとっていて、日本では、政治経済を学ぶ、大学院生だ。

  <本節>
 
 中国人 「佐藤さんはみずほを追いかけているけど、日本の金融機関と中国の金融機関は、全くお金の貸し方が違うんだ。日本には銀行系だとCIC、貸金業者系だとJICCなんて個人信用情報機関があって、金融機関ならこうした情報にアクセスした上で融資判断ができる。だけど中国にはこうした個人信用情報機関が無い。その上、戸籍もしっかりしていない。資本主義が導入されてから、何もかもが短期間で出来上がっており変化が激しいので、一人の人間がたくさんの顔を持っている。」

 佐藤昇 「え、じゃあ、どうやってお金を貸しているの?」

 中国人 「基本は面接中心、書類も取るけど、書類は偽造されているかもしれない。面接だけでは分かるはずは無い。個人の融資には銀行マンがグルになっていたり、賄賂が横行したり・・・実際のところは僕にもわかんないけど・・・もちろん法人の信用情報も無い。帝国データバンクや東京商工リサーチに似た機関はあるけど、データベースが蓄積されていないから、情報の信頼性は疑問。

 リサーチ会社は、政府機関から企業の納税情報を買うことが出来るので、ここは日本よりも便利だけど・・・」

 佐藤昇 「事実上、法人が税務申告した内容が公開されてんの?」

 中国人 「そうとも言える。でも、『上に政策あれば、下に対策あり』というのが中国人、公開される税務申告書には本当の事を書かない。

 決算数字の粉飾は日本でもあるかもしれないけど、中国では経営者や株主までダミーを立てるから、政府機関の情報を買っても、結局は分からないんだ。」

 佐藤昇 「そうなんだ」

 中国人 「米国で上場した中国企業、資本市場で開示している業績と、政府機関から購入した企業の納税情報が大きく食い違い、何度か大問題になったことがある。

 それからしばらく、海外上場企業に関しては、納税情報が買えなくなった。

 上場制度によって、中国企業の近代化が飛躍的に前進した面も大きいけど、まだまだ漫画みたいな企業運営が続いている。
 
 株式会社制度、公認会計士制度、こうした制度は急速に近代化したけど、経営者の意識がまだまだ追いつかない。」

 佐藤昇 「それじゃ、銀行も怖くてお金なんて貸せないね」

 中国人 「そうなんだよ、日本の銀行も会社にはお金を貸さずに日本国債を買っているらしいけど、中国の銀行も国営企業に融資をするしか選択肢がないんだ。

 不動産担保があっても、金融機関からの融資は難しい。
 
 こうした状況が分かってくると、最近話題の理財金融が中国で大流行する理由が分かるよね。」

 佐藤昇 「結局、公式な金融制度が全く機能していないんだね。」

  中国人 「その通り!ただ敢えて機能させていない、なんて面もある。

 信用システムが構築されると、中国の金融は必然的に世界に接続されてしまう。

 接続するメリットとデメリット、それを中国政府は計算している。

 今回の金融改革は、中国の金融システムを世界水準に引き上げる方向のもの、世界との接続を志向し始めたと見ていいと思うけど、中国人はあまり、上手くいくとは信じていない。」
 
  佐藤昇 「へーそうなんだ。でも、そうしたら、民間の会社は、どうやって資金を調達してるの?」

 中国人 「あれは、正に任侠道だよ。佐藤さんも記事書いてたでしょ。」(6月17日記事6月24日記事をご参照下さい。)

 佐藤昇 「えっ、どういうこと?。」

  中国人 「中国では、金融機関を頼らず、親族や友人からお金を借りるケースが多い。だから、仲間から借りた金は、何が何でも返済する。
 
 仲間内で信用を失うと、誰からもお金が借りられない。

 だから中国人の感覚は、日本の任侠の世界に近い。

 日本の任侠も、日本の信用情報の世界から阻害されている。

 中国の14億人と同じ状況にある。」

 佐藤昇 「すごい話だね。ちなみに、日本では、現代のヤクザは金を返さないのが仕事だよ。

 そして、そのヤクザの周辺者達も同じで、手を変え品を変え、金を返さないよ。」(7月1日記事7月15日記事をご参照下さい。)

 中国人 「それは中国でもよくある話(笑。ただ注意しなければならないのは、中国人は今でも、表の肩書より人間性を信用する。

 小さな事でも一度裏切れば、表面ではニコニコしていても、中国人は二度と信用しない。

 はっきりと拒否する場合もあるが、知らないうちにビジネスのシャッターが閉じてしまう事も多い。

 個人情報が何も無いので、自分の目で厳しく判断するしか無い。」

 <代表佐藤昇からの感謝メッセージ>

 上記のような、日本に居ては分からない、密度の濃い中国の貴重な生情報を、たくさんご教諭してくれて、吾輩は中国人さんは、帰国していきました。

 いつも色々ありがとう。




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