中国大陸から眺めた日本列島（歴史認識その４）(3/25)

　

　仮に中国が戦争で日本に勝ったとしても、精神面においても国家総動員体制が構築された地域を軍事的に占領しても、費用対効果が悪過ぎる。

　国益の衝突が植民地化のような形で決着しないのは、こうした事情による。

　もっとも逆に日本が勝った場合は、中国はバラバラ過ぎてやはり費用対効果が悪い（笑 第一次世界大戦以降、先進国間の戦争は、国民国家間の総力戦となる。そして国際社会は、敗戦国ドイツの処理に失敗し、第二次世界大戦の遠因となっていく。

　国民国家間の戦争にはそれぞれに正義があり、またそれぞれに悪がある。

　だからこそ新たな国際秩序は、歴史事実に基づくのでは無く、歴史認識に基づく事が重要になる。

　国際社会は、「敗戦国」日本の取扱いに改めて手を焼いている。もちろん、中国、韓国も、国民国家としては未成熟であったにせよ、同じ苦しみに直面している。

　日本の苦しみは、中国・韓国の苦しみでもあることに日本人は気付かない。国民国家の怨念をどう解消するのか、世界はまだ回答を見つけられないのかもしれない。

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